TORITENトリテン

試合レポート

今季最多の3得点+無失点。同時に課題も見えた一戦

 

初めてのHATOスタジアムで、今季最多の3得点。いずれも試合の流れを左右する時間帯での得点で主導権を握ったが、終盤には相手ペースで押し込まれる時間が長くなった課題も。それでも全員で体を張って、クリーンシートでの勝利を掴んだ。

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真那斗の左足弾で幸先よく先制

Jリーグに参入して間もないながら、首位を独走する宮崎に勝利した唯一のチームであり、堅守を軸に勝点を積んでいる滋賀とのアウェイゲーム。心地よい気象条件に恵まれ、約800人のトリニータサポーターが初めてのHATOスタジアムに駆けつけた中、3-4-2-1同士のミラーゲームがスタートした。
 
4分、ドリブルで進入した北條真汰にシュートを許してヒヤリとするシーンも。だが、その後は大分が、ボールを奪うと相手が整う前に攻めきる意図を見せた。1トップのキム・ヒョンウと左シャドーの有馬幸太郎、右シャドーの木許太賀を走らせたりターゲットにしたりというかたちで、プレッシングに来る滋賀の背後を素早く突く。
 
9分には三竿雄斗のFKに有馬が頭で合わせたが、本吉勇貴がファインセーブでクロスバーに。惜しいシーンだったが、14分には先制に成功する。戸根一誓からの浮き球に反応して木許がスペースでボールを収め、ゴール前のスペースに走り込んだ𠮷田真那斗にパス。複数の守備陣を前にしながらも、𠮷田は落ち着いてコースを見定めると左足を振り抜いた。

 

ペレヘッドに続き宇津元FK弾も

27分には宇津元伸弥の右CKのクリアボールからロメロ・フランクにロングカウンターを繰り出されたが、宇津元が素早く帰陣してことなきを得る。33分には追加点。ゴールマウスぎりぎりを狙った宇津元伸弥の左CKを、ペレイラがヘディングでシュート。相手もクリアに走ったが、ボールはそれより早くゴールラインを割って、大分が滋賀を突き放した。
 
2-0で折り返すという難しい展開。滋賀は小野寺健也を西山大雅、久保田和音を三宅海斗、木下礼生を人見拓哉に3枚替えして追撃態勢を取った。だが48分、大分は次の1点を仕留めて流れを渡さない。ゴールまで約25mの位置から宇津元が放ったFKは、美しい軌道を描いてクロスバーの内側を叩いてネットを揺らした。

 

追撃する相手の圧に徐々に押し込まれ…

滋賀は56分、ロメロに代えて中村健人。58分には大分がキムと木許に代えて有働夢叶と木本真翔を送り込み、有馬の1トップに“Wキモト”の2シャドーの形を取った。63分には木本が強靭にボールを収めてドリブルで持ち上がり、榊原彗悟のパスに有馬が走り込む絶好機を築いたが、ここも本吉の素早い飛び出しに対応されてしまう。
 
大分は70分、松岡颯人を山口卓己、宇津元を山崎太新に2枚替え。布陣の鮮度を保ったが、3点差を追う滋賀の追撃のパワーは高く、終盤はすっかり滋賀のペースへと傾いた。73分には三宅のパスを受けた奥田陽琉のシュートをムン・キョンゴンがキャッチ。
 
74分、滋賀は奥田と海口彦太を鈴木翔太と角田駿に代えてさらに追撃の手を強める。大分は1分後に有馬に代えて伊佐耕平。そこから相手のセットプレーのチャンスが続くが、人数をかけてゴール前を固めながら、伊佐やペレイラが献身的に跳ね返してピンチを防いだ。押し込まれてなかなかマイボールに出来ず、相手の2次攻撃、3次攻撃を受けてシュートを浴び、体を張ってブロックする。

 

集中して体を張りしのぎきったラスト

自らのタスクを心得ている伊佐が後ろで跳ね返しながら機を見て前に出ては起点を作るが、81分、その落としからの榊原のシュートは枠の上。84分にも相手FKのセカンドボールを拾ってカウンターを繰り出し、今度は榊原のパスが𠮷田の踵あたりに当たってしまった。大分は86分、𠮷田に代えて屋敷優成。相手のロングスローのこぼれ球を拾った伊佐がドリブルでライン際を持ち上がり、相手ゴールから遠ざかりながら時間を使う。
 
西山のシュートは伊佐がブロックし、三宅へのクロスにわずかに足が届かなかったところをペレイラが掻き出して耐える時間をしのぎきると、アウェイスタジアムにトリニータオーレが響く中、大分が無失点勝利を遂げた。
 
1トップ2シャドーのポテンシャルを生かしつつ、中盤で奪ったボールが前線によく収まることにより、これまでの攻守両面での課題が出ることなく流れを掴んだ試合。組織としての長所を出せたことで短所を補えた印象だが、終盤はその構図が崩れ、四方田修平監督も厳しい表情に。勝利の裏で、課題も色濃く残る一戦となった。