今節から絶対に落とせないホーム2連戦。高強度の山口を迎え撃つ

徐々に内容は上向いているものの、いまだ予断を許さぬ状況が続く中、今節からは現在降格圏のチームとのホーム2連戦。まずは前節13試合ぶりの勝利で勢いづく山口との対戦だ。
勝てば8差、負ければ2差の直接対決
前節は9月5日に加入が発表された岡本拓也が初出場。オーガナイズされた守備がカギになるミラーゲームで、3バックの中央から持ち前の統率力を発揮して指示を送り続けると、藤枝の積極性の高い攻撃を阻み続けた。攻撃面では再び距離感の課題が出てなかなかチャンスを作れずにいたが、相手にボールを持たれる展開の中で𠮷田真那斗のロングスローからデルランが落とし天笠泰輝が自身の今季初ゴール。チームとして4試合ぶりの得点を挙げ、先制に成功する。その後に一瞬の隙を突かれ相手の技ありの攻撃で追いつかれたものの、断続的な大雨のアウェイで勝点1をゲット。池田廉や鮎川峻が調子を上げつつある様子も見え、チームが前進していることが窺えたゲームだった。
とはいえ、まだ降格圏と勝点5差の17位。リーグは9試合が残されており、残留争いの行方はいまだ見えない。そんなタイミングで迎える、18位・山口との対戦。勝てば勝点8差となり残留へと大きく歩を進めることが出来るが、敗れれば勝点2差、その後の展開によっては降格圏への転落も危ぶまれる状況になる。大分にとっても山口にとっても非常に重要で緊迫した6ポイントマッチだ。
前節、劇的勝利でトンネルを抜けた山口
第21節から中山元気監督体制へとシフトした山口は、アグレッシブにゴールに迫る姿勢はそのままに、システムを3-5-2に変更して戦っている。どの試合でも相手を圧倒し、上位陣との対戦でも押す展開をものにしながらなかなか勝利に届かず、12戦未勝利状態となっていたが、前節、ホーム千葉戦でついに新体制初勝利。それまでと同様に試合を優位に進めながら1-1でアディショナルタイムに突入すると、90+6分に古川大悟の劇的決勝弾で長いトンネルを抜け出した。
2列目の山本桜大と野寄和哉が攻撃を活性化させ、FW有田稜も調子を上げている現在、今季初の連勝で一気に浮上の勢いをつけたいところ。大分も山口も「ひとつ勝てば流れが変わる」と言われ続けてきた同士。先に山口が突破口を開いたかたちだが、やはり12戦未勝利の大分としては絶対に譲れない勝負だ。
竹中穣監督は硬い試合展開を予想。攻守両方でセットプレーがカギになると話した。ともに切実な状況に置かれてのマッチアップ。ここ最近感じている手応えを、勝利という結果に結びつけたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■竹中穣監督
前節を終え、あらためて、勝つ要素をもう少し増やさないとゲームをものに出来ないと反省している。守備のところで言えばバイタルを支配することであるとか、そこから攻撃に移ったときにもっと怖がらずに中を覗きに行くとか、スペースに人が入っていくとか、そういったところが少し薄かった。
山口は3ボランチ2トップの縦関係がハマり、とても残留争いをしているチームとは思えない戦いぶりを見せている。攻撃陣は個々の技術が高いし、どうゴールに迫るかが共有されているように見える。こちらもいま選手たちが共有しているものを、躍動感を持って表現したい。われわれとしては、どれだけの時間我慢して崩れずにいられるかというのがひとつ。トレーニングで積み上げているものを、選手たちが感性を合わせながら点を取ってくれればと考えている。
■DF 44 𠮷田真那斗
山口のほうが前節勝利して勢いがあることも承知の上で、そこをいかに上手く自分たちでひっくり返せるか、それを逆手に取れるかということが大事になってくる。そこに対しての積み上げはタケさん(竹中穣監督)になってからもいろいろやっているし、今日の練習でもそうだが、まずは個人のところで負けないことや背後の取り方などを、毎週積み上げており、そこを出せれば大丈夫だと思っている。
最近は決定機で自分のところに転がってくることが多い。もともとFWだったのでゴール前のスペースの感覚が自分の中にあって、どこが空いていてどこがチャンスになるかというのがなんとなくわかるので、あとはそこで自分が仕留めきれるかどうか。次のチャンスは絶対に決めたい。
■MF 25 榊原彗悟
前節はアウェイで勝点1を取れたことを、まずポジティブに捉えていきたい。個人としてはあまりいい出来ではなく関わる回数も少なかったし、ミスも自分的には多いと感じた。もっとやれるという自信があるからこそ、まだまだ足りないと思ったので、次は取り返して貢献できるように頑張っていきたい。
(山口とは前回対戦で得点しているが)そういったイメージも持ちつつ、ゴールも大事だが、まず自分がやるべきことをしっかりとやりながら、チームとして良い方向に持っていければと思う。山口は前節、千葉に勝って勢いがあると思うが、この直接対決で、その勢いを自分たちが上回らないと絶対に勝てない。ホームで、亀祭でもありサポーターもたくさん来てくれると思うので、その力もしっかりと受け取って、まずは気持ちの部分で負けないこと。自信を持って、相手の勢いも感じつつ上回れるようにやっていきたい。