湧き上がれ、四方田トリニータ。初陣の相手はJ初参戦の滋賀

1月5日のチーム始動から約1ヶ月。いよいよ百年構想リーグが開幕する。四方田トリニータの初陣の相手は、Jリーグ入りしたばかりの滋賀だ。
「湧き上がる」ために積み上げた約1ヶ月
1度きりのイレギュラーな大会がスタートする。Jリーグの秋春制移行に伴って開催される「百年構想リーグ」。昇降格のない異例のこの半年間を、今後への滑走路と位置づけるクラブも少なくない。吉岡SDも「これからの大分はこうだと言えるものの構築を目指す」と宣言し、その指標として「湧き上がるフットボール」というキーワードを掲げた。
それを体現するのは、今季から指揮を執る四方田修平監督に率いられたチーム。大卒ルーキー5人を含む8名の新加入選手を迎えた34人のスカッドが、胸に灯るT-FLAREの表す情熱とパワーをもって、新たな大分の姿を描き出していく。
そのために、1月5日の始動日からハードなトレーニングを重ねてきた。2年連続で残留争いに巻き込まれ、得点数やチャンスビルディング数など攻撃面のデータがリーグワーストに落ち込んだ昨季の経験を反省して、チームはもう一度、ゴールに迫るアグレッシブさの復活を目指す。まずは「湧き上がる」というコンセプトの意識づけにはじまり、そこからその手段となる戦術的要素を、段階を追って共有。約1ヶ月の間に攻守両面で落とし込んだものを、ここからは公式戦のピッチでぶつけることになる。
情報の少ない相手にどう向き合うか
その初陣の相手としてクラサスドーム大分に迎えるのは、昨年12月のJ3・JFL入れ替え戦で沼津を下して初のJリーグ入りを果たしたレイラック滋賀FCだ。2006年に佐川急便京都サッカー部が廃部となり、その受け皿としてジュニアユース年代のみだった町クラブがトップカテゴリーを設置。「FC Mi-OびわこKusatsu」としてスタートし、3度の改名を経て現在に至る。
一昨年夏に、かつて京都や仙台、清水などで活躍した角田誠が監督に就任し、1年半後にJ3参入という結果を残したが、ライセンスの関係で百年構想リーグでは指揮を執ることができず、強化部長へと異動。この大会には、ヘッドコーチから昇格した和田治雄監督体制で挑むことになった。スロベニアで指導者ライセンスを取得し、かつては名古屋や仙台でズデンコ・ベルデニック監督の通訳も務めた異例の経歴も持ち、多彩なカテゴリーでの指導経験を持つ指揮官だ。
監督交代に加えて、守護神の櫛引政敏をはじめロメロ・フランクや藤谷壮ら、かつてJクラブでプレーした数名を除けば選手のデータも少ない。そのぶん、対相手戦術の準備の難易度が高まるため、四方田監督は「順応性が大事になる」と話す。
「ただ、順応性は大事だが自分たちがアクションを起こす、勢いを出していくというところは、みんなで意識してやっていきたい」。四方田監督が複数の具体的なアイデアを提示しながら、開幕直前まで攻撃練習に励んだチーム。その成果を発揮して「これからのトリニータ」の方向性を示したい。
試合に向けての監督・選手コメント
■四方田修平監督
ここまでのキャンプを含めプレーシーズンでイキのいい選手、調子のいい選手、いまが充実している選手、いいアピールできている選手を選んで、勝てるようにしたい。自分たちのやり方を変えてまで勝てる方法を選ぼうとは思わないが、自分たちがやろうとしている中でいちばん勝てるように選んでいきたいと考えている。相手に「守るのがキツい」と思わせるような攻撃ができるよう、単調にならず外回しにならないように、相手の中を上手く使いながら突破につなげていきたい。
自分たちのグループにはJ3の相手が多いが、先入観は持たず全部フラットな状態で戦いたい。自分たちがチャレンジャーだという気持ちで。実際に新シーズンで、J2とJ3の力の差は全体的にはあるかもしれないが、個別で考えたときにはJ2の下位とJ3の上位には力の差ほぼないような状態。そういう意味ではJ2だからと過信は絶対してはいけないと思う。
1日1日を大事にここまでやってきて、1ヶ月前と比べると気持ちの繋がりも深まっている。それをベースとしながら、ピッチ上の連係やコンセプトの浸透でも日々全力を尽くして選手がやってくれるので、間違いなく進歩していると思う。ただ、いちばんは公式戦を通して成長していくことだと思うので、経験値を上げながら、チーム力を上げていきたい。勝ちながら進んでいければさらにいいと思う。
■MF 8 榊原彗悟
今季は立ち上げからある程度攻撃の方に重きを置いてやっているので、攻撃に関しては全員の共通認識もできてきていると思う。崩しの形もみんながいろいろとアイデア出しながらやれてきているので、それを試合でも出していきたい。自分はボランチの位置で、まずはどんどんテンポを作ることと、横に振りながらももっと中に差し込むことも大切だと思う。プレシーズンマッチでは外回しになってなかなか差し込むことができなかったので、そこで攻撃スイッチをもうちょっと入れていきたい。
チームのコンセプトが「湧き上がるフットボール」ということで全員が攻守においてアグレッシブに出ていくことは監督からも言われている。今季は若い選手も多い中でそういったところもどんどん出していけていると思うので、サポーターの皆さんにも注目して見てもらいたい。
■FW 17 キム・ヒョンウ
昨季、期限付き移籍でいわきに行って、やはり体に対しての意識が変わった。食事もそうだし、スプリントコーチに走り方を教わり、ストレングスコーチもいる。そこに対して半年間、本当に誰よりも頑張ってきた自信がある。
クリアを含め後ろから出てくるボールの質も昨季とは違うが、僕を含めた1トップの選手はボールを収めるのが仕事。僕らが収めることによって後ろからどんどん出ていこうというのが今季のスタイル。僕も味方に預けたあとでもう一回しっかり前に出て、ゴールを奪うところまで行く。プレシーズンマッチでは1点止まりだったが、ここからは2点、3点と決めていきたい。


