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試合レポート

相手の力量に圧されつつもハマタロー、ビッグセーブ連発。勝点1を積む

 

J1からの降格組・横浜FCのタレント力に苦しめられつつ、守護神のビッグセーブ連発にも助けられながら守備には一定の手応え。負傷者の多さは悩ましいところだが、攻撃の課題はさらに突き詰めていけそうだ。

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立ち上がりからミスマッチを突き合う

決定機としては相手のほうが多く、特に後半途中からは横浜FCが上回る時間帯が長かった中で、0-0で勝点1ずつを積むにとどまったことに関しては、相手のほうが悔しさを噛み締める結果だったかもしれない。
 
立ち上がりから今季初先発の伊佐耕平と中川寛斗がアグレッシブなハイプレスで相手のパスコースを制限し、弓場将輝と保田堅心もセカンドボールを拾って、今日はユーリ・ララと和田拓也のダブルボランチとの激しい主導権争いを演じながら、互いに攻め合う展開となった。
 
前線に積極的にボールを送る今季の大分にとって、ボールを収めるのが得意な伊佐が復帰してスタートから走れることには期待感があった。3バックの相手に対しミスマッチを突いていく心算も出来ていたのだが、幅を使って攻める相手に寄せたぶん攻撃に転じた瞬間の距離が開き気味で、伊佐のポストプレーや中盤でのセカンドボール奪取からの速い攻撃が、なかなか繰り出せない。
 
横浜FCの3バックのうち左の福森晃斗の裏を松尾勇佑が何度も狙うが、周囲もそれを警戒して簡単にはやらせてくれず。コンビネーションと推進力を生かして攻める横浜FCは9分、福森のサイドチェンジを山根永遠が受け、カプリーニが森海渡に預けてからシュートして枠の上。14分には中野嘉大が浮き球に抜け出しGKと1対1の絶好機を築くが、濵田太郎が我慢強くコースを切ったため弾道は枠の右へと逸れた。16分には中川と協力してボールを奪った松尾がシュートするが市川暉記に押さえられる。33分には前のプレーで負傷していたガブリエウがプレー続行不可能となり急遽、岩武克弥が呼ばれて、横浜FCの3バックは右から岩武、ンドカ・ボニフェイス、福森の並びとなる。

後半の選手交代で相手に傾いた流れ

安藤智哉と藤原優大の2CBを中心に香川勇気と野嶽惇也が綻びを作らず、ピンチとなれば弓場も素晴らしいカバーリングで対応する守備で、前半の被シュート数は3本にとどまった。一方でこちらのシュートも2本止まり。
 
後半の立ち上がりにはスペースの使い方を修正した大分が横浜FCを押し込む時間帯を作る。前節のビハインドの状況とは異なり、スコアレスで一進一退を繰り返す戦況の中でカードを切るタイミングを見極めていた片野坂知宏監督だったが、そんな59分、伊佐と中川を長沢駿と宇津元伸弥に代え、システムを2トップに変更して得点を狙いに行った。
 
そうはさせじと64分には四方田修平監督が3枚替え。森、中野、武田を櫻川ソロモン、小川慶治朗、中村拓海にチェンジすると、山根を左に移し、中村を右WBに配置した。伊佐と中川のプレッシングがなくなったことと相手のタレントとの力量差により、戦況は横浜FCへと傾く。68分には横浜FCがボールを動かして大分を押し込み、最後は櫻川がシュートを放ったが、ここでも濵田がビッグセーブでピンチをしのいだ。

ハマタローPK阻止。均衡を崩さず

長沢や宇津元も押し込まれて守備に追われるようになり、片野坂監督は71分、松尾に代えて薩川淳貴を投入。薩川を左SHに入れ、野村直輝がトップ下、宇津元が右SHという2列目の並びとした。野村がダブルボランチと絡みながら長沢の周囲でチャンスを作る目論見はある程度は機能したが、相手ペースから盛り返すまでには至らない。
 
74分、薩川が岩武を倒したのがエリア内判定となり、PKを献上。万事休すかに思われたが、櫻川のPKを横っ跳びで掻き出して、またも濵田がチームを救った。驚くことに、濵田はたまたま試合前に、昨季のJ2第29節・岡山対町田の試合で櫻川のPKをポープ・ウィリアムが止める場面の映像を見ていたという。「それを見ようと思ったわけではなくて、ポープくんのプレーを見ていたら、たまたま」。濵田はそのシーンから、コースの傾向よりも心理戦の駆け引きを感じていた。「チャンスはある」と読み、予想したほうへ全力で跳んだら手が届いた、と試合後に明かしてくれた。
 
81分にはカプリーニに運ばれたところから左サイドで起点を作られ小川のクロスにユーリ・ララが頭で合わせて枠外。櫻川を目掛けて再三送り込まれるボールを安藤や藤原が跳ね返しながらしのぐ中、83分には弓場がセンターサークル付近でボールを奪ってカウンターで抜け出すが、ンドカに対応された。だが、ラインを上げたところから84分には保田がエリア内でボールを受けシュート。その左CKの流れから弓場が頑張り保田がエリア内で転倒するもホイッスルは鳴らず。藤原のサイドチェンジを山根に収められ櫻川のカウンター発動と、ゲームはどちらに転ぶかわからないオープンな終盤となった。86分には藤原が相手ゴール前にまで持ち上がる気迫も見せる。

攻守のバランスを保ちながら勝利を狙いに行ったが…

息詰まる攻防は最終盤へと傾れ込んだ。怪我人が多い大分のベンチに残っているフィールドプレーヤーはペレイラ、小酒井新大、佐藤丈晟だ。ホームでは勝ちに行きたいところで、切りたいのは攻撃のカード。だが、小酒井も佐藤も相手選手に比べてまだ経験値が低く、個のプレー強度で上回ることも難しいと指揮官は悩んだ。だが、選手たちに疲労が見える中、このまま行けば失点する可能性も十分に考えられる。
 
87分、勝利への最後のひと押しにと、同時に両ベンチが動いた。横浜FCはカプリーニに代えて伊藤翔。大分は弓場を小酒井に、野村を佐藤にチェンジして、ともにカードを使い切る。大分は相手に枚数を合わせるシステム変更。藤原、安藤、香川の3バックに野嶽と薩川がWB、長沢の下に佐藤と宇津元の2シャドー。マッチアップさせることで守備を明確にしつつ、ワンチャンスでゴールを狙いに行く戦略だった。
 
89分には薩川が自分を挟む2人を抜く個人技。そのこぼれを相手と競り合い拾った保田が前への推進力を見せる。90+1分には長沢のスルーパスを受けた宇津元が左サイド25m付近で倒されFKを獲得。保田のキックに長沢が反応したが、オフサイドだった。逆に90+5分には横浜FCが、福森の左CKからの流れでオフサイドを取られる。最後に薩川が送ったクロスも長沢には合わず、5分のアディショナルタイムは尽きた。ともに今季初勝利を期した両軍のぶつかり合いは、スコアレスドローの痛み分けに終わった。
 
前節の4バックの相手とは異なる3バックの相手とのマッチアップで攻撃の課題は残りつつも、守備には手応えを得た一戦。中3日でルヴァンカップ・北九州戦を挟み、次節はやはり3-4-2-1の藤枝との対戦だ。

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