3連勝からの中2日でアウェイ山形戦。タフな状況も相性の悪さを吹き飛ばしたい

前節から中2日でのアウェイ戦。しかも移動負荷の高い山形との一戦だ。GW連戦も終盤のいま、選手たちのコンディションはいかに。
連戦の山場、気になる選手のコンディション
第11節A磐田戦を3-0で勝利すると、第12節H鳥栖戦と第13節H熊本戦の九州ダービー連戦をいずれも1-0で勝利。2023年J2第21節以来、約2年ぶりの3連勝だ。
守備戦術の整備から入った一方で攻撃の熟成が遅れた今季序盤。だが、「いい守備からいい攻撃へ」を貫きながら少しずつブラッシュアップしていく中、チームのここ数試合の戦いぶりからは、攻撃面の大きな前進が感じられる。磐田戦、鳥栖戦と2戦連続で早い時間に先制弾を奪った野村直輝、熊本戦で今季3得点目を挙げた有馬幸太郎。2人とも得点に絡む仕事に期待されていた中で、これまではその献身性ゆえに布陣の弱点を補うことに力を割かれていた印象だったが、組織が育つにつれ、ようやく本来のポテンシャルをプラス方向に生かすことが出来るようになってきた。
ここまで主力を固定して戦ってきたことで選手間の連係が高まっていることも好調の要因だが、一方で、今節のように前節から中2日で敵地へと赴くにあたり、主力メンバーたちのコンディションが気掛かりでもある。連勝中の状況がメンタル面を後押ししてくれるはずだが、どうしても疲労は蓄積していく。チームは熊本戦の翌日である4日にクールダウンし、5日には山形へと出発した。今節と、そこから中4日でアウェイ連戦となる次節・富山戦に向け、片野坂知宏監督がどのようにマネジメントしていくかも見どころだ。
その試行錯誤のせいで出方の読みづらい山形
メンバーを固定して戦っている大分とは裏腹に、今季の山形は戦力の組み合わせや配置を頻繁に変えている。昨季まで右WGを定位置に猛威を振るっていたイサカ・ゼインが開幕の大宮戦では左WGで出場。昨季までの正守護神・後藤雅明が長崎に移籍し、藤嶋栄介も鹿児島へ。代わってトーマス・ヒュワード・ベルと寺門陸を獲得したが、寺門が8試合、ベルが3試合、長谷川洸が2試合でゴールマウスを守っている。
第11節・鳥栖戦の後半からシステムを3バックに変更して流れを掴むと、第12節の富山戦はスタートから3-4-3。前節の札幌戦は3-4-1-2と、毎試合、立ち位置も変化させている。ここまで3勝4分6敗となかなか波に乗れず、渡邉晋監督や岩瀬健ヘッドコーチたちが最適解を求めて試行錯誤を重ねている様子が伝わってくるようだ。
4戦未勝利で迎える今節、山形は前節の札幌戦からホーム連戦というアドバンテージがある。さらに山形にとって大分は、2014年J2第25節以来6勝5分と最高の相性で、2023年J2第16節の5-0、2022年J2第41節の3-0、そして直近の2024年J2第30節の3-0と、大勝した試合も多い。今節は間違いなく、浮上へのきっかけとなる一戦にしたいと士気を高めているはずだ。
そんな相手に、大分がどう立ち向かうか。準備する時間もほぼ皆無で、毎試合変わっている相手の選手起用やフォーメーションを予想するのも難しい。展開に応じ、ここまで積み上げてきたものを糧に戦って、ここ10年の相性の悪さを吹き飛ばしたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
山形はタレントが多く、前線を含めて2セットくらいいて選手層が厚い。いまはちょっと勝てていない中、人を代えたりシステムを変えたりと模索しながらやっている感じ。結果が出ていないぶん、何がベストなのかと渡邉監督もいろんなトライをしながら、連戦なので選手たちの調子も見ながらやっているのかなと思う。
でも本来、山形はゴールゲッターも多くタレントの多いチームなので、守備ではやはりそういうところに時間やスペースを与えたり自由にさせたりすると苦しくなってしまう。攻撃では山形さんがどういうシステムでわれわれにどういうプレスをかけてくるかというところをしっかりと認知しながら動かせるようにしたい。
いまは先発11人が先制して後に繋いでくれているので、その勝ち流れの中で本来ならばベストメンバーで山形に乗り込み、いい状態で戦いたいところなのだが、やはり熊本戦での疲労もあるし、中2日での長距離移動なので、それを考慮した中でメンバーを選ばなくてはならないと思う。また状態についてはメディカルスタッフと話してメンバーを組んでいきたい。