MF 5 中川寛斗「もっと戦術的なところで勉強しなくてはならない」

 

——今日は攻撃も守備もかなり積極的な戦い方をしていた。

天皇杯で劇的な勝ち方をしたので、良い流れのまま今日の試合に臨みたかった。守備のところでは攻撃的にボールを奪って速いショートカウンターに繋げたかったというところが僕の中の狙いで、それが前半は特にハマっていた。相手のコーチングの中でも警戒する声が聞こえていたので、それを続けようと思っていて、攻撃ではしっかりボールを大切にしながら、今後に繋がるようなサッカーにしたいと考えていた。僕が試合に出ている意味はそこに繋がってくると思うので、そこを表現しようと思って試合に入った。

——今後に繋がる部分は出せたのではないか。

特に前半はジャブを何回も打てていた。ただ、ピッチに出ている11人がどのタイミングでどのスペースを取るかという共有がなかなか難しかったので、そこをどこで擦り合わせるべきか。練習なのか、フィードバックなのか。個人的にやるのにも限度があるが、プロである以上は矢印を自分に向けてやるべきだと思うので、難しいがトライし続けるということはやめたくない。

——守備の方はどうだったか。

こういう戦いをすると見えるものが課題として出てくる。後ろのスライドはどうだったのかとか、すごくスタミナを使う守備のやり方だった中で集中力はどうだったのかとか。1失点目も2失点目もそういうところが欠けていたから起きた現象だったのではないか。いままでにないかたちでの失点だった。これは軽い失点ではなく、集中力の欠けたところで隙を突かれたというところ。何のために後ろ3人が出ているのか、そこは僕も含めてひとりひとりが認識しなくてはならないところだと思う。

——相手の前線の選手が落ちて起点を作られる課題が続いたが、中盤として対策できそうなところは。

もっとボールに、相手の懐まで入るべきシーンが何回かあった。リスクをかけているぶん、そういうシーンは出てきてしまうので、そういったところで僕らの強みである走力を生かしてカバーしていければと思うのだが、その回数を、今日の前半は2回あったのでそこをどれだけ減らしていけるか。5回中の2回で3回は防げたけれど、というところで、僕らが意図的に狙って空けたスペースに相手に縦パスや横パスを入れさせ、そこで全員でボールを奪う認識を持たなくてはならない。もっとサッカーIQというか戦術的なところで勉強しなくてはならないと感じた。

——この試合に限った話ではなく、今後もこういう戦い方の幅を、チームとして持っていくという理解でいいか。

プロである以上は結果がすべてなので、そこのいい塩梅を探しながら。いまのサッカーに順応することはもちろん大事だし、それでも忘れてはいけない、プロとしてやっていかなくてはならないところ、プロサッカー選手としてサポーターに見せなくてはならないところ、小さい子供に夢を与えなくてはならないところ。そういうところで大分トリニータはこういうサッカーをしているんだというのを、自信を持ってやっていくことが、今後の方針にも繋がっていくのかなと思う。