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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「18人のハードワークと、その裏にいる選手との一体感」

 

まずは本日、レゾナックドーム大分に来てくださったみなさまに感謝したい。今日、2-1でしっかり勝ち切れたのはそういった方々のお陰だと強く感じている。また引き続き応援していただければと思う。

ゲームのほうは、千葉さんが予想と違ったシステムで、選手たちはうまくそこに対応したと思うが、今日は特に前からプレスをかけてくる相手に対してしっかりビルドアップしていくところも、全部がうまく行ったわけではないがトライしてくれたし、前半、いい形でFKから先制できた。後半もハーフタイムを挟んで受け身にならずに2点目を取りにいこうという姿勢を見せてくれた中で、少し劣勢に立つ時間もあったが、その中でも追加点を取れたことは非常によかった。

ただ、最後にアディショナルタイムに失点してしまったのは大いに反省するところ。途中から出た選手を含め、18人みんながハードワークしてくれたし、その18人の裏にいるメンバー外になった選手たちも普段のトレーニングから本当によくやってくれている。そういったチームの一体感が今日の勝利を生んだと思う。

入場者数が1万人に届かなかったことはすごく残念だなと思う。でもまた選手とともに、次々節のホームゲームに1万人を超える観客を呼び込めるようなチームになっていきたい。

——相手のシステムが4-4-2であることに気づいたのはどのタイミングか。

試合開始後5分くらい。おそらくこれまでと同じ3-5-2で来るだろうと予想してトレーニングしていた。選手も相手が4枚であることはすぐに気づいていたので、あらためてそこで確認して「OK、OK」という感じで進めた。

——後半の入りに相手が少し修正してきてセカンドボールが拾えなくなった時間帯があったが。

ちょっと相手がプレスのところを整理してきたなという感じがあって、前半は上手くボランチのところにボールが入っていたのが入らなくなったりとか、少し相手のプレスが強まったことでロングボール、セカンドボールがちょっと拾えなくなったという感じが実際にあった。それによって流れが少し千葉のほうに傾いたのだが、その中でも崩れずに、失点しないようにしながら矢印は前向きにという話をした。

(野嶽)惇也のあの抜け出しなども、そういうところからぐっと思い切り出ていって、(高畑)奎汰もしっかり入ってきてというところは、選手たちが前向きにやってくれた成果だと思う。

——お互い激しくプレスをかけあって守備からリズムを作るチーム同士の対戦。こちらが前半にペースを握れた要因は。

プレスに頑張って行って蹴らせてセカンドボールを回収できていたのと、逆にプレスをかけられても上手くボランチあたりを使いながら何回か剥がせていた場面があったので、ビルドアップでそのへんが少し上回っていたのかと思う。

——今日はセットプレーと流れからの両方で得点できた。

セットプレーも非常にうれしい。ちょうど前日にも奎汰が無回転FKの練習をしていて、1発目はズレたがまた2発目も蹴らせてもらえるならと。自分で蹴りたいと言ったのかノム(野村直輝)が譲ったのかはわからないが、練習したものがしっかり出たかたちだったのでよかった。

2点目は惇也がうまく抜け出していいクロスを上げて、逆サイドの選手が入ってくるようにと常日頃から言っている中で、まさか奎汰のあんな素晴らしいヘディングが決まるとは思っていなかったので少し驚いた。本当に素晴らしい得点だった。

——ラストの失点について。

得失点差を考えてもそうだし、やっぱり2-0で終わるのと1点取られるのとでは全然違うので、そこは大いに反省しなくてはならない。逆に反省材料に出来るところでもある。無失点が続いていた中での失点だったので、無失点継続記録が途切れてしまったのはもったいなかった。

——前節から1人先発を入れ替えて、その1人が2得点。見極めの手応えは。

フジ(藤本一輝)もずっと悪くなかったのだが、続けて出場していたことで多少疲れがあったのと、奎汰がずっと好調で、いい表情でプレーしていたので、ちょっと左サイドのところを変えてみようかなと考えた。まさか2得点の活躍をするとは思わなかった(笑)。

——トップスコアラーになった高畑選手の評価を。

FK2発と今日のヘディングとで、一気にチーム得点王に躍り出て、ちょっとびっくりしている(笑)。アカデミー出身の選手が活躍するのはチームとしていいことだし、ぽっと先発起用してぽっと結果を出すというのはなかなか難しいと思う。しかも2得点はなかなか出来ることではないと思うので、今日の奎汰は本当にスーパーだったと思う。

——高畑選手に先発出場を伝えたときのことを。

トレーニングの中で伝えて準備してきた。ずっと非常に落ち着いてトレーニングしていたし、自分の出番が来るのを焦れずに待っていたところもあったので、スムーズに入れたのではないかと思う。4試合を終えてチームが負けていない、結果としては悪くない中で、スタメンが初めて1人だけ変わったというところで、本人としては受け止めるものもあったとは思う。そういうところでモチベーションが高かったのではないか。

——5戦を終えてここまでの手応えは。

まずは全体として守備の意識がすごく高まって、今日を入れて5試合で2失点。昨季に比べると失点数はかなり減っている。選手たちも守備意識高くプレーしているので、そういった意味で守備のところは評価できる。ただ、攻撃面では、まだまだ得点力が物足りないところがある。今日は流れの中で1点取ったが、もっともっと押し込んでフィニッシュに至るシーンをたくさん作り、観ている人たちをもっと楽しませるようなサッカーをしたいと思っている。攻撃のところはもっと精度を上げていきたい。

——入場者数1万人超のためにまたやっていきたいことは。

今日は1万人行かなかったのだが、ゴール裏の熱気などはすごく伝わってきたし、1万人超えたらさらにもっと迫力が出て雰囲気がよくなると思う。そういった人たちに来てもらえるように、またクラブ全体でいろんなものを発信してトリニータの魅力を伝えながら、僕らが勝利するといういいサイクルにつなげていきたい。