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今節の見どころ

課題への真っ向勝負。苦手なハイプレスを克服し、もう一段のレベルアップを

 

明治安田J2第33節H長崎戦は、3連勝中同士で火花を散らす九州ダービーに。自動昇格圏に肉薄する相手もそうだが、こちらも昇格争いに食い込むためには負けられない一戦だ。接近中の台風を遠くに押しやるくらいの高気圧な試合に期待する。

 

リーグ終盤に向け着々と向上中

 
直撃コースをたどると見られる台風18号の影響も気になるが、現時点では予定どおり16日19時キックオフの方向で準備が進められている。この日に向けて調整してきた両チームのためにも、つつがなく開催されてほしいところだ。
 
前節は守備時に4-4-2のブロックを作ることで、名古屋の強力な攻撃を抑え、89分に挙げたCKからの1点で勝利するという素晴らしい試合運びを披露したチーム。現時点での相手との力量差を考慮し、リスペクトして選んだ戦い方で、理想のスタイルとはかけ離れていたが、チームが共通理解の下に戦って成果を出せたことは大きな収穫だった。
 
戦い方にバリエーションを持たせたことや、戦術オプションを増やしたことで、ここまで固定されがちだった選手起用にも幅が生まれている。これもリーグ終盤に向けての好材料だ。
 

好調の長崎にも真っ向勝負を挑め

 
そんな今節、ホームに迎えるのは長崎。前線からのアグレッシブな守備を得意とするチームで、前節もそのハイプレスで強豪・徳島のビルドアップを阻み、勝利している。町田や東京Vとともに、大分にとっては苦手としてきたタイプの相手だ。
 
しかも3位に浮上した長崎は、5戦白星なしの2位・福岡に勝ち点1差と肉薄。自動昇格枠を狙って一気に畳み掛けたい状況で、高いモチベーションで臨んでくると思われる。
 
だが、こちらも昇格争いに食い込むために、負けるわけにはいかない。順位こそ8位だが、2位との勝ち点差は6。プレーオフ圏も目前で、上位との直接対決をものにすれば、自らの足で順位を上げていける。
 
だからこそ、苦手とするハイプレスの相手だからといって臆してはいられない。
 
「最近は上位進出の可能性が見えてきて、勝ち点を取り急ぎたいようなプレーが少し増えている気もするが、自分たちが目指しているのは、相手の変化を見ながらしっかりボールを動かすこと。大きく蹴って逃げればミスして失点する危険性は少なくなるが、同時に積み上げられる可能性もなくなってしまう」
 
こう鈴木惇が語るように、今季は自分たちのスタイルを確立しながら上を目指すシーズン。ここまで積み上げたものからさらにクオリティーを上げることで、課題を克服できれば、勢いに乗るきっかけにもなる。
 

課題を乗り越えることが成長の証

 
通常どおりのシステムで臨むなら、ミラーゲームになることが予想される。特に両サイドの1対1と両ゴール前の3対3は激しくぶつかり合うことになるだろうが、球際激しく寄せてくる相手のプレッシャーに、どれだけ太刀打ちできるか。
 
今週のトレーニングでも、これまで積み上げてきたポゼッション戦術をブラッシュアップするメニューが続けられた。非公開の紅白戦も、相手がハイプレスをかけてくることを想定して行われたようだが、そこでの感触を、片野坂知宏監督がどう判断し、試合に反映させるかが興味深いところだ。
 
負傷やコンディション不良のメンバーが出たことが采配に影響をきたす可能性もあるが、始動以来ブレずにやってきたぶん、全員の戦術理解と連係は、決して悪い状態ではない。試合ごとに出た課題の修正を繰り返してきたことで、シーズン前半には苦しめられたフィジカル自慢の大型FWも、次第に抑えられるようになってきた。前回対戦ではファンマにやられたが、今節も彼が出てくるようなら、それも抑えて成長の証としたい。
 

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