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闘う言葉

片野坂知宏監督「勝ち点1だが、残り試合でも大きな意味を持つ」

 

【記者会見】

J1昇格やプレーオフ参戦を狙っているチーム同士の対戦とあり、本当にタフで、戦術的なことを含めて難しいゲームだった。やりがいはあるのだが、やはり福岡さんはいま上位にいるだけに、われわれよりも少し上回っているところがあったかなという試合になった。

われわれも最後まで走りきって戦い、勝ち点1で、ファンやサポーターの方に勝利をプレゼントするまでは出来なかったのだが、決して悪いゲームではなかったと思う。サッカーの本質、個人の部分といったところでも最後までチャレンジした。勝てなかった責任はわたしにあるが、選手は自分の持っているものをしっかりと出してくれた。感謝している。

残り5試合、まだ上位チームとの対決もあるし、リーグ前半戦に敗れたチームとの対戦もある。本当に、一戦一戦が決勝戦のような、大変でタフなゲームが待っている。目の前の試合に向けてしっかり準備し、全員で勝ち点を積み上げていけるように、そして42試合が終わったときに、みんなで喜び合えるような結果を、突き詰めて求めていきたい。次節はアウェイだが、勝ち点を積み上げられるように頑張っていく。

——鈴木惇選手が出場できない中で、メンバーやシステムを変えて臨んだ。狙いと手応えは。

いま、小手川は怪我明けで、前田も負傷中ということで、川西、姫野、(ファン)ソンスの3人が、これまでボランチで積み上げてきたものがあった。

福岡さんがわれわれに対して3バックで来るのか4バックで来るのかを考えたときに、おそらく4バックで来るのではないかと。4-4-2、もしくは4-2-3-1。または前節のような4-1-4-1。4枚を想定した中で、開幕戦で対戦したときに、われわれのボランチ脇のスペースをかなり使われてピンチになることがあったので、ボランチを3枚にして3-5-2の形でトライした。

あまり引きすぎたくはない。ただ、おそらく福岡のSHがインサイドを、SBが高い位置を取って攻めてくるのに対し、しっかりと守備ブロックを作った中で、良い守備から速い攻撃につなげたかった。2トップも、三平と後藤が前節の岐阜戦でも良いコンビネーションから得点していたので、カウンターも行けるのではないかという狙いで3-5-2で準備した。

アンカーを誰にするのかを考えたときに、川西はやはり攻撃的な選手なので前に置いたが、ソンスと姫野のどちらをアンカーにするかは少し悩んだ。姫野はシンプルにやってくれるし守備でもああいうところからしっかりアプローチしてくれた。ソンスも攻撃が好きで、アタックになったときも走れる選手。そういうところからミスマッチを作れたり、われわれの攻撃の形の中で上手くポジションを取ってくれたりしていた。姫野、ソンスともに自分の持ち味を出して貢献してくれたと思う。

ソンスはイエローカードをもらったこともあり、若干、後半に入って相手が4-4-2にしてパワーを持って攻撃してくるのに対し、少し後手に回ることがあった。それでソンスを下げ、テンポを出すことやボランチのところからのフィードに期待して小手川を入れた。怪我明けではあったが、小手川がスイッチを入れることで若干安定した。1-1の状況だったので、慌てて前がかりになったりしてバランスを崩さないようにと伝えてあったとおり、川西が攻撃的に行くときに中盤のところで良くバランスを取ってくれたと思う。

今日の福岡戦に向けて準備してきたことを、交代選手を含め全員で一体感を持ってトライしてくれた。勝ち点1ではあるが、われわれにとっては格上にあたる福岡さんを相手に、この結果は良しとしなくてはならないかと。今季は開幕戦で勝ち点3、ホームで勝ち点1のトータル勝ち点4。この成果は悪くないと思う。

——福岡が上回っていた部分というのは。

球際であったりボールへの寄せ、隙のない守備。やはり簡単にやらせてはもらえなかった。われわれも、2トップ、あるいはそれに狙いを持ってもう1枚が加わってカウンターやサイド攻撃を狙っていたのだが。

その中で先制点はクロスの質と中に入るタイミングが合い、横からもチャンスになるというところで素晴らしい得点だった。だが、追加点が取れない。(福岡の守備は)集中を切らさないし、球際やコンタクトが本当に強い。これがJ1クラスだと当たり前で、われわれにはまだない部分かなと感じた。

他の対戦チームと比べても、コンタクトや球際という部分で、福岡さんは闘うチーム。だからこそ失点も少なく、勝ち点を積み上げてこういう順位にいるのだと思う。

なので、今後われわれが上を目指すのであれば、タフに、コンタクトもありながら、球際で負けない強さが必要になる。日本代表もそういうことを言っているが、サッカーの根本の部分はわれわれも学んでいかなくてはならないと感じた。

——ホームで5勝8分5敗。勝ちきれない試合が多いかと思うが。

決して負けても良いとか引き分けでも良いとかいう気持ちはなく、つねに勝ち点3を目指して目の前の試合に集中しながら積み上げてきたのだが、たくさんのファンやサポーターが来てくださるホームで、なかなか勝ち点3をプレゼントできない。

僕の責任もあると思うし、もっと違うやり方があったりするかもしれないのだが。原因がわかるに越したことはないが、選手は本当に良くやってくれている。8つの引き分けの中には、追いついた試合もあれば追いつかれた試合もあるが、そういう中でも最後まで切らさずに戦って走ってきた。今日も福岡さんを相手にそういう試合をしてくれた。

