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試合レポート

なすすべなく完敗。チームコンセプトのさらなる徹底とクオリティー向上を

 

シーズン折り返し前の最後の試合だった、明治安田J2第21節A千葉戦。今季初のリーグ3連勝を懸け、特徴ある相手に対し攻守に狙いをもって臨んだが、それをなかなか表現できずにチームとしての意思が見えづらいまま、1-4という大差で敗れた。

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アウェイ感満点のフクアリで何も出来ず

 
試合後の会見で片野坂知宏監督も「完敗だった」と認めざるを得なかった。攻撃の形が作れず、ほとんどの時間帯で守備に追われた。終わってみれば相手には23本ものシュートを打たれ、こちらは7本しか打てなかった。
 
黄に染まったスタンドから湧き立つような相手サポーターの声が反響し、アウェイ感満点のスタジアム。その雰囲気にのまれたと話す選手たちも、少なからずいた。「いつもだったら見えているところにみんながパスを出せなかったり、簡単なミスがあったり、守備でもプレッシャーをかけられていない部分があった」と鈴木惇は振り返る。
 
4-3-3と3-5-2の2つのシステムを使い分ける千葉は、今節は4-3-3を採用。前線にはラリベイ、清武功暉、船山貴之と強力な3枚が並んだ。ここに中盤や両SBが絡んでくる。
 
片野坂監督は、相手が4-3-3で来た場合には、4バックにして相手の前線3枚に対応するプランも考えていた。だが、3バックのまま両WBがスライドして擬似4バックで対応することで、シュートは打たれながらも、しばらくはなんとかしのげていた。
 
失点は33分。こぼれ球を拾ってリフティングしながらゴール前に持ち込んだ清武が、最後は見事なシャペウで鈴木惇を引き剥がすとシュート。上福元直人が弾いたところを、詰めていた船山に押し込まれた。
 

流れを見ての変更で当初の狙いがボヤけたか

 
ハイラインを敷く千葉の背後を突く形はチャンスにつながる可能性も感じさせたが、前線にボールが収まってもサポートするより前に相手に潰されてしまう。相手のハイプレスの背後を取って素早く攻める狙いでボランチやシャドーも出来るだけ高い位置を取るようにと試合に入ったが、結局、ボールを奪ってもすぐに相手に奪い返されてしまい、ポジショニングも意味をなさなかった。
 
「背後を狙えと言い過ぎたのか…」と片野坂監督は試合後に振り返ったが、前線3枚が横並びになってしまい、下がって受けたり相手をつり出したりする動きが少ないまま、相手の攻撃にさらされ続けた。
 
そこで小手川宏基を一列下げてフォーメーションを5-3-2にすることで相手の攻撃をしのぐ作戦に出たが、これが当初の狙いをボヤけさせてしまった感もある。
 
ほとんど攻撃できずに1点ビハインドで折り返すと、片野坂監督は後半頭から、山岸智に代えて松本怜を投入。松本のスピードで背後を突く作戦はある程度奏功したが、同時に千葉はハイプレスの矛を収め、高い位置でブロックを構えた。
 
48分、サイドチェンジを受けた乾貴哉に対応した岸田翔平が振り切られてクロスを入れられると、ゴール前でフリーになった清武に頭で難なく決められて2失点目。中の集中が切れていたかのようなもったいない失点だった。
 

追撃は相手守護神のファインセーブに阻まれる

 
54分にはクロスから後藤優介が、その2分後には鈴木惇のクイックリスタートFKから三平がヘディングシュートを放つが、いずれも佐藤優也のファインセーブに阻まれてしまう。この決定機がひとつでも決まっていれば流れも変わったかもしれないが、相手守護神はそれを許さなかった。
 
65分にはラリベイが左CKに頭で合わせ、3-0と千葉がリードを広げる。このタイミングで指揮官は三平を伊佐耕平へとスイッチした。
 
73分、松本の絶妙なクロスに走りこんだ後藤が右足でこれを押し込み、ようやく一矢報いる。75分に竹内彬を下げ黒木恭平を入れて4バックにし、さあこれから反撃と意気込むが、小手川の、そして黒木の放ったシュートはいずれも佐藤優也に阻まれ、松本と黒木が左右から送ったクロスもゴール前で跳ね返された。
 
80分には上福元のキックを川西翔太が胸で落としたところを町田也真人に拾われ、そのパスを受けたラリベイにとどめの4点目を奪われる。この日は特に好調だったラリベイと清武に、いいようにやられ、なすすべなく試合は終わった。
 

チームとしてどう攻めるかが見えなかった

 
相手の個々の力量が高かったことも確かにあるが、チームとしてどう攻めるかの意図が見えなかったことが、この試合が上手くいかなかった最たる要因となった。ボールをつないでくる相手の背後を狙って攻め返す狙いで試合に入ったものの、予測や判断で上回る相手は出足が早く、その勢いに押されたように、すべてのクオリティーがいつもより低下していた。
 
何も出来ずに敗れた感の強い試合を終え、指揮官はショックの色を隠せなかった。これでシーズンは折り返し。「このリーグで上位に食い込んでいくためには、一人ひとりのクオリティーやサッカーのベースの部分がまだまだ必要」と粛々と話し、ここからの仕切り直しをもう一度誓った。
 
「目標は残留」としながら、自分たちのスタイルを築いていくシーズン。ブレずに戦いながらJ2で勝ち点を積み上げることの難しさに、チームはつねに向き合い続ける。
 

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