先制も実らず逆転負け。やりたいことを相手にやられた試合

「いい守備からいい攻撃」を企図して臨んだ一戦。試合の入りはよく、先制もしたのだが、その後は相手の圧に屈して逆転を許す。木本のプロ初ゴールなどで追撃したが、勝点には届かなかった。
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幸先よくいい形で先制
しっかりとボールを握るスタイルで戦いながら、得点力不足でいまひとつ結果が出ていない。目指すところも課題も共通している琉球との対戦に向けて今週、トレーニングで準備したのは、「湧き上がるフットボール」というチームコンセプトを再確認した上での「いい守備からいい攻撃」だった。
立ち上がりから互いに攻守の駆け引きがスタートした中で、ペースを握ったのは大分。8分、押し込んだ状態から戸根一誓がゴール前に浮き球を送ると、この試合でプロ初先発した櫻井勇斗が頭で合わせ、枠の上へ。
だが、13分にはいい形から先制に成功する。山口卓己の展開を受けた宇津元伸弥が相手と競り合いながら収め、それを受けた中川寛斗がクロス。ニアで櫻井が潰れ、そのこぼれ球に詰めた有働夢叶がすかさず押し込んだ。

圧を強めた琉球に逆転を許す
関わった全員がいい仕事をして仕留めた先制弾。22分には宇津元の折り返しのこぼれ球を中川がシュートしたが、川島康暉の好セーブに阻まれた。
だが、30分が過ぎようとする頃から琉球が守備の積極性を前面に打ち出してくる。プレス位置を高くし、左サイドに人数をかけながら勢いを増すと、藤春廣輝の仕掛けから左CKを獲得。キッカーの井堀二昭が密集の外にいた石浦大雅を目指したデザインプレーで、石浦のシュートはディフレクションで軌道を変えて、31分の同点弾へと結実した。
勢いづいた琉球はさらに前からの圧を増す。大分はそのプレスを上手くかわすことが出来ない。出し手が視野を遮られ、受け手は顔を出せずに、連係できない苦しい状況に陥った。その中での41分、中盤で船橋勇真にインターセプトされると、そのまま持ち上がられて2点目を奪われる。攻撃面と守備面の両方の課題が一気に露呈しての失点だった。

戦況打開を図る3枚替え
仕切り直しを誓って入った後半。47分の宇津元のFKに合わせた櫻井のシュートは枠の左へ。52分には3失点目。高木大輔のロングスローはクリアしたが、それを拾った高木がもう一度クロスを入れて堀内颯人が折り返し、大分の選手たちがボールウォッチャーになったところで上野瑶介に悠々と仕留められた。
2点ビハインドとなり、なんとしても巻き返したい大分は55分に3枚替え。櫻井を伊佐耕平、中川を木本真翔、松尾勇佑を𠮷田真那斗に交代して、シンプルな推進力と強度を高めた。58分には三竿雄斗の右CKのこぼれ球に𠮷田が反応したが枠の右。さらに宇津元のシュートは枠上へ。
58分、琉球は高木に代えてカル・ジェニングスを投入。大分もやや流れを引き戻して激しいトランジションが繰り返されながら、試合は終盤へとなだれ込む。

真翔のプロ初ゴールで1点差に
琉球は75分、上野に代えて古巣戦に向け士気を高めていた池田廉。大分は山口に代えて小酒井新大を投入し、中盤の攻防の激化に備えた。
その矢先の77分。𠮷田のロングスローの流れから宇津元が大きくゴール前に送った浮き球を小酒井が競ると、そのこぼれ球が木本の元へ。右に持ち出してコースを作り右足を振ると、ボールは川島とポストの間隙をすり抜けてゴールイン。大卒ルーキーのプロ初ゴールで、大分が1点差へと詰め寄った。
ここまで90分での勝利のない琉球に対し、なんとか追いつこうと80分、四方田修平監督は有働に代えて木許太賀。追撃は激しさを増すが、榊原彗悟の𠮷田への大きな展開から相手を押し込んだ86分、木許のクロスのこぼれ球をゴール前にまで進入していた三竿が狙って川島に防がれる。そのこぼれ球には宇津元が反応しきれず、決定機は流れた。

猛追も届かず、多くの課題を残す
木許がクロスを送り榊原がシュートを放つ。戸根も𠮷田も宇津元も、クロスを送って掻き出された。アディショナルタイムは6分。琉球は90+1分に井堀と石浦を佐藤未勇と志慶眞巧洋に2枚替え。90+5分、小酒井の展開を受けた宇津元のクロスから伊佐がヘディングシュートを放つが、川島に押さえられた。
全力での追撃もここまで。試合は2-3で終了し、大分は今季ホーム初黒星、今季初の連敗。琉球にとっては今季初の3得点で、待望の90分での初白星となった。
やりたかった「いい守備からいい攻撃」を相手にやられてしまった試合。圧をかけてきた琉球を押し返せなかったこと、そしてその苦しい時間帯にイージーに失点を重ねたこと。足りない部分が露呈した内容に、試合後の指揮官は「本当に重く受け止めなければいけない結果」と唇を噛んだ。
開幕当初の好調を牽引していたキム・ヒョンウとパトリッキ・ヴェロンの負傷に続き、後半の切り札だった清武弘嗣も離脱して、攻撃陣の層が薄くなっている。木本の初得点や櫻井の初先発など今後に繋げたい収穫もあったが、やはり琉球の経験値の高い選手たちに比べると、プレー強度やスピード、ポジショニング、献身性と、多くの面で未熟さも感じさせられた。ここからどれだけ高めていけるかが、個人としてもチームとしても力の見せどころだ。すぐに次の試合がやってくる。



