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試合レポート

那須川の先制弾で流れを引き寄せ4得点圧勝。隙なき連動で主導権を握る

 

前節の岐阜戦に続き3-5-2システムで臨んだ明治安田J2第27節H新潟戦。攻守に隙なく呼吸を合わせたチームは完全に主導権を掌握し、4得点無失点の圧勝で6戦ぶりの連勝をものにした。

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新たな手段で引いた相手を攻略

 
連敗中の新潟は、ブロックを構えて試合に入った。サイド攻撃に備えて枚数を合わせるように、立ち上がりは右SHの戸嶋祥郎が守備時は最終ラインまで落ちてスライドし、5-3-2の壁を形成した。
 
ここ最近は構えた相手に苦戦する傾向の強かった大分だが、システムとメンバーを変えたことにより、その課題が解消されつつあることが見て取れた。3ボランチの1枚が前線に関わったりサイドと連係したりしながら、相手ブロックの中へ外へとボールと人が出入りする。伊佐耕平や三平和司のシュート、松本怜を軸に岩田智輝や小手川宏基も絡む右サイドからの攻撃などでチャンスを作った。
 
先制は32分。中央での細かいパス回しにより相手を引きつけたことで左サイドでフリーになっていた那須川将大へと、前田凌佑がボールを出す。那須川がゴール前を確認して送ったボールは、クロス対応のポジションを取っていた相手GK大谷幸輝の指先を越えてゴール右隅を揺らした。
 
この先制点が、引いていた相手を前へと駆り出した。新潟は矢野貴章をターゲットにフィードを入れたり安田理大が攻め上がったりと力強い反撃を試みるが、立ち上がりに高木駿がファインセーブで危機をしのいだのを皮切りに、矢野に対しては守備陣が体を張って守り、セカンドボールもケア。ボールを奪えば相手の空けたスペースを使って素早く攻め返した。守備時は横のスライドだけでなくFWが下りたりCBが前に出たりと縦方向の連動にも隙がなかった。
 

主導権を握って圧巻の4得点

 
38分には岩田がドリブルで中央突破したところから伊佐がシュートするが、ポストに阻まれる。攻めながら1-0で折り返し、新潟が反撃に出るかと思った後半立ち上がり早々に、大分に追加点が生まれた。三平のキックオフを鈴木義宜が前に送ると伊佐が落とし、それを拾った松本が大外から追い越した小手川に託すと、そのグラウンダークロスを伊佐がスルーした奥で三平が流し込んだ。相手に触らせることなく、あっというまの出来事だった。
 
さらに51分には再び右サイドから崩し、今度は丸谷拓也の斜めのパスに抜け出して三平がシュート。GKの脇を抜くコースに安田も走り込んでいたが、掻き出すことはできずに大分3点目。
 
セットプレーでもチャンスを量産し、完全に大分の流れになった58分、新潟は田中達也を下げ河田篤秀を投入し前線に力強さを加える。さらに62分には高木善朗を渡邊凌磨に交代。だが、パワーで追撃する試みは逆に攻撃の単調化を生み、大分としては守りやすい展開となった。
 
67分、岩田の縦パスを相手の背後で収めた三平の横パスを小手川が軽やかに流し込んで4点目。勝敗は決したに見えていたが、片野坂知宏監督は慎重にカードを切り、68分に伊佐を林容平へ、77分に三平を馬場賢治へとチェンジして攻守の強度を保つ。80分に新潟がボランチ加藤大を下げてターレスを前線に送り込むと見ると、同時に那須川を下げて新戦力の長身CB岡野洵を投入。岡野を右CBに置いてターレスと矢野との空中戦に備え、岩田を一列上げて松本を左WBに回して対応した。
 

チームの底上げが結実しつつある

 
81分には林の落としを前田がシュートするも大谷にキャッチされる。逆に82分の河田のシュートは高木駿が阻んだ。直後にもターレスにシュートを放たれるがサイドネット。岩田の仕掛けで得たFKを小手川が蹴り岡野がヘディングシュートするなど、終盤は激しく攻め合う展開となったが、新潟に関しては遅きに失した感が否めず、最後まで攻めの姿勢を貫く大分が無失点で勝点3をものにした。
 
前節の岐阜戦から唯一、星雄次に代わって出場した那須川の今季初ゴールが流れを引き寄せ、そこから絡め取るように自分たちのペースへと持ち込んでいった試合運び。流動的な大分の選手をつかまえきれずに振り回され、追いつこうと前がかりになって背後を使われた新潟の出来も決してよくはなかったが、そういう状況を作った全員の仕事ぶりは見事だ。
 
特に小手川・前田の戦術理解度の高さと運動量、岩田のアグレッシブさは出色だった。得点という結果を出した那須川と三平はもちろん、得点こそなかったが攻守に貢献した伊佐の働きも欠かせなかった。ここまで出場機会の少なかったメンバーが結果を出していることを指揮官も喜び、「選手たちを誇りに思う」と讃えた。
 
これまでのスタイルを研究され対策されるようになったところから、もう一段階上のフェーズへ。細部を突き詰めて進化するチームは、連勝で再浮上の兆しを示した。
 

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