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試合レポート

狙いをもって臨んだが、力量差の出る展開に。守備の粘りもわずかに及ばず

 

シーズン折り返し最初の試合となった、明治安田J1第18節。チームは特徴あるスタイルを貫く横浜FMに対し、狙いをもって臨んだが、相手の圧に押し込まれる展開に。粘り強い守備で耐えていたが、押し破られたように1失点して敗れた。

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さまざまに準備して臨むも相手の力に押される

 
マンチェスター・シティのスタイルを踏襲するようにSBが中に絞ってのビルドアップが特徴的な横浜FM。前回対戦の第4節、そのスタイルへの対策が見事にハマって2-0で勝利した記憶は鮮やかだ。だが、2度目の対戦となると向こうもそれを修正してくるはず。それを読みつつどう戦うのかが、今節の注目ポイントのひとつだった。
 
片野坂知宏監督が採用したのは、前回対戦と同じ3-5-2システム。守備時には5-3-2となってブロックを築き、3枚のボランチで相手SBとアンカーとなる選手をケア。右にティティパンを置いてタイ代表チームメイトのティーラトンとマッチアップさせた。
 
コイントスで勝った鈴木義宜キャプテンはコートチェンジでエンドを入れ替える。いろいろな経験則やジンクスめいたものを下敷きに選手たちが考え、指揮官も前半のうちにティティパンに近くで指示を出したい考えから、コイントスに勝ったら入れ替えようと話していたようだ。風の影響の強い三ツ沢球技場で、風上からのスタートとなった。
 
試合は立ち上がりから圧倒的に横浜FMのペースで進む。大分の3ボランチの立ち位置を見ながら、SBがいつもとは違ってアウトサイドの立ち位置を取った。流動的な中盤のパスワークに押し下げられ、大分は守備の重心が低くなる。開始直後に、この試合を最後にベルギーのロケレンへと移籍する天野純に鋭いミドルシュートを打たれるが枠の上。10分にはエジガル・ジュニオの至近距離からのシュートを高木駿が正面でキャッチ。26分にも遠藤渓太のシュートを高木が止める。27分、マルコス・ジュニオールのFKをゴール前密集で競ったこぼれ球を天野に狙われて、枠の右。横浜FMのセットプレーも多くなり、ほぼ防戦一方となってしまう。
 

前半を無失点で折り返して望みをつないだが…

 
大分としても、相手の力量の高さや圧の強さはもちろん織り込み済みで、それを想定した上でのビルドアップの方法を、トレーニングで準備していた。だが、相手がこちらの立ち位置を見ながら即座に嫌なポジションを取ってくるので、つねに判断で上回られる形になり、中盤が未整理な状態に。
 
だが、前半から何度か、狙いの立ち位置を取れた場面があった。相手がダブルボランチ状態で並んだときにオナイウ阿道がその間に下り、その両脇に中盤の2枚が立ち位置を取る。相手の中盤をケアしながらこちらも後ろからボールを引き出して前へと運ぶ目算だったのだが、技術や意思疎通のミスが目立ち、パスが上手くつながらない。荒れた芝が雨に濡れたピッチコンディションも折からの風も、選手個々の力量差を際立てることになった。
 
それでも押し込まれながら粘り強い守備で、本当に危ないシーンはそれほど迎えずに耐えていた。このまま横浜FMが数ある決定機を決めきれない雰囲気になるまで持ちこたえられれば、と望みはつながる。大分もわずかながらポゼッション率を回復し、残念ながらオフサイドとなったが、37分には松本怜のクロスにニアで藤本憲明が合わせる場面も作れた。39分には縦パスを受けた藤本がウラへと流すスルーパスをオナイウが受けてシュートするが、わずかに枠の右に逸れた。
 
0-0で折り返した後半も、状況は変わらず相手ペースのまま。56分、片野坂監督は前半に打撲を負った松本を星雄次に交代した。62分には横浜FMがトップ下をマルコス・ジュニオールから三好康児へとチェンジ。攻めたい大分は74分、疲労したティティパンを長谷川雄志に代え、小塚和季をシャドーに上げてシステムをいつもの3-4-2-1に変更した。
 

相手の圧に突き破られて失点を喫する

 
圧倒的な相手ペースも粘り強く跳ね返して耐えていた74分、ついに牙城を突き崩される。三好のクロスを仲川輝人が経由し、走り込んできた広瀬陸斗が中へと送り、エジガル・ジュニオがシュートを放った。一度はブロックできたものの、そのこぼれ球がまたエジガル・ジュニオの足元に戻ってしまい、2度目のシュートはゴールへと吸い込まれた。
 
ビハインドとなった大分は、79分に前田凌佑をベンチに下げ、小手川宏基を投入。小塚をボランチに下げ、小手川をシャドーに配置した。86分には横浜FMが1トップのエジガル・ジュニオを大津祐樹に交代。最後まで攻めあったが、高木の好セーブにも助けられつつ、逆にこちらはシュートに至らずに、以後、ネットが揺れることはなかった。
 
片野坂監督は試合後、選手たちにもう少し勇敢にトライしてほしいと話した。「タイミングとかつながりとかのところで勇気を持って出来るかどうか。そういうところで受けれるか、走れるかだと思う」。
 
怪我人が続出してじわりと選手層に影響が出ている現在、個々のインテンシティーやクオリティーの高い選手を擁する相手に対して組織で対抗するために、監督やコーチたち戦術班は細かい戦略を練り、それをトレーニングで落とし込もうとしている。実行できるかどうかは選手次第だ。実戦での相手との関係性の中で十分に表現するのは簡単なことではないが、そこにトライしていかなくては、真の強さを培うことができない。
 
次節はまたミラーゲームの予想される札幌戦。勢いのある攻撃陣や強いプレッシャーに対し、臆せず挑んでいきたい。
 

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