やはりJ2リーグ戦には簡単に勝てる相手はいないので、結果的にホームで勝てなくなっているが、そのぶんアウェイで勝ち点を積み上げられているとポジティブにとらえたいと考えている。原因は、正直わからない。ただ、選手は本当に良くやってくれている。負けたくない気持ちを出して、あきらめずに走ってくれている。これを続けたい。残りの試合もホームが多く、次節・松本戦が終わるとまたホーム2戦。ここで良いゲームをして、勝利をプレゼントできるよう、とにかく準備したい。


【囲み取材】

——メンバーを変えて臨んだ中で、すごく良いゲームだったのでは。

うん。とても良かったと思う。ソンスも宥弥も本当に良くやってくれた。

——ここに来て、これまで出場機会が乏しかったメンバーへの戦術浸透が確認できた。

本当に大事。ずっと積み上げてきて、練習試合などもやってきた中で、こうやって成果が出ると層も厚くなるし、シーズン最後まで競争も生まれる。出た選手が貢献してくれるのは本当にプラスになる。勝てなかったが、この勝ち点1も大きく響いてくるだろうし、これからの残り試合でも大きな意味を持つのではないかと思う。

——勝てなくて残念な試合のか、負けなくて良かった試合だったか。

正直、負けなくて良かったと思う。ウェリントンの強さもそうだし、石津くんも入ってきて、城後くんか坂田くんかどっちかなと思っていたのだが、後半にもっとパワーをもってやってくることは想定していた。先制したのはすごく大きかったのだが、後半の立ち上がり、早く点を取られすぎた。ウェリントンが後半スタートから入ってきたので、ウェリントンが起点になったボールをインサイドで取ってくるだろうなというのは予想していたのだが…。ノリ(鈴木義宜)、(竹内)彬、フク(福森直也)がウェリントンに対してビビっていたのか、ちょっとチャレンジできず、後半の入りがあまり良くなかった。

ただ、相手もビハインドなので2トップにして前がかりにシンプルにやってくる。それを受けすぎ、ちょっと重くなりすぎた。やはり長いボールが増えてきて、背後をやられたくないぶん、若干、下がることが多くなってきた。そこで重くなって、クロスやバイタルのところで全員が下がりすぎて、ミドルレンジのところで距離が遠くなって寄せきれず。まあ、あのミドルシュートも素晴らしかったが。昨季も琉球に2発やられた感じの。トリプルボランチで5-3-2のブロックを作ってやると、やっぱりバイタルのところが空くのがウィークになる。そこをああいう形でやられてしまって、ちょっともったいなかった。もうちょっと押し出したり、人に対して行ったり寄せたりというところをやっていかないといけない。

——スタートのメンバー選考の意図は。

ショウ(岸田翔平)は、亀川くんが1対1で強かったりスピードがあったりと対応が結構大変になるだろうというところで、スピードもあるし、岐阜戦でも攻撃でチャンスを作ったりクロスを上げたりしていたので、そこで対峙して上回ることが出来たらと考えて右で起用した。左を(松本)怜にしたのは駒野くんとのマッチアップになるので、怜のスピードがあれば駒野くんのところも行けるのかなと。

——3バックでも4バックでも両方やれるメンバーを選んだのかと。

そうです。いろいろ変化できるメンバーで先発した。相手がどう出てくるかによっては(川西)翔太を一列上げて、さんぺー(三平和司)頂点の3-4-2-1も出来る。怜と翔太をSHにすれば4バックも出来る。いろんなオプションが出来るメンバーの中で、ソンスと(姫野)宥弥を使っておいて、どっちかがヘバってきたり大変になったときに、コテ(小手川宏基)がシャドーもボランチも出来るというところで。どちらにしても途中でコテを入れて、落ち着かせたり点を取りに行ったりすることが必要になるだろうということで、いつスイッチしようかと考えていた。

点を取られて相手も勢いづいたのでバタバタしていて、ソンスもイエローカードをもらっていたので、コテを入れて落ち着かせるほうがいいと考えた。

——ベンチメンバーも大幅に変えた。狙いは。

(岩田)智輝は、コンディションはそこまで上がっていなかったのだが、短い時間なら使えるかなと。紅白戦でボランチをやらせたときに点を取ったりしていたので、ソンスと同じような役割だったらちょっと面白いかもなと思って。(鈴木)惇も(前田)凌佑もいない、コテも怪我あがりで翔太もどうなるかわからない、ソンスと宥弥もヘバるかもしれない。ボランチの替えがいない。で、誰にしようかと考えたときに、智輝がユース時代にボランチをしたことがあると。ハードワークできるし、スピードもある。怪我明けで練習試合にも少し出て、ベストコンディションではないが途中からでもいいかなと考えて、そこは思い切って選択した。

宥弥もヘバってきたので、コテをアンカーにするとバランスが取れるし、ビルドアップのときにもボールを引き出したり展開したりも出来るかなと。智輝をアンカーに入れるよりは前に入れて、ボールを奪った瞬間にスペースがあったら行け、シュートで終われt、と。ダメだったらすぐに帰って、石津くんの左からのカットインに対応できるよう、中を取られないようにしっかりケアしろと指示していた。

 

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