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闘う言葉

MF 5 中川寛斗「いいメンバリングだったと思う」

 

——流動的に攻めながら背後も狙ってくる相手の攻撃をよく封じていた。守備のポイントは。

相手は順位も上のチームで、クラブとしても歴史のあるクラブで、いい選手がたくさんいる中で、最大のリスペクトを持った上で、われわれの守備の強固なところを意識してプレーした。最近は、人はいるけれどそれが上手くハマっていないところで失点していたので、ひとりひとりを僕のコミュニケーションで90分間、繋げることがタスクだと考え、それを意識していた。

——ボールの出どころや背後、ケアする場所はいろいろあったと思うが、中川選手が見ていたのは。

前半から、どこが出どころなのかというところをすごく意識していた。上原くんがボールを持ったときに前線の4枚から5枚が一気に裏に抜け、段差を作って16番が下りたりするところがあったのだが、上原くんのところはしっかり、天笠とグレイソンと3人でケアできたと思う。

——いままではブロックが押し下げられて防戦一方になりがちだった。高いラインを保てたポイントは。

そこも(藤原)優大と試合中に話していた。最初ははっきりと裏を突かれていたのでどうしようと話して、少しラインを下げようかという話もしたのだが、そうするといままでのようにずるずる下がってしまうシチュエーションが増えると思ったので、まずボランチがボランチに行けるところを探りながら
グレイソンをボランチと競らせる。CBにも持たせておいて(濵田)太郎の位置もちょっと修正して、ラインはなるべくペナに入らずセンターサークルよりちょっと後ろぐらいで維持できるように、最前線からいちばん後方が20〜25メートルのコンパクトさを保てるような守備ブロックを作った。

——「いい守備からいい攻撃」をずっとやってきた中で、ようやくここに来て攻撃の方にも光明が見えはじめたのでは。

もともと守備のスペースゾーンは広いチームで、ペレ(ペレイラ)にしても優大にしてもデルランにしても(𠮷田)真那斗にしても守備範囲が広い。ただ、そこのスペースがカブることで余分に守っていてスペースに隙が生まれて失点したシーンが、シーズン中盤にかけてかなりあったので、今週1週間、コミュニケーションを取りながらズレがないように。また(榊原)彗悟のよさでもあるが動きすぎるところなども、パワーバランスを調整できるように声掛けしていた。あとは天笠が本当に効いていた。あいつは頼りになりますわ。

——グレイソン選手があまり激しく前から行けないぶん、天笠選手がプレスに行く狙いもあったのか。

グレにも特長があって、伊佐にも特長があって、それぞれの最大値を意識する中で、グレにはグレのタスクがあって、他のところでパワーを100%出すために、他の人が違う100%を補うというところで、いいメンバリングだったと思う。