攻守に前への意識高く、苦しいシーズンの最後を白星で飾る

決して100点満点の試合とは言えなかったが、ホームで迎えた今季ラストゲームで勝ちたい思いが結実した。27位で終えたシーズンを、次に繋げていきたい。
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苦しんだグループ7位同士の対決
90分でのホームでの勝利は、開幕3連勝以来だった。思うように勝点を積めず、地域リーグラウンドでは3度の3連敗を喫してWEST-Bグループ7位フィニッシュ。プレーオフ第1戦は奈良に3点リードからの逆転負けを喫していた中、四方田修平監督は「とにかく勝たなくてはならない試合になる」と選手たちを鼓舞してピッチに送り出した。
一方の山形も、主力の負傷離脱などもありつつ苦しい半年間を過ごしてきた。大分と似た課題を抱え、EAST-Aグループを7位で終えるとプレーオフ第1戦の松本戦は、こちらも1-2で逆転負け。ともに不本意な状態での対戦となった。
大分は奈良戦から先発3人を入れ替えた3-5-2、山形は松本戦から4人を入れ替え、選手の配置も変えての4-2-3-1でスタートする。アンカーの野嶽惇也は、山形のダブルボランチの一角の野嶽寛也との兄弟対決に臨む形となった。

前への意識を打ち出せた前半
立ち上がりには山形が立て続けにセットプレーのチャンスを築いた。5分には野嶽寛也のクロスから高橋潤哉にヘディングシュートを放たれたが、ムン・キョンゴンが防ぐ。
徐々に大分の前線からの守備がハマりはじめると、準備してきた対山形戦術が、特に右サイドで奏功。第14節・北九州戦以来の出場となった戸根一誓が𠮷田真那斗とともに相手と駆け引きしながら攻撃参加するシーンを多く作った。
16分には三竿雄斗が持ち上がって榊原彗悟にクサビを差し、そのスルーパスに抜け出した宇津元伸弥が仕掛けて折り返す。有馬幸太郎にはわずかに合わず、その先に詰めた中川寛斗と三竿は相手に阻まれ、さらにそのこぼれ球に走り込んだ榊原が放ったシュートはわずかに枠の左に逸れたが、後ろから関わる厚みある攻撃でゴールへと迫った。20分には三竿の左CKの流れから野嶽惇也がミドルシュートして枠の上。
逆に22分には大きなピンチに見舞われた。岡本一真のクロスに國分伸太郎が合わせ、ムンが弾いたこぼれ球から川井歩に左足シュートを許すが、ファーポストに弾かれて失点は免れる。

有馬の守備から生まれたヒョンのゴラッソ
苦しいチーム事情の中、互いに勝利への飢餓感が表出したような、球際の多い激しいゲーム。組織の練度が十分とは言えないチーム同士、潰し合いでミスが頻発し、両軍とも意図の見えづらい展開となった。
54分、ついに大分がスコアを動かす。後方でビルドアップする山形へと激しくプレスバックした有馬がボールを奪い、キム・ヒョンウにボールを渡す。キムは𠮷田に展開して前へと入っていくと、ペナルティエリアの手前で𠮷田が狙いすまして出したパスに左足を振り抜いた。渾身のゴラッソでの先制弾。ベンチから飛び出してきたサブメンバーたちも揉みくちゃになりつつ、チームは喜びを分かちあった。
60分、山形は國分に代えて榎本啓吾を投入。65分にはその榎本のシュートがムンに掻き出されたこぼれ球を拾った川井が仕掛けてクロスを送り、柳町魁耀のヘディングシュートがわずかに枠の右というシーンを作られる。

追加点のチャンスはものに出来ず
山形は69分、柳町と横山塁を田中祉同とディサロ燦シルヴァーノに2枚替え。ディサロと高橋の2トップ気味に変更して前線の強度を高めた。大分は71分、中川を小酒井新大、有馬を伊佐耕平にチェンジ。さらに76分には左足首を痛めたキムを木許太賀に代えた。
79分には大分に追加点のチャンス。ディサロをターゲットに自陣へと攻め込まれたところからの三竿のクリアボールを、伊佐と榊原が相手との競り合いに勝って収めると、榊原が持ち上がる。逆サイドを上がってきた木許に託し、木許はエリア内に進入していた小酒井にパスを出して小酒井が右足シュート。鋭く枠内へと飛んだが、渋谷飛翔に掻き出された。
80分、山形が2枚替え。野嶽寛也と高橋をベンチに下げ、田中渉と中村亮太朗を送り込んだ。81分には川井のクロスにディサロが頭で合わせ枠の上へ。

勝利を引き寄せた伊佐プレス
大分は81分、榊原に代えて木本真翔を投入した。山形も決していい状態で追撃しているとは言い難かったが、隙を与えればディサロらの一発も脅威的で、どのようにリードして試合を閉めるかが問われる局面となった。
そんな85分、押し込まれた状況から川井に放たれたシュートをペレイラがクリアと同時に前線に送ると、そこでこの試合の最後の大きな山場が訪れた。山なりのボールを追いかける坂本稀吏也に伊佐が激しくプレッシャーをかけると、入れ替わって抜け出そうとする伊佐を倒した坂本にDOGSO判定。山形はボランチの寺山翼を最終ラインに下げて対応し、数的不利で追撃することになる。
やや優位性を取り戻して終盤を進める大分は、守備陣形を5-4-1に変更した。互いにヘディングでボールを前に送ろうとしあう中、伊佐が機を見定めたプレスバックからボールを奪って木許のカウンターが発動。スルーパスに抜け出した木本がシュートを放ったが、渋谷に阻まれて追加点ならず。
6分のアディショナルタイムには山形の追撃も大味になり、大分が逃げ切って試合終了。山形戦では2014年5月以来の勝利となった。
苦しんだ半年間をホームでの勝利で終え、チームは次のシーズンへと大きく舵を切る。



