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試合レポート

耐えて先制するも、PK2発で分かれた勝敗。精神的ダメージの回復が急務に

 

17日に行われた明治安田J2第14節A長崎戦は、悪くない展開の中、2つのPKで勝敗が分かれた。精神的にダメージの残る敗戦。次の試合への切り替えが急務となる。

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試合後にレフェリーに感謝した敵将

 
長崎の高木琢也監督は試合後会見で、PKについてこう話した。
 
「ああいうものもなかなか取ってくれないレフェリーもいるので、今日のレフェリーに関しては非常に感謝している。なかなかレフェリーに感謝することはないのだが、今日のレフェリーには非常に感謝したい」
 
連戦の疲労を抱えつつ、互いに全力を出してしのぎ合うなかで、結果的にはジャッジにより勝敗が分かれたことに対して、勝者としての最大限の配慮が感じられるコメントだった。
 
「やられて負けたのだったら力がなかったと思えるのだが、本当に悔しい」と、片野坂知宏監督も悔しがった。試合後の選手たちの様子からは精神的ダメージが見て取れた。
 
試合前日のアクシデントで急なメンバー変更を余儀なくされた中、いくつかの選択肢から指揮官が選んだプランも悪くはなかった。川西翔太をシャドーに入れ、前節・名古屋戦で途中出場して良い仕事をした前田凌佑をスタートからボランチで起用。ボールを握り、いつもどおり相手の隙を突いていく目論見だった。
 

上福元の安定した仕事で無失点で折り返す

 
前半、長崎は前線から激しくプレッシャーをかけてきた。球際でバトルしながら、立ち上がりは互いに攻め合う。ただ、ミラーゲームらしくパスがつながりにくい。次第に長崎ペースとなり、押し込まれる時間が増えた。
 
前半だけで相手のCKは8本。クロスも多く入れられたが、上福元直人が安定したセービングを見せた。警戒していた長身FWファンマに対しても、ボールを収められて起点を作られた場面はあったが、ケアできていた。前半アディショナルタイム、カウンターからファンマの放ったシュートがポストに弾かれ、劣勢を耐えて無失点で折り返したときは、勝機があると思った。
 
後半は相手が運動量を落として構えたことで、ボールを持てる時間が増えた。後藤優介や川西が相手ボランチの脇で受け、サイドに展開していくつかのチャンスを作った。川西を起点に山岸智が仕掛けからクロスを入れ、後藤がシュートを放った55分の場面などは、狙いどおりの形だった。
 
それに対して長崎はまず67分、疲労も考慮して養父雄仁を宮本航汰にスイッチ。2分後に大分も鈴木惇に無理させないようベンチへと下げ、川西をボランチに落として、バイタルエリアで起点が作れはじめていたシャドーには國分伸太郎を入れた。國分の動きに可能性を感じられたところで、長崎も吉岡雅和を下げて中村慶太を入れた。
 

先制後に2本のPKで逆転される

 
74分には疲労した山岸に代えて岩田智輝を投入。いつもは右WBに配置し、岸田翔平を左に移動させるところだが、この日はそのまま岩田を左WBに置いた。前半から古部健太とのバトルで疲労した岸田の位置に岩田を入れるプランも、もともとはあったのだが、長崎が中村を投入してきたことで、指揮官は岩田に、福森直也とともに中村をケアする任務を課した。
 
そんな76分、ようやくスコアが動く。右サイドからの後藤のFKに竹内彬が競り勝ってネットを揺らした。長い時間帯を耐えての先制点は、一気に大分のペースへと持ち込む狼煙になるはずだった。
 
だが、ビハインドになった長崎のギアチェンジに対し、受けに回ってしまう。相手のスローインからバタつき、PKを与えた。これをファンマが決めて同点に。
 
87分には長崎が澤田崇に代えて前田悠佑を入れ、システムを3-5-2に変更。中盤の形を変え、その脇で起点を作られることに対策した。1分後、大分は伊佐耕平に代えて林容平。負傷明けだが、起点として頑張れる林の仕事に勝負を懸けた。
 
そういった細やかな采配合戦も見応えがあったが、試合はアディショナルタイムにあっけなく転がった。エリア内で飯尾竜太朗を倒したとされ、90+6分、ふたたびPK献上。ファンマのPKは上福元が弾いたが、誰より早くそこに詰めた中村がこぼれ球を押し込み、そのままホイッスル。
 

次節に向けてのコントロールが肝要

 
微妙なジャッジも含め後味の悪い結末に、疲労感が増した。
 
片野坂監督は敢えて攻撃面での課題に目を向けた。「後ろから回したり組み立てたりというところはだいぶ出来ているのだが、相手陣地に入ってからの崩しに課題がある。動かせてはいても決定機が作れなかった。ワンプレーのクオリティーが良ければチャンスになっていた場面がたくさんあった」
 
決定機をものに出来なかった後藤も、責任を痛感していた。移籍後初得点の竹内は「結果論で言えばPK2つで負けてしまったのだが、そこだけにフォーカスせず、しっかり振り返ってやっていきたい」と前を向いた。
 
もちろん課題もあるが、いわば事故に遭ったような敗戦とも言える。42試合の中ではこういうこともあり、これまでにも何度もそういった試合を乗り越えてきた。
 
今回は連戦で、すぐに次節・町田戦がやってくる。そこに向けて早く切り替えられるか、立て直す余裕なくメンタルのダメージを引きずるかで、今後の流れが大きく変わる分岐点になりかねない。指揮官のコントロールの手腕にも、選手個々のプロとしての意識にも期待したい。
 

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