堅守に磨きがかかる甲府とのミラーゲーム。巧みに攻めてこじ開けたい

現在、4戦連続クリーンシートで無敗継続中の甲府。ミラーゲームが予想される中、その組織的な守備をいかに上回って得点するか。
攻略の幅を広げつつ得点を目指す
前回のJ2第16節・長崎戦に1-2で敗れ、ホーム初黒星を喫したあと、先週は天皇杯1回戦・レベニロッソNC戦を戦ったため、第17節を未消化のまま今週の第18節・甲府戦に挑むチーム。長崎戦では想定外のミラーゲームを仕掛けられて個の力量差を突きつけられた中、翌週は課題として構えた相手を攻略する攻撃練習が行われた。
続く天皇杯・レベニロッソ戦では、5バックや6バックでゴール前を固める相手を攻略する展開に。立ち上がりから多くの決定機を築き、前半で2得点したものの、相手が1人退場となったことでより守備意識を高めてからは牙城をこじ開けることが出来ず、後半は無得点に終わった。
今週もそれらの課題克服を継続するように、トレーニングで多くの時間を割いたのは攻撃練習。いいポジションを取りながら少ないタッチでボールを動かして素早くゴールに迫るなど、ゴールを目指す意識が高められた。天皇杯で欠場していた𠮷田真那斗や榊原彗悟が今節は戻ってくるのか、好調をアピールした茂平や中川寛斗が先発を継続するのかといったメンバー構成も気になるところだ。
4戦連続無失点継続中の甲府
大分より1試合多く消化している甲府だが、データからは共通点が読み取れる。16試合を終えて5勝7分4敗で勝点22の大分はここまで15得点14失点、17試合を戦って6勝5分6敗で勝点23の甲府はここまで16得点15失点。ともに得点力不足に悩みつつ堅守で粘り強く勝点を積んできたチームだ。
その甲府は、現在4試合連続クリーンシートでの無敗記録を継続中。ハイプレスとミドルブロックを使い分けながらメリハリをつけて守り、最後には高さと強さのある守備陣がゴールを守る。一方の攻撃では流れからの得点が少ないが、前節はアウェイで山形に4-0と大勝。うち3得点はCK、ロングスロー、FKとセットプレーから。全16得点中、PKを含めて11得点がセットプレーから生まれており、チーム得点ランク首位に立つのはCBの孫大河だ。
4月に加入した2人の外国籍選手もフィットを進め出場を重ねている。1トップのネーミアス、ボランチのヴァウ・ソアレスともに、存在感を増してきた。ネーミアスをターゲットとする流れからの攻撃でも、シャドーに田中雄大や鳥海芳樹ら相手の隙を突くのを得意とする攻撃陣が並び、決して侮れない。前節は欠場していた三平和司も、今節は戻ってくるかもしれない。
堅守を誇る同士のミラーゲームは、堅い試合になることが予想される。隙を作らず隙を突きあう、緊迫した好ゲームとなるか塩試合の印象となるか。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
甲府さんは守備が堅く、現在4試合連続クリーンシート。また、セットプレーの攻撃のバリエーションが多く、CK、FK、ロングスローなどでも一瞬の隙を突いてくるので、われわれも守備対応が大事だし、攻撃でもこじ開けなくてはならない。おそらくミラーゲームになると思うので、個人のバトルを攻守で上回れるようにというところと、どこにスペースが出来てどういうふうにチャンスを作っていくかというところも、認知して共有することが大事になる。
前線とボランチに入った新外国籍選手も徐々にフィットしてきている感じがあるし、しっかり管理して自由を与えたくない。相手の出方をちゃんと見極めて、焦れずに戦うことが大事。
■FW 9 有馬幸太郎
甲府さんとはお互い似たようなチームだと思う。その中でセカンドボール奪取の戦いだったり局面の1対1のバトルのところでどちらが上回るかの勝負になる。甲府の守備陣は高さがあって堅いので、クロスだけでなくプラスアルファとして足元でも攻略していきたい。天皇杯ではなかなか効果的な攻撃が出来なかったので、固められたときにどう崩すかということを、トレーニングで確認した。
攻撃はシュートで終わることが大事。最後の質がチームとしての課題なので、今週もそういう練習を多く行った。チームの戦い方を考えると、自分のところには毎試合、1本2本とチャンスは来ていて他の選手よりはチャンスが多い。だから自分が決めないと苦しい展開になるし、決めれば勝てると思っている。