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試合レポート

新機軸も含め宮崎対策は万全も、猛追は届かず。攻撃面はまだ途上

 

相手の攻撃を抑えつつ相手陣にまで攻め入るも、シュートにまでは至れない。そんなもどかしさの中、前半アディショナルタイムに奪われた1点。終盤の猛追もわずかに精度を欠き、勝点には届かなかった。

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攻め込んでも相手陣で失速

ここまでその対人守備力に頼ってきたペレイラが出場停止という事態を受け、今節、3バックの中央を任されたのは大卒2年目の宮川歩己。リーグ得点ランク首位の宮崎のエース・土信田悠生に自らも体をぶつけつつ、集中して守備組織を統率した。
 
居残り練習中の負傷で欠場となったパトリッキ・ヴェロンの位置では、負傷から復帰した中川寛斗が今季初出場。1トップは前節に続き木本真翔が務め、ベンチには今季大卒ルーキーの櫻井勇斗と坂田陸が控えるなど、新たな起用や編成も含めての、首位相手との公式戦初対戦だった。
 
序盤は球際に寄せてくる相手を個人技やコンビネーションで剥がし、リズミカルに相手陣に攻め込むシーンを何度も作った。だが、アタッキングサードに入る頃から精度や積極性を欠いてシュートには至らない。4分には有働夢叶のクロスに中川が合わせに行ったが田中誠太郎にブロックされる。18分には木本が足を振って枠の上へ。結局、公式記録では前半の大分はシュート0本だった。

 

集中して宮崎の攻撃力を削いでいたが…

一方の宮崎は、最初は大分に自陣までの進入を許すが、動じる雰囲気を見せない。むしろ好機を仕留める気配は序盤から濃厚だった。9分、阿野真拓のクロスをムン・キョンゴンが掻き出したところから下川陽太にシュートを打たれ、枠の右へ。20分、奥村晃司の左CKに合わせた土信田のヘディングも枠上へと逸れる。
 
迫力ある宮崎の攻撃にも、ロングボールやスルーパスには宮川が体を張り、攻め上がっていた戸根一誓と三竿雄斗も守備時には素早く帰陣してカバーリング。スライドにも隙がなく、集中して守れていた。だが、30分を過ぎるあたりから宮崎がしっかりボールを握るようになると押し込まれる時間が増える。33分には自陣のミスでボールを奪われ奥村に折り返されたところを宇津元伸弥がブロック。39分には下川のクロスにファーで合わせた奥村のシュートが枠外へ。奥村は40分にも強烈なシュートを放ち、わずかに左。42分には下川がエリア内から放ったシュートを、ムンがファインセーブ。その左CKからの土信田のシュートは枠の左。
 
なんとかしのいでいたが、左右SBがゴール前にまで攻め上がってくる宮崎の勢いに、45+2分、ついに決壊。ボランチ渡邉英祐のペナ手前からの無回転シュートが、風に乗ってゴールへと突き刺さった。前半アディショナルタイム2分が尽きる直前の先制点献上だった。

 

左サイドの起点を増やした後半の宮崎

後半開始と同時に宮崎は、前半途中で足を痛めていた井上怜に代えて武颯を投入。前節・北九州戦のスタートと同じく奥村が左SHに移り2トップとなって、武が土信田の周りを動く形に変更した。46分、阿野のシュートはムンがセーブしてことなきを得る。
 
右では𠮷田真那斗、左では宇津元がドリブルで突破しようと試みるが、相手も特に左サイドを起点とした攻撃を増やす。55分には松本雄真のシュートが枠の左。58分には、せめぎ合いの中で得た左CKを宇津元が蹴り有働夢叶が頭で合わせたが、下川にブロックされてギリギリのところでゴールは割れず。
 
61分、四方田修平監督は、中川と有働に代えて清武弘嗣と伊佐耕平を投入。伊佐が1トップ、木本が右シャドーの配置となって追撃態勢を強化した。構え気味で守る相手に対し、清武があちこちに顔を出すことでパスコースが生まれ、大分も流れを手繰り寄せる。

 

清武を軸に激しく追撃

対する宮崎はカウンターチャンスを狙い、62分には奥村のクロスに武のヘディングシュートが枠の上へ。65分には奥村のFKに合わせた黒木謙吾のシュートが枠上へと外れた。69分にはスルーパスに抜け出した土信田がムンをかわしてシュートし枠の右へ。
 
相手の精度不足にも助けられながら追撃を続ける大分は、清武が軸となって攻撃を活性化。山口卓己も三竿も、的確に顔を出す清武にボールを差し込みリズムを生むが、71分、木本のパスを受けた榊原彗悟が持ち込んで放ったシュートは枠上へ。
 
72分、大分は𠮷田に代えて松尾勇佑、木本に代えて小酒井新大を投入。小酒井がボランチに入り、榊原が右シャドーに上がった。75分、山口のパスをエリア内で受けた伊佐の落としからの清武のシュートは阿野にブロックされ、直後にもう一度、伊佐からのボールを受けた清武のシュートは今度は渡邉に掻き出される。

 

この一戦からも貪欲に収穫を

その流れで得た、三竿による右CK4連発。いずれもゴールマウス付近に落とすような高精度の弾道だったが、得点には繋がらず。
 
81分には大熊裕司監督が阿野を坂井駿也、渡邉を力安祥伍に2枚替え。84分にはカウンターでピンチを迎えるが、奥村のクロスは走り込んだ土信田にわずかに合わない。
 
四方田監督は85分、山口に代えて櫻井を投入。榊原がボランチに落ち櫻井は右シャドーに入って、はっきりと追加点を狙いに行く。大分は猛追を続けるが、ゴール前を固める宮崎はことごとくそれを跳ね返し、86分、こぼれ球からの宇津元のシュートも枠上に外れてしまう。
 
88分、宮崎は土信田に代えて松本ケン・チザンガ。アディショナルタイム4分が尽きるまで必死の追撃を試みたが、最後まで得点は奪えず0-1での敗戦となった。
 
集中した組織的守備で相手の攻撃力を削れていただけに、前半立ち上がりの相手陣での攻撃の威力不足が悔やまれた。構えた相手に対し清武投入で流れは引き寄せたが、1点のリードを得ている相手は堅かった。攻撃面での課題克服はまだ途上だ。一方で、ペレイラ不在の守備を見事に統率した宮川の成長ぶりを確認できたことや中川の復帰、櫻井・坂田のメンバー入りといった新たな要素も収穫としては残る。黒星ではあったが、この一戦も次に繋げ、前進を続けていきたい。