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試合レポート

悔やまれる前半の停滞。3枚替えで主導権を握るも1点が遠く連敗を喫す

 

相手のマンマークに対応できず、修正できずに過ごした前半。後半は選手交代を伴う修正で反撃に出たが、1点が遠く、前半の1失点を取り返せずに敗れた。

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立ち上がりは勢いよく入ったが…

勢いよく攻めた立ち上がりには、セットプレーのチャンスを多く獲得。8分には左サイドから攻略して木本真翔もシュートを放ったが、いずれも得点には繋がらなかった。
 
そんな9分、一瞬の隙から先制点を奪われる。ムン・キョンゴンのゴールキックを木本が収めようとしたところで根岸恵汰に奪われ、藤井皓也に運ばれる。展開を受けた大本祐槻のクロスが木本の背に当たって軌道を変え、上村周平の足元へ。榊原彗悟らも慌ててコースを切りに体を投げ出したが間に合わず、絶妙なトラップから左足でゴールネットを揺らされてしまった。
 
早々にビハインドとなって向き合う試合。だが、勢いづいた熊本を前に、大分は一転、混迷に陥る。

 

修正できずにただ過ぎた前半

予想どおり、熊本はマンマークディフェンスで大分の攻撃を阻んできた。大分はビルドアップでプレス回避を試みる後方と、高い位置を取りたい前線との間で意思疎通が図れず、陣形が間延びする。受けに下りる選手がいないため、前線に長いボールを送ることになるが、大分の1トップ2シャドーに対しては熊本の3バックががっちりマーク。特にターゲットとなる有馬幸太郎と木本は李泰河と薬師田澪の強固な守備に自由を奪われ、ボールを収めることが出来ない。
 
セカンドボールへの反応も熊本のほうが早く、カウンターを受ける繰り返しとなる。相手のボランチもプレスをかけに出ているため、大分のシャドーの周辺にはスペースがあるのだが、配球の質と前線のポジショニングも噛み合わず、修正できないままに長い時間が流れた。防戦一方となる中、20分には藤井に、35分には大本に決定的なシュートを許したが、枠を外れて命拾いする。

 

3枚替えで戦況は一変

見かねた四方田修平監督は前半のうちに交代準備を進めた。40分頃、一度はキム・ヒョンウがピッチサイドに立ったが、ボールが切れず時間が経過したため交代は取り止めに。ハーフタイムに仕切り直しとなった。
 
後半は木本、木許太賀、茂平をキム、中川寛斗、𠮷田真那斗に代えてスタート。キムが頂点に、有馬が左シャドーに入るが、有馬とキムが2トップ気味に立って榊原が一列前に出たり、中川が相手の間を動き回って布陣に流動性をもたらしたりすることで、状況は一変した。
 
50分には三竿雄斗の鋭いクサビをエリア内で中川が落とし榊原がシュート。相手の手に当たったように見えたがハンド判定とはならなかった。

 

構える戦法にシフトした熊本

59分には岡本のクロスのこぼれ球から最後は野嶽惇也がシュートして枠の上。63分には宇津元伸弥の突破から最後は𠮷田のクロスにキムがヘディングで合わせる決定機。完全に1点の形だったが、キムの青森山田高校の同期でもある守護神・佐藤史騎のファインセーブに掻き出された。
 
大分に傾いた流れを引き戻そうと、68分には片野坂知宏監督も3枚替え。べ・ジョンミンと藤井と根岸をベンチに下げ、半代将都、石原央羅、那須健一を送り込んだ。このとき熊本は当初、4-4-2の陣形を取ろうとしたようだったが、それが上手くハマらなかったため、すぐに5-4-1のミドルブロックからカウンターを狙う戦法へと切り替える。

 

好機は量産も1点が遠く

攻撃機会を増やした大分は、構える熊本を切り崩すために厚みをもって攻撃を続ける。ベンチワークの駆け引きも続き、76分に熊本が大本を松田詠太郎に、79分には大分が有馬を伊佐耕平にチェンジ。さらに82分には野嶽を山口卓己に代えると、その2分後に熊本も鹿取勇斗を小林慶太にと最後のカードを切って、激しい攻防が繰り広げられた。
 
相手のカウンターにも対応しつつ追撃を続ける中で、90+3分、宇津元のクロスのこぼれ球からペレイラに決定機。だが、左足シュートはわずかに枠の右に逸れた。さらにその1分後にも山口の浮き球のこぼれ球を𠮷田が落としペレイラが足を振ったが、李泰河にブロックされ、最後まで得点は生まれなかった。
 
相手のプレッシャーを上手く剥がせずに攻撃が停滞する試合が続いている。相手が前から来れば引き込んで背後を突くのが定石だが、それを狙う選手と焦って前に行きたい選手との意識の乖離があるようにも見えた。有馬は「相手が前からプレッシャーをかけてハメてきたときにどうするかというところは、チームとして形を作った方がいいという話はしている」と明かす。チーム戦術の解像度を、まだまだ高めていく必要があるようだ。