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今節の見どころ

リーグ再開初戦は今治と。パワフルなタレントを抑えつつゴールへ迫れ

 

約3週間の中断期間を経て迎えるリーグ再開。ホーム連戦の1戦目は、外国籍の攻撃陣が猛威を振るう今治だ。

 

いい守備からゴールへの道筋を

残り15試合にして大混戦のJ2。目立って安定的に好調と言えるのは首位を独走する水戸くらいで、2位以下は上位と言えども未勝利状態が続いていたりと、まだまだ先の見えない状況だ。補強動向からもクラブ間格差の拡大が感じられる殺伐としたリーグで、ここからラストに向けて戦いは激しさを増していく。
 
6戦未勝利で中断期間に突入した大分も、今節からの巻き返しにパワーを出していきたいところ。6月24日に加入したグレイソンは中断前最後の前節・鳥栖戦に55分から出場して圧倒的な存在感を示し、今後への期待を煽った。木許太賀が讃岐へ、香川勇気が富山へと移籍した一方で7月27日には三竿雄斗の2年半ぶり復帰が発表に。これまで多彩なスタイルでプレーしてきた経験豊富な頼れるレフティーの帰還が、苦境のチームにポジティブな変化をもたらしてくれることを願う。
 
野村直輝が7月26日のトレーニングマッチで内側側副靱帯損傷により離脱したことは大きな痛手だ。他にも若干名の別メニュー調整組がいる中で、新たに台頭してくる戦力も待たれる。中断期間中にはグレイソンもチームメイトとの相互理解も深め、合流当初に比べるとコンビネーションの質も向上中。得点力不足の課題克服へと、即効性を切実に求めたい。
 

圧倒された前回対戦との違いを見せたい

シーズン序盤から規格外の外国籍ストライカーたちが無双して上位に食い込んだ今治だが、徐々にそれが対策されるようになると、第15節以降は3連敗からの8戦未勝利。前節、愛媛とのダービーを1-0で制し9試合ぶりの白星を挙げて、中断期間を迎えた。
 
マルクス・ヴィニシウスやウェズレイ・タンキのシンプルな力強さが相手に対応されるようになった中で、今治が新機軸を求めて川崎Fから獲得したのがパトリッキ・ヴェロンだ。前回対戦の第17節・大分戦が彼の今治デビュー戦で、スタートから出場したが、最初は手探り状態だったところから見る見る周囲との、特に外国籍選手同士での呼吸を合わせていき、それまでは単調だった今治の攻撃に複雑な変化をもたらすようになった。
 
J2では1試合に登録できる外国籍選手が4人までの制限がある中、5人目の加入となったパトリッキも他の選手と出場枠を競っており、おそらく対相手戦術によって使い分けていると思われる。一方で横山夢樹もここまで5得点と助っ人勢に引けを取っていない。
 
そんな今治の高い攻撃力をいかに削りつつ得点を狙うかが今節のテーマ。防戦一方となった前回対戦のリベンジ戦でもある。新たにグレイソンという大型兵器を組み込んだチームが何よりも求められるのは、勝利という結果だ。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
今治は外国籍選手が強烈で、パワーも強度もあるチームで手強い相手。非常に切り替えが早く、前からハイプレスで来るので、それに対して自分たちがどう攻撃を構築するか、その切り替えに負けずにやるかがポイントになる。あとは個人のところで対応できるように管理したい。
 
新加入選手が入ったからといって戦い方を変えるというわけではなく、どれだけ徹底してそういうゲームが出来るよう準備するかということと、戦術を合わせてやることが大事。
 
■MF 25 榊原彗悟
 
今治はやはり外国籍選手の個の能力の高さの印象が強い。今治もここしばらくは僕らと同じようになかなか結果が出ていない状態だったが、前節の愛媛ダービーで勝利して勢いづいていると思う。僕らは勝てていないので、結果だけを求めて戦いたい。
 
トレーニングではあらためて、球際や切り替えといったキワの部分、攻撃でもあと一歩、体を投げ出してでもゴールに向かう姿勢といった基本的なところを意識した。守備では堅さも求めている。戦術ももちろん大事だが、1人1人の個の部分でのバトルで負けていては話にならない。1対1の局面で勝てればチームとしても優位に立てると思うので、そこを意識してやっていきたい。