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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「選手たちも熱いものを感じながらプレーできたのではないか」

 

まずはホームゲーム入場者数1万人以上という目標を掲げてきた中で、今日は1万5000人超の方に来場いただいた。そのパワーと熱がピッチ上に伝わって、今日の1-0という勝利につながったと思う。

特に前半、東京Vさんはボールを持つのが非常に上手いチームだし、攻撃も厄介だったが、われわれも積極的な守備でハイプレスをかけて高い位置でボールを引っ掛けたりしつつ、相手のやりたいことをしっかり防げた中で、チャンスも何度か作れた。前半にチャンスを決めていれば、もっと優位にゲームを進めることが出来たかもしれないが、ハーフタイムを挟んで選手たちも「いまのままのイメージで行こう」と後半に入った。セットプレーからいい形で先制点を取れて、そこから上手く時間を使いながら、最後はいろんな選手も入りながら、この1点を守り切ろうという雰囲気になってきて、上手くゲームを閉めることが出来たと思う。

本当にたくさんの人に来ていただき、DAZNやNHKで放送があってという中でプレーしたわれわれの選手たちの熱がしっかり伝わっていればいいなと思うし、次もホームで出来るので、またたくさんの人に来ていただいてパワーをいただけたらすごくありがたいなと思う。

——J1昇格に並び毎ホームゲーム入場者数1万人超という目標を掲げる中で、今日は1万5000人超の観客が入った。その景色や雰囲気について。

言葉になかなか出来ないというか…まずゴール裏が埋まっていて、すごく揃っていてそれが非常にうれしかったし、バックスタンド、メインスタンド、2階席まで人が入っている様子はあまり見たことがなかったので、まず「すごく入ってるなー」という印象があった。さらにサポーターの声援。一体感のあるサポーターの声がビシビシ伝わってきて、それが選手たちのモチベーションにもつながった。本当に、選手たちも熱いものを感じながらプレーできたのではないかと思っている。

——後半立ち上がりに少しプレスがハマらない時間帯があった。相手の回し方によるものか。

多少、相手もちょっとずらすなど工夫してきたのではないか。われわれのプレスが前半でだいぶハマっていたと思うので、多少ずらしてきていたと思う。

——選手たちが後半途中から守り切る戦い方へとシフトした判断について、相手のミスに助けられたピンチもあったが、監督からの評価は。

もうだいぶ時間がなくなってきて、自分たちが前から行くリスクを考えたときに、少し5バックっぽくなって守りはじめたことに関しては、僕もいい判断だったと思う。あとはもちろん運にも助けられた部分はある。ただ、やはりチームとしてあきらめずに何かを成し遂げようとするときというのは、そういう運も拾えるものかなと。少し相手のミスにも助けられたが、そういうことも味方になって無失点で終われたのだと思う。

——昨季から無失点で6連勝中だった東京Vに土をつけての連勝スタートとなったが。

あまり東京Vさんが連勝中だとか無失点だとかいうのは気にしていなかった。勝てるときは勝つし点が入るときは入ると思っていた。ただ、やはり実際に対戦してみると東京Vさんはすごく力のあるチームだと感じたし、次に対戦するときはまた厄介な相手だという印象を受けた。

——ハーフタイムの指示は具体的には。

まず、前半の流れのまま続けていこうと。特に守備のところは緩めないように。攻撃のところでは、分析担当の安井コーチが入ったので、新しい試みとしてハーフタイムに映像を使って前半で起きた現象を2シーンほど、「こういうイメージで攻撃しよう」と選手たちに見せた。こういうことをやりたいなというのはずっとあったので、それが直接的にゴールにつながったとは思わないが、今後もトライしている。

——その試みは開幕の徳島戦でもやったのか。

開幕戦は電波が悪くなっちゃって(苦笑)。上手く撮れなかった。今日は上手くいった。いつもは戦術ボードで駒を動かして説明するのだが、やはりナマの映像だとリアリティーがあって理解が深まるようだった。

——デビュー2戦目の西川選手の評価は。

まず、無失点で終えられたこと。クロスに対してハイボールに果敢に飛び出したりと守備も当然よかった。あとはフィード。前から東京Vがプレスをかけてきたときに、1.5列目、特にターゲットの伊佐だったりシャドーのところでフリーになっている選手を見つけてそこにピンポイントで落とすボールが、今日はかなり効果的だったのではないかと思う。2試合目にしては上出来だった。

——昨季に比べて2戦を終えた時点での戦術の浸透度は。

特に守備のところは非常によくなっているという印象。徳島さんも東京Vさんもボールを持つのが上手いチームで、今日の東京Vには後半少しボールを持たれて苦しかったが、自分たちがやりたい守備のところは出来ていたのではないかと思う。あとは後ろ。今日は安藤が怪我で欠場したが、後ろの選手がすごく安定して跳ね返してくれているので、そのへんも守備がよくなっている要因かと思う。攻撃に関しては、今回は狙いどおりに行った部分と、ちょっと後半に出せなくなった部分があったので、もっともっと磨きあげていきたいと思う。

——昨季とは異なるスタートになっている。

そうですね。システムもそうだが継続している部分もあるので、昨季のスタートよりもチームとして出来上がってきている感じはある。

——この2連勝がチームに与える影響は。

まず、J1昇格という目標を掲げた中ではいいスタートになったと思う。ただ昇格だけではなく、人を呼んでいくというところでは、自分たちにもプレッシャーをかけて、たくさんのお客さんに来ていただいた中で勝たなくてはならない状況にして、しっかり選手が勝ってくれた。勝ったことで自信がつくし、ファン、サポーターを含めていい循環になっていければと思っている。そのきっかけとしては非常にいい連勝だったのではないかと思う。