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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「選手もスタッフも誰ひとり諦めずに一体感が出ている」

 

順位が5位と6位というシチュエーション、そして九州だービーということで、非常に多くのファン、サポーターが来てくださった。特に大分のサポーターは大分やいろんなところから集まってくださり、本当い素晴らしい応援をしてくださったことに、まずは感謝したい。

そんなサポーターに勝利を届けたかったのだが、結果として勝点1にとどまってしまって、非常に悔しい。いまわれわれが置かれた状況から考えても、勝点3を取ることでひとつ上にいる長崎さんを追い越すことが出来たので、そういった意味でも本当に悔しい勝点1だった。

ただ、ゲームの内容と、0-2から追いつきもう1点取れそうなシーンを作ったことに関しては、ポジティブに考えている。最悪は相手に勝点3を渡すことだったので、この勝点1を、また残り9試合につなげていきたい。

——いつもとは異なる選手選考と戦い方だった。対長崎の狙いは。

結果的に2失点してしまったのでなんとも言えないのだが、まずは守備を固めたかったというところ。今週は特に守備の部分をトレーニングし、4-4-2のブロックで崩されないようにしてきた中で、立ち上がりは少しボールを持たれて動かされてというシーンがあったが、やってきたことをしっかり出しつつ、相手の時間帯もしのいでいたと思う。

攻撃のところでは最初、なかなかいい形を作れずにいたが、徐々に形が作れるようになった。初めてテイシェイラを使って彼が実際にどれだけ出来るのかというところもあった中で、だんだんゲームが落ち着いてきて彼も慣れてきた。また、今日はターゲットになる2トップを入れていたこともあり、長いボールも織り交ぜながらと考えていた。

——形は作れてもなかなか点が取れず、選手交代後に上夷選手のクロスから長沢選手の2点目が生まれた。采配については。

2失点目の前にもうちょっと早くカードを切ってもよかったかなと思うタイミングだったのだが、全体的に悪くなかったので難しいところもありながら、いいタイミングを見計らっての投入を狙っていた。

——それまでの野嶽選手と羽田選手もよかったと思うが、交代の意図は。

単純に野嶽は怪我から復帰後まもなくで、SB起用ということもあって疲労があった。上夷はずっとSBをやってきて、右足のクロスには鋭いものがあるし、フレッシュな状態でプレーできるので交代した。羽田に関しては、ノム(野村直輝)を真ん中で使いたかったので。(保田)堅心を代える幅と羽田を代える幅があって、その中で羽田に少し疲労が見えたので、堅心を落とし、ノムを真ん中に入れるという形に、すぐに変えた。

——残り9試合に向けての勝点1は。

さきほども言ったが、0-2のシチュエーションから追いついたところもそうだし、いまチームとしてもJ1昇格という目標を、選手もスタッフも誰ひとり諦めずに一体感が出ている。それが今日の2点ビハインドから追いつく執念の源になったと思っている。選手たちは苦しみながらも歯を食いしばってバラバラにならず一体感をもって戦う姿勢を貫いている。

クオリティーやゲームの流れの中でのプレーはまだまだ足りない。ゲームがわれわれのペースとなっていた中からセットプレーで失点するなど甘い部分もまだまだあるので、そういうところは突き詰めなくてはならない。ただ、チームの方向性や一体感についてはポジティブに捉えたい。

——クラウドファンディングの支援もありつつ、今日も多くのサポーターが駆けつけていた。

まずは、この場を借りてクラウドファンディングの御礼を伝えたい。最終日に大きな金額が集まり、選手たちもクラブのみんなも驚いていた。われわれはファン、サポーターに支えられているクラブなのだと、あらためて実感した。だからこそ今日は勝ちを届けたかったという思いが強い。

今日は17時キックオフでほぼデーゲーム。ウォーミングアップ時にはまだサポーターの席にも陽がガンガン当たっているような状況だったにもかかわらず、その席に着いて応援の準備をしてくれて、暑い中、声が涸れるまで応援してくださる姿を見ると、大分トリニータのサポーターは本当にタフだと思う。自分もベンチにいて指示を出すだけでも汗が流れるし疲労もするが、もっと大きな声量で、ジャンプするなどの動きをつけて90分以上応援するには本当にタフでなくては出来ないと思うし、そういうサポーターに支えられているのだということをあらためて感じ、それを今後の力へと変えていきたい。