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今節の見どころ

北関東アウェイ、13時キックオフ。一体感をもってタフなゲームを乗り切れ

 

3日に行われる明治安田J2第17節、チームはアウェイで水戸戦に臨む。地味に移動の負荷が大きい北関東で、暑いさかりの13時キックオフ。難敵を相手に、厳しい展開になることは必至だ。

 

前節の反省を生かし90分のマネジメントを

 
名古屋に快勝したあと、ここ3試合は勝ちなし。流れが来ている時間帯に得点できず、惜しい失点で勝ち点を取りこぼすゲームが続いた。
 
特に前節の岡山戦は、1点のビハインドを取り返しはしたものの、勝ちに行く気持ちがはやるあまり布陣を間延びさせ、バイタルエリアで相手の2シャドーにスペースを与えてしまった。
 
相手の巧妙なプランにまんまとハマった感もあり、悔しいドローだった。本来ならば前半、ボールを握れている時間帯に相手を走らせ疲れさせておきたかったところだが、相手が引いて守ったことでペースが狂い、逆にこちらが攻め疲れてしまう。おかげで後半は運動量が落ち、判断も遅くなって、相手に主導権を明け渡すことになった。
 
特に夏場は、90分間のマネジメントが必要となる。その中で、チームが意思統一して戦わなくてはならない。片野坂知宏監督は前節の反省点としてその点を強調し、今週のトレーニングであらためて、目指すサッカーを確認した。
 

脅威となる2トップ。橋本のパスやキックも要警戒

 
ここ9戦無敗と好調を保っている水戸。5勝7分4敗で13位につけているが、連勝はまだない。ポゼッションサッカーで熊本を上回って勝利した前節からの流れそのままに、今節は今季初の連勝も狙ってくる。
 
15年6月から指揮を取る西ヶ谷隆之監督は、多彩な戦術を駆使してくる指揮官。連続無敗中も、海千山千のJ2の難敵たちに対し策を凝らし、勝ち点を積み重ねている。
 
最近は4-4-2、あるいは3-5-2のフォーメーションでスタートしており、相手によって起用する戦力や形を変えて臨む。試合中にも立ち位置を変えて相手システムとの噛み合わせで流れを引き寄せようとしてくるので、その変化を見逃さずに対応しなくてはならない。ベンチワークも含め、いかに守備をハメ、ハメられずに空いたところを攻めるかの駆け引きになりそうだ。
 
最も脅威なのは2トップ。今季、松本から期限付き移籍中の前田大然は、爆発的なスピードで相手のウラに抜ける19歳だ。その迫力あるスピードと思い切りの良さは、勢いだけで相手守備陣をビビらせるレベルにある。長身の林陵平はボールを収めて起点になるタイプで、高い決定力を誇る。現在、前田が6点、林が8点を挙げており、水戸の好調を牽引している。
 
パスの出し手として抑えなくてはならないのが中盤の底を務める橋本晃司。星稜高校で本田圭佑と同期だったイケメンも31歳となった。高い技術と戦術眼で前線に質の高いパスを供給する。プレースキックの素晴らしさは、2012年の天皇杯2回戦で水戸と対戦した際の、アディショナルタイムに奪われた鮮やかな同点FK弾の記憶が物語るとおりだ。
 

バランス良く、臨機応変に対応していく

 
特長のある戦力を有し戦術も凝らしてくる水戸に対しては、当然、攻略のポイントを押さえて戦わなくてはならないが、前節の反省も踏まえ、あらためて自分たち自身のコンセプトを徹底することも必要となる。
 
試合の流れや展開、相手の状態、自分たちの状況などを俯瞰的に把握しながら、臨機応変に判断してプレーを選択する状況判断力が、いつも以上に求められる試合になりそうだ。選択した戦い方を実現するプレー精度も問われる。
 
鈴木惇は「いつもどおりボールを大事にすることを最初から放棄することはしたくない。ただ、暑さやグラウンド状態や点差の状況などもあると思うので、勝ち点3を取ることがいちばん大事だということを忘れずにいたい。自分たちのサッカーというものに強くこだわりすぎて負けても意味がない」と、バランス感覚の重要性を口にした。
 
4試合ぶりの勝利が欲しいところだが、過酷なアウェイであることを考えれば、場合によっては、辛抱強く勝ち点1でも良しとする姿勢が求められることになるかもしれない。ここからも難しい相手との対戦が目白押しで、少し苦しい時期が続くが、「シーズン最後に良い順位にいられるように」という指揮官のスタンスは、J3優勝を果たした昨季と変わっていない。