白熱の末にこぼれ落ちた勝点。無念の逆転負け

駆け引きとぶつかり合いが交錯する激戦の中で、相手の戦術的な立ち回りに対応できず、力で上回ることも出来ずに、最後の最後で逆転負けを喫した。有馬復帰という好材料も得た中で、チームはここからどのように力をつけていくか。
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互いにチャンスを築き合う立ち上がり
前々節、アウェイで不甲斐ない戦いをして敗れた相手へのリベンジを期した一戦。山口との3-4-2-1同士のミラーゲームは、立ち上がりから互いにゴールへの矢印を強く打ち出し、同時に相手の攻撃を阻み合う、激しい様相を呈した。
ボールを奪うと素早く前を目指す両軍は、それぞれにチャンスを築く。8分には山口がカウンターを発動。田邉光平がボールを運び藤岡浩介がペナルティーエリア手前からシュートを放つが、サイドネットを揺らすにとどまる。10分には大分がカウンター。だが、木許太賀のパスを受けた𠮷田真那斗のクロスは味方に合わない。キム・ヒョンウを軸にセットプレーのチャンスも多く得ながら攻める大分と、相手の間でボールを繋いで素早くゴールに迫る山口との攻め合いとなる。

OGを誘って先制するも直後に追いつかれる
対人勝率の高い𠮷田を生かして攻める大分に対し、山口は次第にその背後を狙うように。前回対戦では逆サイドで多く見られたように、ボランチの1枚が最終ラインに落ちて今節は左サイドを押し上げ、CBの大岩一貴が高い位置、WBの小澤亮太がインサイドを取ってローテーションしながら数的優位の状況を演出。シャドーの藤岡がボールを収めて起点を作り、大分を押し込みはじめた。
19分には古川大悟のクロスをペレイラがクリア。21分には田邉のシュートが枠の左。劣勢を強いられる大分だったが、キムを軸に攻めてFKやCKの好機を得ると、31分、そのチャンスを生かして先制に成功する。三竿雄斗の高精度の右CKはゴール前密集で相手のオウンゴールを誘った。
だが、3分後には山口に追いつかれる。クリアしきれずに小澤にクロスを送られ、エリア内でも弾き返せずに後手に回っていたところへ走り込んできた藤岡に押し込まれ、スコアは早々に振り出しに戻った。

選手交代を交えて続く激戦
その後も攻め合いながら1-1で折り返すと、後半は修正した山口がペースを握る。立ち上がりには立て続けにクロスを入れられたが、三竿がクリア。55分には木許太賀がシュートチャンスを迎えたが、喜岡佳太にブロックされた。
四方田修平監督は62分、木本真翔に代えて左シャドーに有馬幸太郎を投入。長期のリハビリを乗り越えて、背番号9がピッチに返ってきた。64分には小田切道治監督が3枚替え。田所莉旺、三沢直人、藤岡がベンチに下がり、峰田祐哉、成岡輝瑠、小林成豪が入った。
66分にはキムのシュートが枠の左。その直後に小林のシュートをペレイラがブロック。ペレイラは70分にも渾身の守備で山口のカウンターを阻止する。

復帰の有馬も好機の軸となるが…
73分には両軍ベンチが同時に動いた。大分はキムと山口卓己に代えて有働夢叶と野嶽惇也を投入し、有働が左シャドー、有馬が1トップに入る。山口は中島賢星に代えて野寄和哉。野寄も負傷からの復帰戦だ。
76分には有馬のシュートが大岩一貴にブロックされ、こぼれ球に反応した木許のシュートは飯田雅浩にセーブされる。続いて放った有働のシュートはまたも大岩にブロックされた。
互いにカウンターを打ち合いながら激しい展開のままなだれ込んだ終盤。大分は79分、𠮷田と木許を松尾勇佑と伊佐耕平にチェンジ。伊佐が1トップに入り、再び有馬はシャドーに配置される。81分には山口が古川を山本駿亮に代え、ともにタフなゲームを最後まで乗り切れるよう、鮮度を維持した。
80分には三竿の右CKからペレイラのヘディングシュートがわずかにバーの上。85分には有馬が体の強さを生かしてボールを収めシュートにまで持ち込んだが、飯田に処理された。

課題は最後のキワかそれ以前の部分か
オープンに攻め合い守り合う最終盤の死闘状態。89分、CKの流れから山口の攻撃が続き、大分は全員がゴール前を固めながら伊佐のクリアなどで跳ね返し続ける。だが、90分、大岩のショートCKから野寄にクロスを入れられ、競り合ったボールをまたもクリアしきれずに、こぼれたところを峰田に沈められて、土壇場での逆転を許す。
アディショナルタイム3分も時間を使われ、最後の最後で残念な幕切れ。前回対戦のリベンジを遂げることが出来ず、チームは悔しい思いを噛み締めることになった。
気持ちを高めて球際で戦うことは出来ていたが、山口の可変や巧みなボール運びに戦術的に後手を踏み、それに対応しきれないまま、ペレイラの個の守備力でその皺寄せをカバーし続けた結果だった。相手の変化に対応する修正力も、それを封じ込めるほどの攻撃力も出せなかった試合。一方では有馬の復帰という大きな好材料を得た中で、残り8試合でどこまで地力を引き上げられるかが問われる。




