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試合レポート

いつもより守備に比重を置いた戦法が奏功。92分の勝ち越し弾で勝利

 

強力な攻撃陣を擁する相手に対し、いつもより守備に比重を置いた5-3-2システムで臨んだ、明治安田J2第26節A横浜FC戦。狙いはハマり、多くの決定機を作った。先制後、一度は追いつかれたが、伊佐耕平のアディショナルタイム弾で、チームは劇的な勝利をつかんだ。

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5-3-2システムでスペースを消して入る

 
フィジカルを武器に1トップでボールを収めるイバ、スピードに長けた野村直輝とジョン・チュングン。彼らのポテンシャルを後押しするように加入したレアンドロ・ドミンゲスがトップ下を務める横浜FCに対し、片野坂知宏監督はいつもの3-4-2-1ではなく、小手川宏基を一列下げた5-3-2システムで試合に入った。
 
特にレアンドロ・ドミンゲスがスペースで受けるのを防ぎ、サイドから中に入ってくる野村やジョン・チュングンを自由にさせないために、中盤のスペースを消すのが狙いだった。いわば、いつもより守備に比重を置いたフォーメーションと言える。
 
布陣はコンパクトに保たれ、3枚のCBのチャレンジ&カバーと中盤のプレスバックで、相手の前線4枚を抑えた。相手の状況を見ながら臨機応変にスライドする守備組織は、柔軟さと力強さをあわせ持っていた。
 
特筆すべきは、ただ守備重視だったわけではないことだ。三平和司と後藤優介の2トップにボールが入ると、ボランチから小手川と川西翔太が絡み、積極果敢に攻め込んだ。
 
そんな形からいきなり7分、目の覚めるような先制点が生まれる。三平からの展開を受けた山岸智の送ったクロスを、ニアにいた三平がバックヘッドですらしてゴール右隅へ。
 
だが、敵も黙ってはいない。19分、ワンツーでウラに抜け出したジョン・チュングンのグラウンダークロスは竹内彬がかき出したが、そのこぼれ球に詰めた佐藤謙介に、守備の穴を通され、スコアを振り出しに戻されてしまう。
 
狙いどおりの形で細やかにボールを動かして決定機を作る大分と、ひとたび前線にボールが収まれば圧倒的な迫力で押し寄せてくる横浜FC。それぞれ7本と5本のシュートを放ち、見応えのある前半となった。
 

分岐点となったそれぞれのシステム変更

 
それぞれの色を出した激しい攻め合いは後半も続き、どちらに転ぶかわからない展開となる。
 
先にカードを切ったのは大分だった。55分、山岸に代えてシキーニョ。積極的に仕掛け続けることで、相手のサイドを制圧にかかる。
 
次の交代は両チーム同時の63分。大分が三平を伊佐耕平に代えるタイミングで、横浜FCは野村を下げて永田拓也を投入。サイドの主導権を回復すべく、永田と小宮山尊信を両WBに配置し、イバとジョン・チュングンを前線に並べた3-5-2システムへと変更した。
 
これにともなって横浜FCは後ろが重くなる。前線3枚のコンビネーションによるカウンターに期待して攻め残らせる作戦だったのか、中盤より後ろのメンバーで守備を固めた。75分には疲労の見えるジョン・チュングンを中山雄希にスイッチして前線の鮮度を保つ。
 
システムが噛み合ったことにより膠着しそうになるのを打開しようと、片野坂監督は85分、川西に代えて前田凌佑を入れ鈴木惇とダブルボランチを組ませると、伊佐の1トップと後藤・小手川の2シャドーの3-4-2-1へと布陣を変更した。
 
ふたたびボールを動かせるようになった大分は、引き分けでいいとでも言いたげな横浜FCをサイドから攻略。特に松本怜の突破と、そこからの攻撃の選択肢は、試合終盤の見どころのひとつとなった。
 

あきらめずに貫いたことが勝利を呼び込む

 
90分、横浜FCはレアンドロ・ドミンゲスに代えて齋藤功佑。4分のアディショナルタイムを前線からの激しいチェイスで乗り切ろうとする。
 
だが、その守備を、最後まで自分たちの形で攻め続けた大分が、ついに破った。左サイドを持ち上がったシキーニョが、開いていた小手川にパス。小手川がクロスを送ると、相手の死角を突いてニアに走り込んだ後藤がヒールで流し込もうとしたボールは相手DFに当たる。そこへ伊佐と鈴木惇がほとんど同時に走り込んだ。一瞬早かった伊佐の右足が、勢いのままにボールをゴールへと押し込んだ。92分の快挙だった。
 
相手の強烈な前線に対し最終ラインの中心で体を張り続けた竹内は、「このリーグで強力な外国籍選手2人がいる相手に対して粘り強く戦えた。だからこそ最後にああやって勝ち越しゴールを呼び込めた」と試合を振り返る。
 
それだけでなく、相手の状態を見極めながら、最近は守備陣形のオプションも増えた。それを組織としての意思統一の下、柔軟に使い分けて戦うことが、良い守備から良い攻撃への切り替えにもつながっている。
 
後半だけで放ったシュートは9本。いずれも意図した形からのものだった。精度を欠いてなかなか追加点が入らなかった反省はあるものの、あきらめずにコンセプトを貫いて攻めた成果としての、勝ち点3だった。
 

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