初めてのスタジアムで、公式戦初対戦。勝点で並ぶ今治との譲れない戦い

トレーニングマッチでは対戦したことがあるが、公式戦ではこれが初めて。豊予海峡を挟んだ隣県・愛媛の、今度は今治とのマッチアップだ。
ここ3試合は失速気味も新戦力が登場しそうな今治
J2第7節・愛媛戦に続き、リーグ戦では2度目の愛媛入り。天皇杯1回戦で対戦した新居浜市を本拠地とするレベニロッソも加えれば、今季3度目の愛媛のチームとの対戦だ。
先々週は天皇杯1回戦を戦ったため、未消化だったJ2第17節。ともに6勝7分4敗の勝点25で、得失点差6の今治が暫定9位、同2の大分が暫定10位につけている。勝てばすでに18試合をこなしている暫定8位の長崎を上回ることが出来る状況で、上位争いに食い込んでいくために、ここは是非とも勝っておきたい。
今季、J3から昇格してきた今治は開幕戦こそ秋田に敗れたものの、第2節からは13戦無敗とハイペースで勝点を積み、一気に上位の仲間入りを果たした。第3節の鳥栖戦で4-1、第4節の愛媛戦で3-2、第8節の長崎戦で4-1、第13節の磐田戦で3-3と大量得点の試合が多く、その勢いには圧倒されていたが、第15節からは千葉、甲府、徳島と対戦していずれも0-1の黒星。開幕以来、猛威を振るい続けてきたマルクス・ヴィニシウスとウェズレイ・タンキがここ9試合は沈黙しており、急激に陥った得点力不足が気がかりなところだ。
今節は横山夢樹と梅木怜がU-20代表活動で不在となる一方、5月29日に川崎Fから期限付きでの獲得が発表されたパトリッキ・ヴェロンの今治デビュー戦となる可能性もあり、どのような化学変化がもたらされるかも興味深い。
トランジションで遅れを取らないように
大分は今週も、攻撃練習に多くの時間を割いた。今季は守備の徹底から戦術浸透を進め、開幕当初から堅守を強みに勝点を積んできたが、次第に得点力不足の課題がクローズアップされるようになり、攻撃面の整備に着手してからは、システムや起用選手を変えながら徐々にボールを持つ時間を増やしている。天皇杯・レベニロッソ戦、第18節の甲府戦と、1人少なくなってゴール前を固める相手をこじ開けに行く展開の試合が続いた中で、少ないタッチでゴールを目指すトレーニングが行われている。今週はサイドの崩しにもフォーカスした。
「全員守備・全員攻撃」の今治は、切り替えも早くスピーディーでダイナミック。こちらも後手に回ることなく戦いたい。今治は3-5-2と3-4-2-1とを使い分けており、それによってマッチアップの様相や生まれるスペースも変化してくる。ピッチの中で素早く判断して対応していく力が求められるだろう。
2015年から4年半にわたり大分でプレーした福森直也が昨季から在籍しているほか、やはり2015年から4シーズン、守護神としてチームを支えた修行智仁がGKコーチを務める今治。コーチの越智亮介は大分U-18OBで、トップチーム昇格こそなかったが、愛媛や藤枝でクレバーなプレーを続け、藤枝では2016年から2018年、BTOP北海道で2022年、佐藤隼とチームメイトだったという縁もある。また、今季から今治で指揮を執る倉石圭二監督は宇津元伸弥と同郷で、ともに国体を戦ったこともある旧知の仲だ。このように実はいろいろな繋がりもある相手だが、ピッチではひたむきに自分たちの勝利のみを目指して戦う。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
今治さんはいいチームで手強い相手だと思う。外国籍選手もパワフルだし、チームとしても非常にハードワークできる。守備の厳しさ、攻撃の関わり、切り替えを含めてスピード感があるので、簡単に勝てる相手ではない。3-4-2-1と3-5-2のふたつの顔を持っていて、試合中にも変わってくるし、少し流動的に変えてくることもある。その変化をしっかり見た中で自分たちが管理して対応した上で、今治さんを上回れるようにしたい。
■MF 38 天笠泰輝
今治は非常に上手いチーム。前線にも強力な外国籍選手がいるし、カウンターも警戒しなくてはならない。でも相手というよりも自分たちのサッカーがどれだけ出来るかどうかが大事。自分たちの時間を増やして今治のサッカーをさせないようにしたい。これから夏で暑くなるし、もっとボールを保持して空いたスペースを突くサッカーをしていくことにより、自分たちのサッカーのバリエーションも増えると思う。相手が前からくれば蹴るサッカーも僕たちは出来ると思うので、そうやってもっとバリエーションを増やしていければと思う。