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試合レポート

松本の長所を消す狙いが奏功。良い守備から良い攻撃へとつなげて勝ち点1を積み上げる

 

3日はGW3連戦の2戦目。チームは松本を大銀ドームに迎え、いつもとは少し違った形で試合に入った。得点こそ出来なかったものの、その狙いが奏功して勝ち点1をつかんだ。

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相手のストロングポイントを消す守備から入る

 
いつもなら立ち上がりから積極的に出るチームが、この日はきれいにラインを揃えて5-4-1のブロックを構えた。前節、大型FWに長いボールを放り込んできた京都と同様、1トップの高崎寛之ににボールを集めて2次攻撃を狙う松本への対応策だった。
 
長いボールを入れてくる相手に対しては、セカンドボールを拾おうとすれば、どうしてもボランチの位置が低くなりがちだ。前節はそのために前線と中盤の間が開き、奪っても攻撃へとつなげられなかった。その反省も生かして修正された布陣は、相手のロングボールを受けてややラインが深くなる時間帯もあったが、後ろからの押し上げと前線の守備加減を調整しながら、概ねコンパクトに保たれた。
 
そうすることで、判断が早く動き出しも良い工藤浩平とセルジーニョの2シャドーにもよく対応できていた。工藤は広範囲にわたり顔を出して流動的な崩しの首謀者になったが、食いつきすぎずに最後のところで体を張る大分の守備は堅かった。
 
得意の攻め手を封じられた松本は、後方からビルドアップする大分の足元を狙いに来る。特にセルジーニョの不意を突くプレスには、何度か危ない場面を作られてしまったが、なんとか失点はせずに済んだ。77分には、交代したばかりの姫野宥弥のファーストタッチとなったパスミスを三島康平にさらわれ、上福元直人との1対1でシュートを打たれたが、わずかに枠の左に逸れてくれた。
 
試合後、反町康治監督は「向こうのリズムにわれわれが合わせてしまった。跳ね返す力を持っているCB3人を擁する相手が揃って守備を固めると、こじ開けるのは難しい。得点チャンスがあるとしたら、三島のシュートシーンやセルジーニョがGKと交錯したシーン、また相手陣内でボールをうまく奪えた時だけかなと正直思っていた」と苦り切った。
 
片野坂知宏監督も「球際やプレス、ゴール前の部分など、攻守に簡単にはやらせてくれない相手だと感じた」と、あらためて松本の堅守を振り返ったが、相手の長所を消す守備から良い攻撃につなげたという点では、大分のほうがこの試合での狙いを成功させていたと言える。
 

攻め合い潰し合う拮抗した展開に

 
互いにチャンスもピンチもあった。松本は29分、橋内優也のフィードを高崎が落としたところを工藤が狙った。完全に形を作られてしまったが、シュートは枠の上へと逸れた。続く34分には高崎が倒されて得たFKを、宮阪政樹が直接狙い、これはクロスバーを直撃。
 
大分も42分、山岸智が技術の高さを見せつけて左サイドを突破。マイナスのクロスにゴール正面でフリーになっていた岸田翔平が合わせたが、こちらも枠を捉えきれず。
 
後半は松本の出足が鈍り、大分が攻勢に回る。50分には伊佐耕平がペナルティーエリア手前から強烈なシュート。クロスバーに当たったボールはラインを割って手前に跳ね返ったかに見えたが、判定はノーゴールとなる。
 
松本は55分にセルジーニョを下げてパウリーニョをボランチに入れ、宮阪を一列上げて攻撃の強度を増すが、58分に伊佐のクロスに後藤優介がスライディング、63分に小手川宏基のカウンターからクロスと、立て続けにチャンスを作ったのは大分。63分にはこの日、攻守において素晴らしい働きを見せていた川西翔太のミドルシュートが相手GKを強襲した。
 
大分はまず68分に山岸を國分伸太郎へとスイッチ。続く77分には中盤の支配率を明け渡さないよう、疲労の見える鈴木惇に代えて姫野を投入した。相手を押し込む時間が増えると、ゴール前を固める松本に対してクロス頼みになっていた攻撃にテコ入れすべく、小手川に代えて坂井大将を送り込んだ。
 
松本も76分に高崎をフレッシュな三島康平に代え、83分には工藤を下げて山本大貴を入れ前線のパワー増強を図ったが、いずれの交代でも反町監督の期待したほどの効果はもたらせなかった。アディショナルタイムにはアーリークロスを立て続けに放り込まれたが、上福元と竹内彬を中心に体を張り、最後までゴールを割らせなかった。
 

チーム全体で守備から攻撃へのリズムを作れた

 
ミラーゲームらしく両軍ともシュート数が少なくなったが、相手のパワーの前になすすべなく敗れた前節から中3日で立て直し、チームで意思統一して戦って、堅守を誇る松本から勝ち点1を得たことは大きい。
 
豊富な運動量と高い技術を発揮してセカンドボール奪取から鋭い攻撃へと切り替え続けた川西は、試合後に「全員が守備に貢献して、チーム全体で良い守備から良い攻撃が出来ていた」と振り返る。
 
両WBの好調も、特筆すべきポイントだった。手の負傷から復帰して右WBに入った岸田は、石原崇兆のスピードと勢いに対応しながら、自身もゴール前に顔を出して幾度となくチャンスに絡んだ。この日が34歳の誕生日だった山岸は、マッチアップした1歳上の田中隼磨を上回るアグレッシブさで突破を続け、質の高いクロスも供給した。
 
微妙な判定もあったが、伊佐のメンタリティーならば心折れることなく突き進んでいけるだろう。3連戦はまだ、あとひとつ残っている。アウェイでの難敵・岐阜との対戦に向けて、短い準備期間が過ぎていく。負傷者も多いが、片野坂監督は会見で「総力戦」を明言した。これまでは試合に絡んでいないメンバーにも、出場チャンスを狙ってもらいたい。
 

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