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闘う言葉

【記者会見】片野坂知宏監督「攻撃の精度や思い切りについては修正したい」

 

本来であれば昨日のフライデーナイトに試合が開催される予定だったのだが、台風の影響で1日順延となって、難しいコンディションの中で今日の鳥栖戦を迎えた。そういう状況の中でアウェイでひさしぶりになんとか勝点1が取れたことはポジティブにつなげていきたい。台風接近して試合が延期になった中、たくさんのファン、サポーターの方々にこの駅前不動産スタジアムまでお越しいただき、最後までわれわれにパワーを与えていただいた。

なんとか勝点3を贈りたかったが、選手は集中して鳥栖さんの攻撃に対して体を張り、粘り強く戦ってくれた。その姿勢は非常に良かったと思うし、次に向けてもつなげていきたい。

得点の部分でなかなかシュートが打てなかったのは重々承知の上。フィニッシュまで行く精度や思い切りについては、もっとチャレンジしないと得点は難しいと、今日戦いながら感じた。

次節の名古屋さんも非常に守備が硬く、攻撃でも個の能力の高い選手がそろっている。難しいゲームになると思うが、今日のようにしっかりと狙いを合わせて戦って、勝点を積み上げていけるよう準備したい。

——前節と同じスタメンで臨んだ狙いは。守備的な意図もあったのか。

先発メンバーを選んだのは、前節の湘南戦から引き続き非常に集中して準備してくれている選手だったので、勝った勢いをそのままに今日の鳥栖戦に向けて送り出していきたいと考えた。鳥栖さんは上手いチームだし、攻撃も戦術的に上手く仕組みを作られているチームなので、それを自分たちから壊さないようにという意図で、少し守備的という評価にはなるかもしれず、それはみなさんがどういうふうに今日のゲームを捉えるかはわからないが、わたし的には、鳥栖さんの攻撃に対しての自分たちの守備と、鳥栖さんの守備に対しての自分たちの攻撃というところでの仕組みを考えた中で、トライした。

守備のところでは、まずクリーンシートで終えたこと。危ない場面もあったし、高木や周りのDF陣も体を張ったり、背後へのボールもたくさん入ってくる中でも対応してくれた。その守備に関しては非常によかったと思う。また攻撃では、もう少しシュートを打つ大胆さや選手の意識は修正しながら、次節の名古屋戦に向けて準備したいと思っている。

——順延となったことで調整面で難しい面はあったか。

昨日、台風が九州地方に上陸して延期になったあとはトレーニングがなかなか出来なかったのだが、ただ、1日延びたことでのコンディション調整のところで、宿泊やグラウンドなどに関してクラブに協力していただき、今日のゲームに集中して向かうことが出来た。クラブがしっかりとわれわれに協力してくれたことが非常に大きかったし、そういう準備をしてくれたことに感謝する。それが結果につながればいちばんよかったのだが。

選手も開催されるのか延期になるのかわからない中で、開催されるつもりで前日も当日も準備していた。延期が決まってからも集中を切らさず、鳥栖戦に向けていい準備をしてくれたと思う。

——鳥栖の巧みな攻撃に対して、こちらも守備対応に迷いがなく全体が意思統一できていた。たとえば順延になったことでミーティングでさらに深く落とし込めたりもしたのか。

正直、そこまでミーティングで言ったわけではない。ただ、鳥栖戦に向けて相手の戦い方をこちらも分析していて、大体そのような形で来たので、今週のトレーニングや試合前のミーティングで、守備のところで隙を作らずに相手がやりたいことに対して管理し、逆に相手のウィークのところを自分たちが突いていくということを話した。選手もそれを意識しイメージがあったので、迷いなくプレーできたのではないか。実際にピッチに立ったときに分析どおりだったということもあったのではないかと思う。

——ここ2試合で戦術を理解して全員で遂行する手ごたえが高まっているように見えるが、残り9試合にそれをつなげていけそうか。

はい。やはり守備もすごく大事だし、ピッチに出ている11人が同じ絵を描きながら共有しないと、隙が出来てしまったり相手に上回られてしまったりというところもあるので、守備の統一性や意識はしっかりと持たせている。約束事がある中で、それを90分切らさずにやらせるようにしたいと思うし、そうすると強固な守備が出来てボールを奪うことも出来る。そうすればカウンターのチャンスも築けるかもしれないし、自分たちがボールをつなぐことにもつながっていく。

残りの9試合も、簡単な相手はひとつもないが、まずそういったベースはしっかりと整えた中で、勝点をどれだけ取っていけるかが大事になってくる。チャレンジしたいと思っている。