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試合レポート

3点リードから4失点して逆転負け。明白になった強みと弱点

 

相手に合わせた守備がハマった前半は優勢に進め3点リード。だが、相手が修正してきた後半はそれに対応できず劣勢に陥ると、踏みとどまれず逆転負けを喫した。

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対奈良戦術が奏功し優勢に

前節から継続する3-5-2システムをベースに、1週間でみっちりと落とし込んだ対奈良戦術が機能した前半だった。
 
ポゼッションスタイルを貫く奈良に対し、4-4-2と3-5-2の陣形を使い分けながらハイプレスで相手のビルドアップを阻む守備が、前半は見事にハマった。有馬幸太郎とキム・ヒョンウの2トップの激しいプレッシングに後ろも連動。パスワークを得意とする相手にボランチの背後へとパスを通される場面もあったが、前線からある程度は制限できていたこともあり、また、最終ラインが集中して相手の最大の得点源である田村翔太に仕事をさせず、試合を優位に運ぶ。
 
特に左サイドのコンビネーションから好機を量産し、18分の先制もその形から。野嶽惇也のクサビをキム・ヒョンウが落とし、山口卓己が宇津元伸弥に展開。宇津元は一旦キムに預けて深くえぐりクロスを狙うが相手に阻まれると三竿雄斗に戻した。三竿のワンタッチでのクサビを収めたキムが巧みに前を向いてゴール前に送ると、ファーで𠮷田真那斗が折り返したボールを、有馬が体を捻りながらヘディングシュート。負傷から復帰した有馬の初ゴールでの先制に、チームの士気も高まった。

 

ヒョン弾、真那斗弾で3点リード

24分には森田凛に背後を取られてピンチに陥ったが、田村翔太がクロスに詰めるより前に宇津元が体を張って防いだ。
 
28分にはまたも左サイドから個人技炸裂の2点目。ペレイラのパスを起点に宇津元が山口とのワンツーで抜け出し、その折り返しをキムが仕留める。奥田雄大にマークされた状態でのヒールでのワンタッチシュートは、まさにキムの真骨頂だった。
 
36分、こぼれ球からの山口のシュートはマルク・ヴィトにキャッチされたが、45分には3点目。三竿の浮き球を有馬が収め、そこで落ち着かせてから宇津元が送ったクロスにファーで𠮷田が合わせてゴールネットを揺らした。第11節のアウェイ滋賀戦以来の3得点に、サポーターも沸く。

 

奈良の修正に遭い一気に劣勢に

奈良が追撃してくることを想定した上で入った後半。だが、その修正に対応できず、ここから試合は一気に相手の流れになっていく。
 
大黒将志監督は右SBを高畠捷から生駒稀生に代えて後半をスタート。その生駒がインサイドの高い位置へと上がってくることで大分の守備をかき乱し、前半に攻撃起点となっていた大分の左サイドの好循環を断ち切りにきた。
 
奈良のビルドアップをスカウティングし、それに対する守備のハメ方を準備してきた大分は、この相手の修正に対応できない。3-5-2の陣形は守備時にインサイドハーフの選手に多大な負荷がかかるため、さらに生駒への対応を強いられる山口のスライドも遅れはじめる。50分には前半に足を痛めていた宮川歩己がプレー続行不可能となり、急遽、岡本拓也がピッチに入ることになった。

 

主導権を渡した中、いや増す疲労

相手を捕まえきれずスペースを使われてピンチが続く中、大分は前からの守備を控え、5枚のブロックを構えてスペースを消そうとする。だが、球際への圧がかからなくなったことで相手のストロングポイントを引き出すことになり、60分、最初の失点。奥田のクサビを國武勇斗がヒールで流すと、それに反応して抜け出した田村翔太が飛び出してきた田中悠也をかわすループシュートを沈め、奈良が1点を返した。
 
奈良が立て続けに好機を築く中、リアクション気味の守備に追われる大分の選手たちは強い陽射しの下で見る見る疲弊していく。
 
先に動いたのは奈良ベンチ。69分に吉田新を中山雅斗、田村亮介を佐藤諒に2枚替えすると、大分ベンチも71分に中川寛斗を木本真翔、キムをパトリッキ・ヴェロンに代えて有馬の1トップ+木本とヴェロンの2シャドー、野嶽と山口のダブルボランチに。5-2-3の陣形で守備の積極性を復活させようとしたが、相手にボールを握られる展開の中で疲弊は増すばかり。

 

タフな駆け引きに敗れ痛恨の結果に

それでも相手の精度不足に助けられたりしながら78分には宇津元のクロスに𠮷田が頭で合わせる場面も作ったが、情勢は大きく変わらず。
 
83分に奈良が田村翔太を望月想空に、川﨑修平を後藤卓磨に代え、1分後に大分も有馬を伊佐耕平、𠮷田を茂平に交代して、タフなゲームは続く。85分、木本のパスを受けて次の出しどころを探す山口が望月にボールを奪われ、そのまま持ち込まれてシュート。運悪くペレイラに当たって軌道が変わり、1点差に詰め寄られた。
 
さらに89分には同点弾を許す。佐藤諒の左CKから生駒のヘディングシュートは山口がかき出したのだが、そのこぼれ球を森田に押し込まれ、試合は延長戦へ。茂を左に移し右WBに屋敷優成を配置してスタートした延長戦。奈良も94分に中山を石井大生に交代し、駆け引きは続いた。その中で100分、芝本蓮のFKを望月に頭で沈められて逆転される。
 
野嶽が意地を見せて最後まで攻守に走ったが、なかなか流れを引き寄せることはできない。後半アディショナルタイムが尽きる直前に野嶽が前線に送ったボールを木本が繋ぎ、岡本が狙いすましてシュートを放ったが、無情にもボールはクロスバーに弾かれた。
 
まさかの3点リードからの逆転を許し、地域リーグラウンドから続く4連敗。相手の変化に対応できず招いた残念な結果に、ゴール裏のサポーターからも怒声が飛んだ。次がこのチームで戦える最後の1試合。なんとしても意地を見せなくてはならない。