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試合レポート

湧き上がる四方田トリニータ、会心の白星スタート

 

開幕戦開催中止から1週間、すぐに照準を合わせなおして挑んだ初陣としての第2節。チームは始動日から取り組んできたことを伸びやかにピッチに描き出し、積極的な戦いぶりで白星スタートを切った。

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積極性を前面に好機を量産

気になるスターティングメンバーは、プレシーズンマッチ札幌戦と同じ3-4-2-1。対する北九州は、1-3で敗れた開幕・鳥取戦から5人を入れ替えた4-2-3-1でスタートした。
 
4分には北九州が、右に流れた髙橋大悟からのパスを高昇辰が落として井澤春輝がシュートという形を作ったが、山口卓己がブロック。以降は球際や切り替えで上回る大分がじわりと優位に立ち、好機を量産していく。4バックで中央突破を狙う相手に対し、幅広くピッチを使って攻めると6分、宇津元伸弥のクロスにキム・ヒョンウが頭で合わせる。これを杉本光希に掻き出されたところへすかさず有働夢叶が詰めて押し込もうとするが、杉本も反応。ラインを割ったようにも見えたが、ノーゴールの判定となった。
 
19分には松尾勇佑が高い位置でボールを奪い、そのパスを受けたパトリッキ・ヴェロンがスルーパスを送ってキム・ヒョンウがシュートしたが杉本を強襲。26分には最終ラインから細かくパス交換を繰り返しながらゴール前にまで攻め上がった戸根一誓が宇津元のクロスからのシュートシーンを迎えるが、上手くミートしきれなかった。その1分後にも宇津元のクロスにキム・ヒョンウが飛び込み、39分にはカットインした松尾がゴール前に送った浮き球を有働が頭で落としてキム・ヒョンウに合わず。

 

北九州ペースになりかけた後半立ち上がり

守備では井澤春輝と平松昇のダブルボランチが縦関係になるところとトップ下の髙橋をしっかりマークすることで、北九州の攻撃のスイッチを入れさせなかったことが、大分ペースに繋がっていた。チームコンセプトどおりに中央を崩そうとする意識が高い北九州に対し、奪ってショートカウンターを繰り出すチャンスを何度も作れたかたちだ。
 
ただ、わずかにタイミングが合わなかったり精度を欠いたりして得点できないままの折り返し。後半に入ると北九州は守備のマークを整理し、大分のシャドーとWBをどうケアするか、またWBに引っ張られたときに中盤をフリーにさせていた状態、そして大分のビルドアップの形に対してどうハメるかなどを修正してきた。奪ったボールを確実に保持しようという意識も強まり、後半立ち上がりは北九州が流れを引き寄せる時間帯となる。
 
前半に比べ、サイドから攻略する意識も高めたか。57分に坪郷来紀の仕掛けから右CKを獲得すると、木實快斗のキックに井澤が飛び込んだがペレイラが前で触って今度は左CKに。福森健太のインスイングの弾道がクリアされたところから高がエリア内で足を振り抜き、ディフレクションの末にゴールマウスに吸い込まれそうになったボールはムン・キョンゴンが掻き出した。
 
さらに北九州の右CKのチャンスというタイミングの59分、増本浩平監督が2枚替え。渡邉颯太と坪郷を永井龍と河辺駿太郎に代え、高橋を右SHに移して永井と河辺の2トップへとシステム変更した。

 

流れを引き戻すドリ弾とヒョンゴール

流れを手繰り寄せていた北九州の、前に強度をもたらし収まりどころをサイドに持っていく交代策。だが、その直後の62分、大分に待望の先制点が生まれた。
 
パトリッキ・ヴェロンにコースを切られた福森のバックパスを収めた生駒仁。キム・ヒョンウの寄せをかわして縦に差し込んだところで、榊原彗悟がカットして持ち上がり同数でのショートカウンター。榊原の横パスを中央のキム・ヒョンウがスルーして、その背後で受けた有働が右足を振り抜くと、ボールは勢いよく地を這ってゴール左隅へと転がり込んだ。相手に傾いていた流れを引き戻す、時間帯としても狙いのかたちどおりという点でも会心の先制弾だった。
 
再び流れを掴んだ大分は、68分にも相手を押し込んだ状態からクサビを入れた榊原が相手のクリアをもう一度収めて自らシュート。69分には四方田修平監督が動き、パトリッキ・ヴェロンを下げて木本真翔を投入した。すると71分、その木本が宮川歩己のクリアしたボールを収めてヒールで落とし、それを受けた榊原が長いクサビ。左サイドで抜け出した山口が持ち上がり、3対4の数的不利の状態に大外から加わってきた松尾へとパス。シュートも狙えた状況だったが松尾は冷静に相手GKと最終ラインの間へとボールを送り、そこに飛び込んだキム・ヒョンウが得意のワンタッチでゴールネットを揺らした。

 

北九州の追撃を受ける時間帯も

2点差を追って追撃パワーを高める北九州を前に、やや落ち着きを欠く場面も見られた終盤。四方田監督は76分、経験豊富な2人が落ち着きをもたらすことに期待するように、有働とキム・ヒョンウを清武弘嗣と伊佐耕平に代えた。
 
77分には宇津元の足元から高がボールを奪い、永井の落としから河辺がシュートして枠の左。81分には増本監督が高を吉長真優に交代。井澤が木本からボールを奪い高橋が右サイドハーフウェイラインから永井を目掛けて蹴ったフィードに対し、ペレイラが永井を倒してゴール前中央で北九州のFKに。木實と並んだ永井が直接狙って、ボールは枠を捉えていたが、ムン・キョンゴンが右手で掻き出す。
 
その後も北九州の追撃に遭う中で、87分には山口と清武が自陣でボールを収め、榊原が左に展開して宇津元のスルーパスを木本が折り返すが相手も対応。こぼれ球を伊佐が収めて落とし、駆け上がってきた榊原がシュートしたが枠の右へと逸れた。

 

ムン圧巻のPKストップで無失点完勝

87分、四方田監督は山口を小酒井新大、松尾を三竿雄斗にチェンジ。宇津元が右WBに移り、三竿は左WBに入った。落ち着いて主導権を握り直し、試合をクローズしたいところ。
 
だが、89分、北九州は高橋を軸に右サイドから攻め、高橋、永井、河辺の3人が細かいパスを繋いで絡む攻撃から永井がエリア内へと抜け出す。これに対応した宮川が永井を倒してしまい、痛恨のPK献上に。キッカーは永井。対峙するムン・キョンゴンは永井のセットする様子を注意深く見守りそのコースを読むと、左隅を狙った弾道を横っ跳びで掻き出し、失点を阻止した。
 
4分に設定されたアディショナルタイムにはCKの守備も抜かりなくこなし、試合は2-0で終了。四方田トリニータは目指すスタイルを存分に体現して、会心の白星スタートを切った。
 
戦力が多数入れ替わり、さらに負傷者も多発している北九州ではあったが、個々のポテンシャルは高くボールポゼッションにも長けており、決して簡単な相手ではない。それでも果敢に湧き上がりにいった選手たちの勇敢な戦いぶりを、試合後の指揮官は称えた。公式戦5試合ぶり、ホームでは8試合ぶりの勝利。この1勝を自信に変えて、ここからもチームは積み上げ続けていく。