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試合レポート

緻密な駆け引きから先制してオープンな展開へ。最後に力で突き崩されて+1

 

緻密にバランスを保ちつつ駆け引きした試合。1点を追って前がかりになる相手の圧を背後へと逃しきれず押し込まれた。明治安田J1第28節A名古屋戦は、90+1分に追いつかれて勝点1。さて、チームの課題は?

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前線3人を入れ替えての息詰まる駆け引き

 
夜、豊田スタジアムでラグビーW杯が開催される関係での14時キックオフ。ひさしぶりのデーゲームは10月といえど飲水タイムが設けられるほど暑い中で行われた。タレント揃いの相手攻撃陣に仕事をさせないための、非常に緻密で息詰まるような駆け引きと、瞬時に相手の起点を潰しセカンドボールをマイボールにする組織的守備。選手たちの集中した戦いは、ピッチ上に好ゲームを描き出した。
 
名古屋はマッシモ・フィッカデンティ監督による指揮2戦目。立ち上がりのシステムは前節の広島戦のスタートと同じ4-3-3で、練習中に負傷した和泉竜司がベンチ、代わりに長谷川アーリアジャスールがスタメン入りした。
 
大分は前節から前線3人を入れ替え、頂点に後藤優介、両シャドーには三平和司、小塚和季が並んだ。シャドーの人選は、名古屋が守備を固めつつ試合中にも変化することを予想し、賢く細やかに駆け引きできる“ポジショニング名人”をチョイスしたものと思われる。また、WBは田中達也が右、松本怜が左でスタート。試合後に片野坂知宏監督はその理由を田中と相手左SB・太田宏介との関係性で配置したと明かしたが、実際にゲームがはじまってみると上手くサイドでの関係を築けず、飲水タイムを境に左右を入れ替えていつもの配置へと戻した。
 

粘り強いポゼッションと集中した組織的守備

 
ブロックを構える名古屋に対し、攻め急ぐことなくじっくりとポゼッションしながら好機をうかがう大分。相手の中央に厚みがあることと、奪われたときのカウンターへの警戒で、サイドを主な攻撃起点に定めたが、名古屋もこちらがサイド攻撃を得意とすることを踏まえ、しっかりとケアしてくる。
 
一方の名古屋はボールを奪うと前線にクサビを打ち込むが、大分守備陣の組織的守備で起点を作れずセカンドボールも拾われる。それでも一瞬の隙を突いてゴールへと迫るポテンシャルはさすがで、19分には岡野洵からボールを奪ったジョーがゴール前に走りこんでくるシャビエルへとパス。スライディングで小林裕紀がカットすると、そのこぼれ球をもう一度ジョーが拾って前田直輝へ。この前田のシュートも小林裕がブロック。最後は島川俊郎が米本拓司に対応してピンチをしのぎきった。
 
焦れずにポゼッションすることで相手に攻撃機会を与えず、守備で走らせて疲れさせようという前半。それでも相手の攻撃に遭うとセカンドボール対応のため、いつもよりも布陣の重心は低めになる。ラインを上げようと何度かゴールキックで高木駿が後藤へとフィードを送るのだが、相手守備陣に拾われて攻め返されてしまう。前半の終盤は押し込まれっぱなしになったが、粘り強い守備と相手の精度不足により0-0で折り返すことが出来た。
 

三平の3戦連続弾で先制も追撃の圧に苦しむ

 
51分、名古屋は長谷川を和泉に交代して試合を動かしに行く。だが、先制はその1分後、大分。松本怜のクロスにニアで後藤が潰れ、それが逆サイドへ流れたところを拾った田中が狙いすましてクロス。ニアに飛び込んだ三平が、今度は“THE さんぺー”と言わんばかりに頭で見事に流し込んだ。三平は3試合連続弾と結果を出している。
 
ビハインドになった名古屋は攻勢を強めた。57分にはシャビエルのパスをエリア内で前田がシュートするが、素晴らしい反応を見せた高木が至近距離でブロック。
 
名古屋が前がかりになったところで、片野坂監督は60分に小塚を小林成豪へ、67分に三平をオナイウ阿道へと両シャドーをチェンジ。駆け引き上手の“ポジショニング名人”たちから相手の背後へ抜け前への推進力を持つ二人に代えて、後藤とともにボールを吸い上げる力を高め、押し戻そうとした。
 
だが、これがなかなか上手くいかない。名古屋の攻撃をクリアするのが精一杯で、前線の3人にいい状態でボールを通すことが出来ない。中盤から背後が守備に追われるため前の3人もそれぞれ孤立して、ボールを収められずに、攻め返され押し込まれる戦況が続く。オープンな展開の中で何度か築いた決定機も決めきれず、リードは1点のまま、手に汗握る展開となる。
 

中谷の意地から名古屋に同点弾を奪われた

 
フィッカデンティ監督は73分、前田に代えて赤﨑秀平を投入し、システムを4-4-2へと変更して追撃の手を強めた。さらに82分には米本をエドゥアルド・ネットに代えてさらに圧を高める。高木の度重なるビッグセーブ、岡野のシュートブロックで名古屋の追撃をしのぎ、相手も焦りからかフィニッシュの精度を欠いて、怒涛のようになだれ込んだアディショナルタイムは長い長い4分。ジョーへと当ててくるボールを跳ね返しながら、ホイッスルまで耐えることが出来るか。
 
厳しい状況でも、守りきれれば勝利だった。だが、90+1分、名古屋はついに大分の守備を突き破る。島川のオナイウへのスルーパスを出足よくカットした中谷進之介が、ライン際でも闘志を見せ、長い距離を持ち上がる。スルーパスの先の和泉には松本が対応しつつボールは岡野が掻き出したが、それを再び中谷が拾いネットへと託した。ネットが逆サイドへとクロスを送った先にいたのは赤﨑。田中が寄せる間もなく放たれたヘディングシュートはすでに枠を捉えていたが、クリアしようと入った岡野の頭に当たってからゴールへと吸い込まれた。
 
あと数分、粘れていれば3だった勝点が1に。前節に続きアディショナルタイムで失点したことはインパクトが大きいが、指揮官も選手たちも、課題は攻撃面だと省みた。押し込まれていたときに少しでもラインを押し上げることが出来ていれば。ポゼッション率を高め相手の攻撃時間を削れていれば。何度かあった決定機を仕留めることが出来ていれば。
 
強力なタレントを擁する相手を無失点に抑えるのは難しい。だからこそ複数得点する力を身につけていかなくてはならないと、片野坂監督は言う。今季残り6試合。今節は勝点1を積んで、チームは次節の浦和戦へと向かう。
 

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