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試合レポート

交代策が流れを変え、山口初弾&清武復活弾で2連勝

 

2戦連続の2得点無失点で開幕2連勝。指揮官の采配があたり山口の大分初得点、レジェンドのダメ押し弾も生まれ、チームは確かな前進を見せた。

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相手陣に攻め込んだ立ち上がり

前節の北九州戦に続く、2-0での勝利。とは言っても、前節とは全く異なった内容の試合で、四方田修平監督は試合後に「今日の試合は前節とは違うゲームになったし、ひとつの経験をチームとして積み上げる試合になった」と振り返った。
 
大分は前節と同じ先発メンバー。一方の鳥取はGKをはじめとする3人を入れ替えてスタートした。立ち上がりは大分がボールを動かして鳥取陣内へと攻め込み、チャンスを量産する。同じ陣形の相手に対し、多彩な工夫で攻略にかかった。前節よりも自由に動き回るようになったパトリッキ・ヴェロンが細かく組み立てに加わり宇津元伸弥がクロスを送ったり、戸根一誓がキム・ヒョンウへと長いクサビを通したりと、さまざまな攻撃を繰り出すが、鳥取のほうも前節の宮崎戦の反省を踏まえ、5枚のブロックで自陣を固めて跳ね返し続けた。
 
大分が鳥取の守備を崩しきれずにいるうちに、鳥取も徐々に大分のスピードや強度に慣れてきた様子で、20分前後からはボールを握るようになる。林健太郎監督はその流れをこう分析した。
 
「きれいにという言い方は語弊があるかもしれないですけど、僕の価値観の中では大分さんはすごくきちんとサッカーをしてくるチームだったので、そういった意味でも、ここに人が立っているとかここにボールを動かしてくるというのを、選手たちが上手く感じ取れたのかなと思います。もう少しアバウトなところで来られると個々の力量差がより顕著に出はじめてしまう。これは相手との兼ね合いで、今日の大分さんに対する守備では、上手く選手が適応してくれました」

 

崩しきれずにスコアレスで折り返す

ひとたび鳥取のターンになると、やはりポゼッションを得意とするチームだけに、なかなかボールを奪うことが出来ない。フィニッシュの一歩手前まで攻め込まれるシーンが増えたが、ペレイラがしっかり寄せて三木直土に仕事をさせず、その後ろではムン・キョンゴンが危なげなく処理した。17分には中盤でのデュエルから矢島慎也が隙を突いてゴールを狙うが、ムンが対応。温井駿斗からのフィードも、ムンが安定感をもってキャッチした。
 
24分にはキムが起点を作り松尾勇佑が折り返すが相手に阻まれてヴェロンは打てず。30分にはペレイラのクサビを受けたヴェロンがミドルシュートを放って寺沢優太に阻まれた。後方からパスを繋いでキムがエリア内で仕掛けたところから右CKを獲得すると、43分、ヴェロンのキックのこぼれ球を榊原彗悟が収め、狙いすましてシュートを放ったが惜しくもポストに阻まれた。
 
45分に再び右CKのチャンスを得ると、前半アディショナルタイムが0分だったこともあり、ムンも攻撃参加。先制点が試合の流れを大きく左右することが予想される中で、5バックの相手を崩す難しさもあり、なにがなんでも得点を狙いたいという指揮官の意図だったが、またもこぼれ球を収めた榊原のシュートは、枠の右へと逸れた。

 

牙城攻略のため三竿を投入

「これほどまでに鳥取が引いて守るとは思わなかった」という四方田監督は、後半あたまから宮川歩己をベンチに下げ、左CBに三竿雄斗を投入して後ろからの関わりを増やす。右の戸根、左の三竿が崩しに参加すると同時に、シャドーの有働夢叶とヴェロンも、よりボールに関わることで相手を引き出しスペースを生み出すよう指示を受けて送り出された。
 
この修正で戦況は一変し、チャンスの濃度が一気に高まる。57分にはキムが収めてヴェロンがスルーパスを送ったところから宇津元のクロスに松尾が走り込むが、シュートはわずかに枠の左へ。
 
59分には両軍ベンチが同時に動き、大分は有働に代えて清武弘嗣。鳥取は田制裕作に代えて篠田大輝を投入すると、篠田は左シャドーに入り、矢島がボランチへと移った。清武が巧みに立ち位置を取ることで相手が動き、そのスペースを使う小刻みな攻撃が活性化していく。

 

タクミ初ゴール&復活のキヨ弾

先制点の流れは70分、キムがプレスバックしてボールを奪ったところからはじまった。ヴェロンのシュートは寺沢に掻き出されたが、それにより得た右CKを三竿が蹴り、ゴール前密集の中で相手の背後に落ちたところで山口卓己が頭で押し込みネットを揺らす。やや意外なかたちではあったが、山口の加入後初ゴールでチームは勢いづいた。
 
その直前の2枚替えで、宇津元に代わってデビュー戦の山崎太新が、キムに代わって伊佐耕平がピッチに入る。74分には鳥取も、三木を星景虎に、矢島を清水祐輔にチェンジした。
 
77分、山崎を追い越した三竿のクロスは伊佐にわずかに合わず。だが、活性化した左サイドへと清武が流れた79分、追加点が生まれる。ヴェロンとのパス交換を小刻みに繰り返しながら相手の目線をボールへと惹きつけた清武は、その隙を突いて榊原へと配球。榊原のパスを伊佐が落とし、それを再び収めた榊原は、中央へと入ってきた清武にそれを託す。清武のやわらかな右足のワンタッチシュートは、美しい弧を描いてネットを揺らした。レジェンドのビューティフルゴールに、スタジアムが沸く。

 

最後まで攻めさせず無失点達成

両ベンチは82分にも同時にカードを切る。大分はヴェロンに代えて木本真翔。鳥取は荒井涼をムン・ミンに、東條敦輝を小澤秀充に代えて追撃を続けた。
 
まずは1点を目指して攻める鳥取だが、温井の右CKも小澤のシュートもペレイラが防ぎ、結局、鳥取のシュートは17分の矢島と後半アディショナルタイムの小澤の2本のみ。鳥取の追撃を抑え、チームは今節もクリーンシートでの白星を掴んだ。
 
山口の初ゴールに清武復活弾、山崎のプロデビューと大きなトピックが多くなったが、先発したキムや松尾、榊原らの活躍に、四方田監督が途中投入したベテラントリオの存在感も一際目だった一戦だった。
 
チームはここから中2日で、代替開催の第1節・滋賀戦に臨む。その後には中3日で今季初のアウェイゲーム・熊本戦が控えており、選手起用を含めた四方田監督のマネジメントが注目される。このまま勝ちながら課題を得て前進を続けたい。

今節も勝利の女神たち♪