今季初の連勝を期して迎える3連戦の3戦目。秋田の“徹底”に対抗せよ

ハードだった2度目の3連戦も、今節で終了。片野坂知宏監督は負傷者の復帰を心底待ちながらコーチ陣とアイデアを巡らせ、戦力をやりくりしながら相手を上回るプランを練り続けている。
　
それが特に奏功したのが、前節・群馬戦だった。前半は相手の特徴的な攻撃に対し、デザインした組織的守備で対応。セットプレーから相手のオウンゴールを誘って先制すると、後半は追撃する相手に傾いた流れを、選手交代によって引き戻した。後半アディショナルタイムの渡邉新太の追加点により接戦を制して0-2で勝利。雨のアウェイゲームで得た勝点3は大きな収穫となった。
　
それでも、優位だった前半のうちに追加点が取れなかったことや、相手がハイプレスをかけてきた後半、それを剥がしたり背後を突いたり出来なかったことなどには課題が残る。引き続き修正を繰り返しながら練度を高めていくのみだ。
　

5日の公開練習は、群馬戦先発組とそれ以外のメンバーが分かれて実施。それぞれコンディション調整と基礎力向上に力を注いだ。
　
選手の離脱と復帰の状況も気になるところだが、今季初の連勝を狙う今節。ここまでリーグ戦8試合を終えて5試合で無失点と、失点数の少なさが、成長途上のチームを支えている。前線から連動するプレッシングによって相手の選択肢を削り、剥がされればプレスバックも含めて即座に戻る。そのフィルターも通過してきた相手の攻撃には安藤智哉と藤原優大の好調な2CBが対応し、最後は今季ファインセーブを連発している守護神・濵田太郎が食い止めてきた。
　
両ゴール前の強度がポイントとなる、今節の秋田との対戦。吉田謙監督がJ3時代から築き上げてきたゴールへの矢印を徹底する秋田の攻撃は、とにかく相手ゴール前のシーンを増やそうとボールを送り込んでくる。まずは自由に配球させないことと、蹴られたあとのセカンドボール対応、ゴールを割らせない守備が重要だ。セカンドボールを収めたら、こちらも的確な判断で前に運びたい。相手にボールを持たれる時間を、出来るだけ作りたくない。
　
大分はホームでここまで1勝3分。勝点1止まりが多かったが無敗を継続しており、前節からの連勝とともにホームでの2勝目を遂げたいところ。一方の秋田はアウェイで1勝3敗と勝率が良くない中で、アウェイ戦2勝目を狙ってくるはずだ。おそらく今節もタフなゲームになる。
　

■片野坂知宏監督
　
秋田は吉田監督が徹底していて、やりたいこと、やるべきことがはっきりしているので、そこに力を注げる。そういうチームはいいチームだと思う。つねに矢印を前に向け、ノーリスクでリアクションが早い。J2でずっと残留し勝点を取ってきているチームの戦い方。それをどう自分たちのフットボールに持っていけるかが大事。向こうの土俵には乗りたくないが、乗ったとしても、そういうこともやってほしい。相手がそういう部分で戦ってくる中で、そこで負けないことも大事。
　
勝たなくてはならない相手。そのためにどう戦うかを合わせていく。まずは負けない試合をすること。選手が試合に向けて戦って勝利を目指す姿勢を見せることが、またスタンドの熱狂や応援に来てくださることに繋がる。結果もそういう中で勝てるのがベスト。必ず勝点を取るゲームをしたい。3連戦ラストをいいかたちで勝てればと思う。クラブ設立30周年記念マッチだし春休み最後のゲームなので勝って次への勢いをつけたい。
　
■FW 93 長沢駿
　
前節はアウェイで難しい状況だったが、勝てたことがいちばんよかった。それによってチームの自信になるし勢いにも繋がってくる。秋田は特徴的なスタイルで、割り切ってサッカーをしてくるチームなので、難しい試合になると思う。セカンドボールがどちらに転ぶかという勝負になると思うので、上手く体を張って受けたい。
　
■FW 11 渡邉新太
　
おそらく秋田もプレスをかけてくるし、蹴ってもくるので、セカンドボールの拾い合いで負けないことが重要。あとはしっかりボールを握って相手を深い位置で押し込めればチャンスになる。相手は大きくクリアしたボールをガチャガチャやることを狙ってくるので、それをさせないためにも押し込んだ状態から回収することを繰り返していく。あとは押し込んでからのクオリティーが大事。初めのチャンスを決めれば勝利に繋がる。