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試合レポート

アクシデントによる急造布陣も経験豊富なメンバーが駆け引き。2度追いついて勝ちきれはせず

 

試合前日と当日に新たな離脱者を出し、急遽メンバーの入れ替えを強いられた一戦。それでも経験豊富なメンバーはピッチ内で相手と駆け引きしながら難しい試合を戦った。試合展開に選手交代がフィットして終盤には激しく攻めたが、残念ながら勝点3には届かなかった。

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急なアクシデントにより実戦復帰メンバーが多々

試合前日と当日、さらに選手2名の新型コロナウイルス感染が確認され、チームは急遽、出場メンバーを変更せざるを得なくなったようだった。
 
この日、ピッチに並んだのは第6節・琉球戦以来の先発となった町田也真人に第22節後に負傷していた羽田健人。途中出場したのも第9節以来の小林成豪、第17節以来の高畑奎汰ら、長らく離脱していた戦力が公式戦に帰ってきた。復帰戦のペレイラをはじめ、復帰後間もないエドゥアルド・ネットとサムエルもひさしぶりの揃い踏み。J1経験豊富な実力派の下田北斗と増山朝陽も3試合ぶりに先発した。
 
スタート時フォーメーションは3-5-2。4-3-3の相手に対してのミスマッチも承知の上で、敢えて誘って奪うようなポジショニングを取っていたようだが、足元の技術とコンビネーションのクオリティーの高い東京Vの攻撃に対し、奪おうとするところで上手く奪えない。相手SBが高い位置を取り、サイド攻撃に勢いも出された。逆にこちらの攻撃に対しては激しいプレスをかけられ、ミスを誘われる。町田也真人や下田北斗が考えながら立ち位置を工夫しているところも見受けられたが、立ち上がりから相手に主導権を握られる時間帯が続いた。

 

2度の同点弾で流れを相手に渡さず

完全に東京Vのほうが攻守の好循環に入っていたが、それでも勢いを削がれることなく、こちらも相手の間に積極果敢にパスを通すチャレンジを続けた。これまでのようにサイド攻撃にこだわらず、大胆なクサビも通そうとした。また、増山のドリブル突破も、激しく潰しにくる相手に対して効果的だった。
 
加えて失点後すぐに取り返し、スコアを振り出しに戻し続けたこともよかった。18分に梶川諒太の右CKから加藤蓮にフリーで飛び込まれて失点したが、20分にはペナルティーエリア左で下田のパスを受けた藤本一輝がドリブルで進入し、角度のないところからのシュータリング(本人談)がマテウスに当たって最初の同点弾となる。
 
40分にはンドカ・ボニフェイスのフィードを佐藤凌我に収められ、守備陣があたふたした隙を突かれて森田晃樹に流し込まれたが、その3分後には逆に、羽田の鋭いクサビを渡邉新太が収め、それを託された呉屋大翔が左足で2つ目の同点弾を奪った。
 
2失点目の後に、下平隆宏監督はフォーメーションを3-4-2-1に変更。守備時に5-4-1となって安定性を優先すると、攻守のサイクルが持ち直す。1トップになって一瞬、重心が低くなるかと思われた場面もあったが、距離感よく立ち位置を取りラインを上げる選手たちによって、無事に持ち堪えることが出来た。

 

徐々に流れを手繰り寄せていった後半

東京Vは杉本竜士を小池純輝に代えて後半をスタート。大分は町田と渡邉の2シャドーの左右を入れ替え、左サイドのコンビネーションを合わせにいく。
 
屋根が閉まった高温多湿なドームでの激しい攻防により、互いに体力が削られていく中、59分には東京Vが西谷亮を加藤弘堅にチェンジ。加藤がアンカーに入り森田が一列上がった。
 
61分には相手陣中央に攻め上がっていた三竿雄斗がゴール前に走り込んだ町田へとスルーパスを出したが、惜しくも相手にカットされる。68分には増山のクロスがクリアされたこぼれ球を町田が拾い左足を振り抜いたが、体を投げ出したンドカにブロックされた。70分には押し込んだ状態から増山がデュエルで粘り、そのラストパスを藤本が狙ったが、今度は馬場晴也に体を張って防がれた。
 
徐々に大分へと流れが傾いていた75分、両軍ベンチが動く。東京Vは佐藤凌をバスケス・バイロンに、梶川を染野唯月に2枚替え。2トップへと変形したのは、東京V側も「いろんなアクシデントがあって、今節は相当に急を要するチームづくりをした」(城福浩監督)ことの影響だったようだ。一方の大分は、羽田をエドゥアルド・ネットに、町田を小林成に、三竿をペレイラに交代。最終ラインは上夷克典が左に移り、ペレイラが右に入った。さらに79分には足をつらせた増山をベンチに下げ、藤本を右WBに回して高畑奎汰を投入する。

 

奎汰や成豪が最後の勢いを醸し出す

その高畑が、ピッチに入ってすぐに見せ場を作った。80分にクロスを上げると渡邉がボレー。シュートはわずかに枠の右に外れたが、相手スローインで押し込まれたところから小林成がボールを送り、呉屋がスペースに叩いて、そこに抜け出したのが高畑だった。
 
大分はこぼれ球からのネットのシュートや小林成の呉屋へのクロスなど見応えのある分厚い攻撃を続けた。ゴール前にボールを送る場面が増えたことを受け、85分には疲労の見える呉屋に代わってサムエルがピッチに入り、最後の一発で勝点3を狙いにいく。
 
86分には河村慶人のクロスを染野に合わせられたがワンタッチあって枠の左。東京Vの攻撃にも対応しながら、88分には高木駿のフィードをサムエルが競り、セカンドボールを収めた渡邉が持ち上がって出したパスに走り込んだ高畑が強烈なシュート。決めたいところだったがマテウスの正面だった。そのこぼれ球を今度はサムエルが左足で狙ったが、これも相手にブロックされた。

 

この痛み分けを今後につなげていく

アディショナルタイムは4分。90+1分にはネットのヒールパスが相手に当たり、こぼれ球を拾った染野に独走状態のカウンターを発動された。これは上夷の好判断によるプロフェッショナルファウルで難を逃れる。
 
東京Vの最後のカードは90+6分。加藤が足をつらせ稲見哲行がピッチに入ったが、ほとんどプレーする間もなく長いホイッスル。最後までどちらに転ぶかわからないスリリングなゲームは、前半に点を取り合った2-2のまま、痛み分けに終わった。
 
実証実験とはいえ声出し応援が許された昭和電工ドーム大分で、ゲームのテンションを高めたのは間違いなく両軍サポーターの声援だったはずだ。最後は死闘の様相を呈し、ともに勝ちきれなかったことを悔やむ試合となった。
 
ただ、コロナ禍によるスクランブル出動の面もあったとはいえ、負傷の癒えた戦力がこの機会に実戦復帰できたことは、今後に向け前向きに捉えたい。小林成と呉屋のホットラインも復活しそうな気配が見えた。勝利には届かなかったが、ピッチとベンチで粘り強く試合の流れを引き寄せていったことには力も感じられる。アクシデントさえ味方につけて、残り14試合、まだまだ追い上げていく。

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