全員で押し込み最後はパト復活弾。一体感がもたらした4戦ぶりの白星

タイトな日程の中、先発9人を入れ替え、明快な相手対策を共有して入った試合。ピッチで細やかにコミュニケーションを取りながら、粘り強さと連係を生かし、4戦ぶりの勝利を掴み取った。
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明快に指示された鹿児島対策
5連戦の4戦目、前節の北九州戦から中2日でのアウェイ連戦。そんな第15節・鹿児島戦に、四方田修平監督は先発9人を入れ替えて臨んだ。
攻撃では屈強なターゲットを配置した前線への長いボールを多用し、球際強く戦ってくる鹿児島。ボールサイドに人数をかける激しい守備をベースに前への矢印を強く描き出す明確なスタイルを誇る相手に対し、指揮官は「相手の前への矢印をいかに裏返せるかというところの切り替えとセカンドボール対応。あとは揺さぶること」という明快な指示を徹底して選手たちを送り出した。

立ち上がりは攻め合うもその後は潰し合いに
立ち上がりからチャンスを作る両軍。5分には野嶽惇也のインターセプトから伊佐耕平が左サイドに抜け出し、負傷からの復帰戦となったパトリッキ・ヴェロンがエリア内にボールを送る。走り込んだ宇津元伸弥には惜しくも合わなかったが、自陣から素早く攻めた好感触なシーンだった。6分には鹿児島も、中盤の競り合いから嵯峨理久がアバウトに送った浮き球に反応して河村慶人が足を振り枠の上。10分には榊原彗悟が自陣からセカンドボールをダイレクトで𠮷田真那斗に展開し、𠮷田の突破から押し込んで最後は宮川歩己のクロスに伊佐が頭で合わせて枠上へ。
その後は互いに守備意識が前面に出た潰し合いの展開となるが、攻撃に転じると流動的に動く大分に対し、鹿児島は守備の的を絞りきれない。ただ、大分も相手の間に顔を出しながらポゼッションして押し込む時間は作るものの、クロスやラストパスの精度を欠いてなかなかフィニッシュにまでは至らず。前線に送り込まれるボールに対しては、ペレイラや宮川が体を張った。

堅い展開をやや優位に進めた大分
39分には有馬幸太郎が自陣右サイドでキープし、それを榊原が三竿雄斗に託すと、三竿は宇津元に預けてオーバーラップ。深くえぐってのクロスは相手に掻き出され、そこに走り込んだ𠮷田がシュートしたが枠上に逸れた。
結局、前半のシュートは大分が伊佐と𠮷田の2本、鹿児島が河村の1本のみ。ただ、鹿児島の圧を受けない立ち位置を取りながら背後を狙う大分のほうが、やや優位に立っている様相を呈しながら、試合はスコアレスで折り返した。

組織的に押し込み最後はパトの復活弾
後半は鹿児島が圧を強める。46分、クリアボールを拾った杉井颯のクロスに中山桂吾が飛び込んで枠上へ。最後まで体を寄せ続けた三竿が相手に自由を許さなかった。53分にはセンターサークル付近からのヴェロンの浮き球を有馬が収めエリア内まで持ち込むが、体を張る相手に阻まれた。
徐々に大分を押し込む時間を増やし距離感を改善した鹿児島。63分にはセカンドボールに反応して嵯峨が直接左足を振って枠の上。鹿児島のほうも大分の粘り強い守備に精度を欠いた。
そして65分、ついに大分がスコアを動かす。宮川の大きなサイドチェンジを宇津元が収め、三竿がインナーラップする傍らヴェロンに託す。ヴェロンのボールは榊原を経由して再び右サイドでフリーになっていた𠮷田の元へ。追い越した宮川がフリーで送った山なりのクロスはGKの目測を狂わせファンブル。こぼれ球に相手が触るより前に宇津元がそれを落とし、ヴェロンが自慢の左足でゴールへと突き刺した。

相手の追撃を退け4戦ぶりに勝利
68分、鹿児島は河村と圓道将良を武星弥と福田望久斗に2枚替え。さらに76分には中山を有田稜、藤村慶太を梅木翔斗、村松航太を青木義孝に3枚替えして追撃態勢を強めた。ピッチに入った直後、早速梅木の浮き球に有田が頭で合わせて枠の左へ。
大分も77分、伊佐をキム・ヒョンウ、ヴェロンを木本真翔に交代して鹿児島の追撃に対応した。激しい攻防が続く中、84分にはセカンドボールを拾った武のシュートがポストを叩くという紙一重のピンチもあったが、後半は9本のシュートを打たれながらも、ピンチらしいピンチはさほどなく、相手CKも危なげなく掻き出したりムン・キョンゴンがキャッチしたりと、安定感をもってゴールは割らせない。
88分には榊原を山口卓己に代え、90+1分には𠮷田を岡本拓也に代えて、岡本の強靭なフィジカルにも助けられながら2分のアディショナルタイムを使い切ると、4試合ぶりの白星。連敗を3でストップした。



