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試合レポート

大雨のアウェイで最低限の勝点1。白星には届かなかったが繋げたい収穫も

 

4試合ぶりの得点で先制するも一瞬の隙を突かれ追いつかれた。断続的な雨とも戦いながら、試合は1-1での痛み分け。これで12試合未勝利となったが、次に繋げたい収穫も掴んだ一戦だった。

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岡本を中心とした守備組織で挑む

朝から豪雨に見舞われた藤枝地方。スタジアムの駐車場の一部が使用できなくなるほどの雨量となった。試合開始前から前半にかけては止んでいたが、後半は大降りと小休止を短いサイクルで断続的に繰り返す難しい天候に悩まされることに。
 
そんなタフな環境での3-4-2-1同士のミラーゲーム。想定どおり藤枝がボールを握って動かし、大分は守勢に回る展開となった。ただ、加入したばかりの岡本拓也が初の公式戦でディフェンスリーダーを務める守備はよくオーガナイズされており、5-4-1のブロックを構えながらもこまめにスライドしつつ球際に寄せて、背後を狙ってくる藤枝の攻撃に対しても押し下げられたり重心が低くなったりしないように保たれていた。
 
10分には自陣で中川創にパスカットされたところから攻め込まれ、岡澤昂星のクサビを受けた中川風希に前を向かれてシュートを許したが、デルランが体を投げ出してブロック。それで与えた右CKの流れからも矢村健にボレーシュートされたが、今度は枠上に逸れた。

 

天笠弾で先制も一瞬の隙で追いつかれる

大分はグレイソンをターゲットに攻めるが、空中戦ではほぼ相手CBに上回られ、セカンドボールへの反応でも後手に回りがちに。藤枝にボールを動かされる中、セットプレーを与えることも多くなり、前々節のいわき戦の展開が思い出されたが、先制はワンチャンスをものにした大分だった。22分、𠮷田真那斗のロングスローをゴール前で競ったデルランがスペースに落とし、そこに勢いよく走り込んできた天笠泰輝が右足でシュート。低く押さえた弾道は直線的にゴール右隅に突き刺さった。待ちに待った天笠の今季初ゴールで、チームとしては4試合ぶりの得点。伊佐耕平が真っ先にベンチから飛び出して全員で披露したゆりかごパフォーマンスは、先日、長男が誕生して初めてパパとなった戸根一誓のためのものだった。
 
31分には世瀬啓人のロングフィードに矢村が抜け出そうとするが、ペレイラが先に触って濵田太郎がギリギリで押さえる。39分にはセカンドボールを拾った天笠がグレイソンに出し、グレイソンも間髪入れずにゴールを狙ったが右足シュートは枠の左へ。
 
だが、その直後、藤枝に同点弾を奪われる。ボールを持って出しどころを探す世瀬に対し、大分はコースを切って配球を阻むが、世瀬のバックパスを楠本卓海が右へ展開すると、久富良輔が斜めのクサビ。ペナルティーアークあたりでそれに反応した浅倉廉にワンタッチで流し込まれた。勢いづいた藤枝は41分にシマブク・カズヨシがシュートしてデルランが対応。44分には自陣で大分の攻撃を食い止めたところから最後は中川風希がシュートして濵田がしのいだ。

 

後半は激しい雨中の死闘に

後半は断続的な激しい雨に苛まれながらのせめぎ合い。大分の守備網を攻略しようと、藤枝は矢村と中川風希、浅倉らが流動性を増して掻き回すようになった。
 
49分、三竿雄斗のFKにグレイソンが合わせたが北村海チディにキャッチされる。51分には池田廉が相手陣でパスカットしてショートカウンターを発動。エリア内で受けたグレイソンは素早い対応に遭うが、三竿が粘って池田がパスを阻まれたこぼれ球を再び三竿が拾うと、ゴール前に入っていた𠮷田真那斗へとパス。ビッグチャンスだったが、シュートまでは打てなかった。一方の藤枝も得点機を生かせず、大分の守備を前に攻めあぐねる様子を見せる。
 
60分、先に須藤大輔監督が動き、中川風希に代えてアンデルソンを送り込む。62分には竹中穣監督も野嶽惇也に代えて落合陸を投入し、池田をボランチに下げて落合を左シャドーに配置した。

 

少しずつ攻撃に共通認識と再現性が生まれている

65分には相手の左サイドのパス交換に緩みが生じた隙を突いて天笠が攻め上がり、グレイソンにパス。藤枝守備陣が寄せてくる中でグレイソンは時間を作ろうとしたが味方の上がりが遅く、自らシュートして北村にキャッチされる。68分には藤枝のFKの流れから久富にシュートされるが枠の上。
 
雨による疲労もあるのか、ミラーゲームで間を突き合う激しい攻防の中で、互いにプレー精度を欠く後半半ば。藤枝も少し構えがちになった中で、大分主導で立ち位置をずらしながら池田や落合、天笠らがパス交換しながら攻撃のリズムを作り出していた74分、池田が相手守備網の中を落合とパス交換しながらスルスルと上がっていくと中央のグレイソンへと浮き球パス。グレイソンがワンタッチで落としたところにはまたも𠮷田が抜け出そうとしていたのだが、上手く合わせきれずに左に逸れた。決定機は仕留めきれなかったものの、右肩上がりのスライドで𠮷田にチャンスが生まれるかたちを複数回作れており、攻撃に再現性が芽生えはじめていることが感じられるシーンでもあった。
 
75分、大分は𠮷田を茂平に、池田を小酒井新大に2枚替え。79分には藤枝が久富を森侑里、世瀬を杉田真彦、シマブクを金子翔太に3枚替えすると、同時に大分も三竿を宇津元伸弥、天笠を鮎川峻に代えして、ともにこのハードな一戦の終盤、たたみかける態勢を整える。

 

最後まで集中を切らさなかった守備

途中出場の選手たちも含めて集中を切らさず、藤枝のパスコースを切り続ける大分。藤枝もなんとか大分を攻略しようと攻めるが、84分の金子のクロスに合わせた矢村のヘディングはファーへと流れた。84分には岡澤に代え梶川諒太を入れて攻撃のアイデアをもたらそうとしたり、森のロングスローから得点機を狙ったりする藤枝だが、岡本を中心とした大分の守備は終盤になっても崩れない。
 
4分のアディショナルタイムにはその岡本が足をつり、しばし数的不利で戦うことになったが、なんとかその時間をしのぐと、竹中監督はデルランとペレイラの2CBに茂と宇津元のSB、鮎川と落合のSHの4-4-2とし、岡本をグレイソンとともに最前線に並べてスクランブル体制。岡本はそれでも懸命にパスコースを切り、ついに時間を使い切って、試合は1-1で終了した。
 
残留争いには巻き込まれたくない藤枝と、降格ラインから遠ざかりたい大分。それぞれに切実に勝点3を積みたい状況での対戦だったが、痛み分けの結果に。ただ、岡本を中心とした守備組織の構築や経験値の高さを感じさせる三竿のプレー、9試合ぶりに先発した池田をはじめ選手個々が徐々に長所を生かしはじめている点など、大分としては収穫も見えた試合。須藤監督体制5シーズンの積み上げのある藤枝に対し、現状のチーム状態でアウェイでの勝点1は、最低限でしかないが、次に繋げたい結果だったとも言えるのではないだろうか。

一誓パパおめでとう

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