片野坂知宏監督【記者会見】「相手の良さを消しながら追加点を狙った」

 

連休中、台風も心配されたのだがいい天気になった中で、いいゲームをしてくれたと思う。今季ホームゲームは今日を含めて残り3試合というところで、残留争いをしている京都さんと、昇格プレーオフ争いをしているわれわれとの戦い。やはりホームで勝点3を取ることが非常に大事なゲームだと思い、試合に臨んだ。

早い時間に先制され、厳しい展開になったのだが、選手は切り替えて、そこからわれわれの戦いをしっかりと最後まで切らさずにやってくれた。得点にしてもピンチの場面にしても、ラッキーな面もあったが、その中でも追加点を取って勝点3を取れ、サッカーの神様がわれわれに微笑んでくれた大きな勝利だったと思う。

しかし、これで何かを得たわけでもなく、まだまだ残り6試合、本当に厳しい試合が待っている。まずはアウェイ2連戦で上位争いをしている町田さん、相性の悪い千葉さんと戦う。今日のようにタフで球際で激しく戦う厳しいゲームになることを覚悟した上で、勇気を持ってチャレンジし、また1週間、選手全員で準備したい。できればいいゲームがしたいが、泥臭くても、どういう状況でも、今日のように勝点3を挙げられるようにやっていきたい。

——京都はベンチにも多彩な攻撃陣がいた。90分間のマネジメントで最も難しかった点は。

交代選手を含め、高さもある、強さもある、スピードもある。やはり90分の戦いにはなるだろうという中で、1-0で終わるゲームではないなと。1失点はする可能性があると考えていた。なので、複数点を取らなくてはならない。ではどういうふうに取っていこうかという準備の中で、今日の1点目はプレッシャーをかけて相手のミスを誘い、拾うことができた。京都さんの守備ブロックを崩す攻撃を選手もチャレンジした中で、焦れずに切らさずに何度もチャレンジしてある程度チャンスを作り、なんとか追加点を取ることができたのだが、ピンチもあった。

本当にどちらに転ぶかわからないゲームで、点を取ることがすごく難しいゲームにもなったし、取らなくてはならないというところのマネジメントで、選手の動きを見ながら判断するようにした。ただ、交代はこちらがリードしたときで、京都さんはおそらくビハインドになれば、レンゾ・ロペス選手や岩崎選手、ジュリーニョ選手あたりを使ってくるだろうと考えていた中で、守りきるわけではないのだが、相手の良さを粘り強く消して守りながら追加点を狙うというようなプランで行くようにした。

——これで暫定首位になったが、今季の好調の理由と新戦力について。

まず、首位にはなったかもしれないが、わたしの中ではやはり42節終わった中での自分たちの位置が非常に大事になるし、まだあと6試合残っているので、あまり勝点や順位に目を向けてはいない。ただ、次の町田戦も首位攻防戦になるし、そういうプレッシャーのかかるゲームで昇格争いができるのは、選手たちが日頃のトレーニングでしっかりと狙いを合わせてやってきたからこそ。こういう立ち位置で、J2の中でもビッグマッチ、プレッシャーのかかるゲームで昇格を争うことのできる幸せを感じながらやることが大事かと思う。

今季加入した選手は、うまくわれわれの戦術を理解しフィットしてくれている。賢い選手が入ってくれたので、選手が狙いを理解しながらやれている。オプション、メンバー、システム、いろんなことを変えながらこれまで戦えているのは、監督としても非常にありがたい。その中でチャレンジしてくれる姿勢、日頃のトレーニングから真摯にわれわれの戦いを求めている姿勢には感謝しているし、やはりトレーニングがしっかりとできているからこそ、勝点を積み上げてこういう立ち位置にいられるのだと感じている。

——戦術理解などの面で具体的な選手名を挙げるとすれば。

今季の新加入選手に関して言うなら馬場賢治、星雄次…、宮阪政樹も前半戦はずっと出ていたし、藤本も後半戦になってから途中から出たり先発したりして得点を挙げている。前半戦と後半戦でメンバーが変わったり、戦術自体もいろんなトライをしながら戦う中で、その場ではどの選手がいいのかということ、たとえばFWでは藤本がいいのか伊佐がいいのか林がいいのかと考える。いろんな戦術に従ってメンバーを組むようにしている中で、選手がチャレンジしてくれている。そういうところの理解力は非常にいいし、そういう選手が試合の中で、より結果を出してくれているのは大事なことだと思う。