4年ぶりのFC東京戦。リーグ中断前ラストの公式戦に全力を尽くす

リーグ戦6戦未勝利と苦しい状況が続いている。直近のJ2第23節A鳥栖戦から中3日、チームは天皇杯3回戦で4シーズンぶりにFC東京と対戦する。
得点力不足の課題が続く現状
J2第18節・甲府戦以来、白星から遠ざかっているチーム。不甲斐ないゲームとなった第19節・今治戦(1△1)と第20節・秋田戦(1●2)からは内容は改善されているが、結果がついてきていない。第20節・徳島戦は攻守に積極性を回復したものの、一瞬の隙からデルランの背後を狙われて2失点。第21節・大宮戦では藤原優大の13試合ぶり復帰によりオーガナイズの度合いを高め8戦ぶりのクリーンシート達成。第22節・長崎戦ではミラーゲームで攻撃に繋がるアグレッシブな守備からリズムを作ったが、またも隙を突かれて被カウンターから失点し敗れた。その長崎戦で再び負傷した藤原を欠いた前節の鳥栖戦は、ペレイラの出場停止もあいまっての急造布陣。それでも複数の好機は築き、特にデビュー戦となったグレイソン投入後はリズミカルな攻撃も繰り出したが、決定機をことごとく仕留めきれずに連敗を喫した。
3試合ぶりの得点もセットプレーからの1点のみ。鳥栖戦では前半途中から攻撃時に有馬幸太郎を2トップ状態にしたり、グレイソン投入後は完全2トップにしたりと工夫も凝らしていたが、得点には至らなかった。軸となり今後への可能性を感じさせたグレイソンは、すでに前所属の岡山で天皇杯2回戦・北九州戦に出場しているため、大分では天皇杯メンバーに登録できない。負傷やコンディション不良で稼働できない戦力たちも見られる中、リーグ鳥栖戦から中3日、どういうメンバーでどう戦うかが気になるところだ。チームは鳥栖戦後、非公開で調整とトレーニングに取り組んでいる。
2回戦では格上の貫禄を示した東京
2021年J1以来4シーズンぶりのマッチアップとなるFC東京も、松橋力蔵監督体制初年度の今季はリーグ戦でここまで7勝5分11敗の勝点26で16位と苦戦中。23試合を終えて24得点32失点と、守備面により課題が出ており、特に10失点のセットプレーは修正を急がれる。
J1第19節まで採用していた3-4-2-1システムを第20節以降は4-4-2に変更。5月23日にはハノーファーでプレーしていた室屋成の5年ぶり復帰が発表されると、6月には浦和から長倉幹樹、やはり浦和でプレーしカタールのアルワクラに移籍していたアレクサンダー・ショルツ、神戸や柏でプレーしたキム・スンギュを獲得。7月7日にはアカデミーから北原槙をトップ昇格させた。
かつて大分でプレーしたエンリケ・トレヴィザンをはじめ小柏剛、白井康介らが負傷離脱中だが、タレントは揃っている。チーム得点ランク首位はここまで6ゴールのマルセロ・ヒアンで、天皇杯2回戦・金沢戦(3◯1)でも2得点を挙げた佐藤恵允がリーグ戦4得点3アシストで続く。新加入の長倉も天皇杯2回戦でFC東京デビューして早速ゴール。その後リーグ戦で2得点をマークした。
2回戦・金沢戦はリーグ戦との5連戦の2戦目だったこともあり先発をフルでターンオーバーしながら格上の貫禄を見せつけたが、3回戦に関してはどうなるか。直近の第23節・柏戦(0●1)が7月5日開催とブランクがある一方で、天皇杯後に中2日で第24節のホーム浦和戦が控えており、松橋監督のマネジメントが注目される。
大分としては中断を前に全力でぶつかりたい一戦。J1チームを制して勝ち上がり、漂う閉塞感に風穴を開けたい。エンリケは負傷中だが、森重真人と東慶悟の大分アカデミーOB組はクラサスドーム大分へと帰還するか。そんな楽しみもありながらの、真剣勝負だ。