18位・富山と勝点5差で対峙。攻撃面に課題を抱える同士の退っ引きならぬ一戦

得点力不足の課題が響いて3連敗中のチーム。新戦力のフィットを急務としつつ、これ以上ズルズルと順位を落とすわけにはいかない。
今週も粘り強く攻撃構築の練習
3連敗中で7戦未勝利、直近5試合でわずか1得点と長いトンネルを走り続けている現在。今節こそ白星をと、チームは今週も厳しい暑さの中、粘り強く攻撃練習に取り組んだ。
以前に比べると重心も低すぎず、ボールを前に運んでクロスの本数も増えてきて、改善の兆しは見えている。ここから少しでもいい形で前線に配球できるようにと、動かしのパターンも確認。公開されたトレーニングの中ではまだ手応えが感じられたとは言い難かったが、新戦力を組み込んだメンバーの組み合わせも複数試し、積み上げは辛抱強く継続されている。選手間の距離が最適に保たれ、共通理解の下にテンポよく動かすことが出来れば、得点の可能性を上げることが出来るはずだ。
8月7日には新潟から落合陸が期限付き移籍加入。強度高くフィニッシュに絡む仕事の出来るプレーヤーで、シャドーが主戦場となる。すでに登録も完了しておりルール上は今節から出場が可能だが、試合直前の合流でメンバー入りするか否かは不明だ。
8日にはすでに昨季から来季の加入が内定している日本経済大のドリブラー・木本真翔の特別指定も発表された。トレーニングにも参加しておりゲームにも入っていたため、こちらもメンバー入りの可能性は0ではない。
補強により攻撃力UPを期す富山
大分で落合の加入が発表された朝、富山では横浜FCから小川慶治朗の完全移籍加入がリリースされた。神戸アカデミー時代からの安達亮監督の教え子で、気心の知れた仲でもあり、こちらも登録が済んでいるため、ほぼぶっつけ本番でメンバー入りしてくることも考えられる。ここまで5勝7分12敗の勝点22で、前節の結果をもってJ3降格圏の18位に沈んだ富山としては、即効性ある補強で勝点を積みたいところ。先月、大分から完全移籍した香川勇気も左サイドの攻撃の活性化に一役買っている。
大分と同様に攻撃面に課題を抱える富山だが、5月31日から指揮を執る安達監督のポゼッションスタイルを浸透させつつ、第21節・千葉戦、第22節・仙台戦で上位相手に2連勝。ただ、その後はやはり好調の水戸と大宮に連敗しており、状況は切迫している。第20節・いわき戦、第21節・千葉戦で得点を挙げた吉平翼は第22節からメンバー外だが、初めてのドームでの古巣戦へと照準を合わせてくる可能性も考えられる。やはり古巣組の松田力も、経験値を増してますます脅威的だ。
積極的にゴールを狙ってくる富山は、勢いに乗ると攻撃の威力を増す傾向にある。そういう展開に持ち込まないよう、こちらもしっかりと前への矢印を描きながら、賢く戦いたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
今週のトレーニングでは得点をどう取るか、そのためにどう組み立てていくかというところで刺激を入れた。選手たちは狙いを意識してくれてはいると思うが、まだクオリティーやバランスとか距離とか、そのへんがもう少し詰められればと思う。
富山さんとは順位が近く、勝つか負けるかで今後どうなるかもわからないので、今節は富山さんにとっても重要なゲームになると思う。またいろいろと策を凝らしてくる可能性もある。その状況をしっかり認知することと自分たちが戦い方を合わせること、エラーがないことが大事になってくる。勝つことしか考えていない。
■MF 38 天笠泰輝
攻撃の形は練習から出していかないと試合でも作れないし、練習でもっと選手同士でコミュニケーションを取って、どのタイミングで攻撃のスイッチを入れるかとか、蹴るところと繋ぐところをしっかり分ける。これまで以上にそこを明確にして、攻撃の形を増やしていかないといけない。まずはしっかりはっきりとやることが大事。
攻守ともに自分たちがやりたいポイントははっきり出来ているので、あとはそれをどれだけ精度高く、自分たちが求めている以上のことをやるか。もっと個人の力で剥がしていければ優位に立てると思うので、そこをしっかり追求していきたい。