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今節の見どころ

カギはサイドの攻防とセカンドボール回収。アウェイで4戦無敗の秋田に挑む

 

前々節の山口戦で長いトンネルを抜けた矢先に、前節は愛媛に完敗。チームは課題を修正しつつ態勢を立て直し、今節は前節の相手とは全く異なるスタイルの秋田に挑む。

 

現状の課題を受けつつ今節の秋田戦へ

今週も芝の養生は続き、チームはサブグラウンドとBコートでトレーニング。前節土曜開催からの今節は日曜開催のため、通常より1日多い準備期間となった。
 
前節・愛媛戦で出た課題として、また愛媛戦翌日に北九州と行ったトレーニングマッチの内容を踏まえ、竹中穣監督はサイドでの守備と攻撃についてフィードバック。グラウンドでもそれを確認し、修正を促した。ゲーム形式のメニューでは、一方のチームの陣形を4-4-2に設定していたが、これは対秋田に限ったものというわけではなく、システム上でミスマッチが起きる試合に向けての攻守の意識づけを徹底したもの。攻守両面でのクロス練習も、これまでの課題を含めた上で、今節の戦いに向けたものだった。
 
前節対戦した愛媛とは全く異なるスタイルの秋田に関して、ミーティングではその特徴を共有。3日目のトレーニングではいつものルーティンとは異なり、一部非公開で戦術を落とし込んだ。終了後の囲み取材時には、選手たち個々が対相手戦術の中で自らのストロングポイントをどう生かしていくかのイメージを持ちながら準備していることが窺えた。
 

前節は長崎を完封した秋田

秋田は現在、10勝7分14敗の勝点37で14位。思うように勝点を積めてきたとは言い難い戦績ではあるものの、それでも直近4戦は無敗と、シーズン最終盤に差し掛かって調子を上げている。吉田謙監督がJ3時代から積み上げてきたスタイルに徹底して磨きをかけながら、夏にはそれまで得点を量産していた小松蓮をはじめ川本梨誉、深港壮一郎、井上竜太がJ1クラブからの引き抜きおよびレンタル元への復帰でチームを離れたが、スタイルにフィットするプレーヤーを即座に補強しつつ、鈴木翔大と梶谷政仁の2トップが強度を維持するなど、戦力を抜かれた影響はほとんど見えてこない。
 
前節はリーグ屈指の攻撃力を誇る長崎に対し、守備意識を高めて臨みスコアレスドローで勝点1をゲット。ただ、失点しないよう守備に軸足を寄せたことで攻撃機会を多く作れなかったことを反省点として、今節はゴールを目指す強度を高めてきそうだ。
 
ともにボール保持率が低く、クロスを起点とすることを共通点とする両軍。昨季の大分は第36節のアウェイ秋田戦に2-0で勝利してJ2残留を決めている。ここで勝てば残留を確定できるという強い気持ちが、強度の高い相手を上回る試合展開へと繋がった。今節もサイドの攻防とセカンドボールへの素早い反応で上回り、勝点3を掴み取りたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■竹中穣監督
秋田は4-4-2でオーソドックス、かつオーソドックス以上のエネルギーを持って局面に球際を作りに来るので、まずわれわれが怖がった時点で相手に主導権を持っていかれることになる。きちっと入口に対して選手が繋がりを持つこと、繋がって前進し相手陣地に入ったときに自分たちの狙いをきちんと持つこと。あとはセカンドボール回収のバトルであるとか、相手のダイレクトプレスもめちゃくちゃ早いので意識したい。
 
■MF 25 榊原彗悟
基本的に秋田は自分たちのやり方を貫いてくると思う。ロングボールだったり球際の激しさだったり、プレスの速さだったりというところが秋田の強み。そのひとつひとつの局面で負けてしまうと難しい試合になってしまうので、そこは全員で、局面で勝てるような準備をしなくてはならない。その中でチームとしてどれだけ、どういう守備をするのかだったり、攻撃でどこが相手のウィークなのかをしっかりと話し合いながらプレーできるか。相手の分析をしながらも自分たちがやるべきことをしっかりと理解して試合に入りたい。
 
■DF 2 岡本拓也
相手に「蹴りづらいな」とか「蹴っても回収される」と思わせたい。前からプレスをかけていくときもあるし、逆にブロックを組んだ方が蹴りにくくさせられるときもあると思うので、そこのメリハリが必要。中途半端に行って距離が伸びた状態で蹴られるのがいちばん回収しづらいと思うので、コンパクトにして、前と後ろの距離を短く保つことが大事になる。