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闘う言葉

【囲み取材】西山哲平GM「まずは予算を確保するところからがスタート」

 

——J2降格が決まった。いまの思いは。

まずご支援いただいているスポンサーさま、行政のみなさま、ファン・サポーターの方々に申し訳ないという思いでしかない。

——今季を振り返って足りなかった点は。

やはり主力選手の流出が非常に大きかった。1人2人ではなく複数人か欠けて、そこを当てはめたとしても、個々の能力云々ではなく、チーム状態が安定しない中で、補強した選手たちの良さが出づらかった。彼らの力を疑う余地はないのだが、チーム状態の関係で彼らの良さを引き出してあげられなかった。既存の選手たちもそういった形でスタートしたことで力を発揮しきれなかったと思う。その中でよく戦ってくれたし、規律を持ってチームの約束事の下に一戦一戦戦ってくれた。

ただ、どうしてもそういう背景があり、個々の能力を完全には出しきれなかったのかなと。シーズン終盤によくなった手応えもあったのだが、取り返しきれなかった。

——監督に対する評価は。

大量流出があった中で非常に難しかったと思う。その中でも、勝ちにつながらなくても今季のチームの形は作ってくれた。最後の点を取るといった永遠の課題の部分に関しては難しさがあったと思う。われわれがいまやっているサッカーは、グループで相手を上回るサッカー。グループが一個ずつ積み上げてきたものが、ようやく昨季までに積み上がってきたと思ったくらいのところで、大量に主力が流出するとガクッと崩れてしまう。それをまた一から積み上げるというのは本当に至難の業で、そういう意味で監督やコーチングスタッフたちには苦労をかけたと思っている。個で相手を上回るのではなく、組織力で上回るというのは、短期間ではなかなかなし得ないのだと、あらためて思った。もともとそう考えてはいたが、今季はよりそれを痛感した。監督にとっては今季は難しいミッションだったと思う。

——来季J2で戦うことを踏まえ、チーム編成は。

もちろん、やるからには1年でまたJ1に戻ってきたいとクラブとして考えている。まずはそこにかけられる予算を確保するところからがスタート。いまいる選手もいい選手がたくさんいるのでチームに止め、新たな選手も獲得しなくてはならない。それは毎年のことでもある。1年で戻ってくるべく、仕事に取り組まなくてはならない。

——編成へのヴィジョンは。

やはりクラブの予算規模を考えたときに、J1でもJ2でも、グループで相手を上回るということになると思うので、そういった戦術の緻密さや、サッカーのベースの部分で戦うという方針は、まったく変えるつもりはない。そういうサッカーの魅力を強調して選手を慰留し新規獲得してやっていきたい。

——監督人事に関してはシーズン終了後でなくては明らかにされないと思うが、今後のスタイルについては。

去就についてはシーズン終了後にしかお伝えできない。スタイルに関しては、さきほどからお伝えしているとおり、グループで勝つべく戦術的に相手を上回るということが、われわれのフィロソフィー。そこを変えるつもりはない。

——今後、監督が替わったとしても路線は継続するということか。

同じサッカーというのは、一人の人でしか出来ないと思うが、毛色は変えるつもりはない。

——グループで上回るサッカーは面白く魅力的で進化も楽しめる一方で、特に今季は予算の格差がモロに出てしまっている。選手が入れ替われば組織的サッカーには限界があると思うが、どうバランスを取るか。

逆に突出した個に頼るサッカーをしていたとしても、その個が抜かれてしまえばそのほうがダメージが大きい。だから全体でカバーする形が現実路線だと思っている。ただ、積み上げてきたものの基盤となる選手がゴソッといなくなったときにダメージがあるのも事実。どちらの方法を採ったとしてもダメージがあることは事実だが、グループで戦うほうが、戦力を抜かれたときのダメージはより小さいのかなと考えている。そのグループを、スタメンの11人、ベンチも含めた18人だけでなく、もっと大きくしていくことが出来れば、よりリスク管理にもなる。このクラブの予算規模を考えたら、その手法で進んでいきたいと思っている。

——今季スタート時に新たに獲得した選手は揃って複数年契約だと話していた。J2降格にあたりそのことがどういう影響をもたらすと考えられるか。

会計上で言えば、もしかしたら金額的に重くなる可能性もある。ただ、戦術上で言えばその選手を引き止める確率は上がる。ただ、当然、契約年数が残っていれば必ず引き止められるという話ではないので、いろんな側面がある。もしかしたら経営的に重くなるというネガティブな面も出てくるかもしれない。

——J2降格によるチーム強化費の削減は。

もちろん、まずJリーグからの配分金も下がるし、スポンサー各社さまからも降格にともなう減額あるいは撤退ということがあるかもしれない。はっきりはしていないが、もちろん下がることになるだろう。

——そういう中でチーム編成は。

クラブが目指すサッカーを体現できる選手を獲得したいという思いがあるが、同時にこういったジレンマを抱えながら行かなくてはならない中で、アカデミーの強化は欠かせないと考えている。アカデミー出身の選手で将来的にはクラブのトップチーム編成の50%をと目指しているが、本当にそこはわれわれ地方クラブにとって大事なことになる。

——今季はホームグロウン選手が少なかったが、今後の見通しとしては。

来季は屋敷優成のトップチーム昇格が決まっているのと、現状U-18の1、2年生にもいい選手がいるので、そういった選手を昇格させていけるかもしれない。ただ単純に30人編成の50%を占めればいいという話ではなくて、11人の中に何人占めるかが、いちばん目指すべきところだと僕は思う。そういう意味ではまだ時間がかかるのかなと思っている。

——J2に落ちてもサポーターに変わらず応援してもらうために、クラブとして何が必要になるか。

まずは魅力あるサッカーが大事。その中でホームグロウンの選手が多く在籍していることも、地元のみなさまから応援していただけるひとつの要素にもなる。勝つこと、いいサッカーをすることが大前提ではあるが、そういった地元出身選手という魅力も持っていけたらと思っている。

——かつて西川選手や清武選手がいた頃のアカデミーと現在との相違は。

いま九州エリアでも鳥栖さんをはじめアカデミーに力を入れているJクラブがあるし、もともと九州は高体連が力を入れているところが多いので、非常に苦戦しているところではある。ただ、U-18のところで言うと、よりたくましい選手を鍛えるというテーマで取り組んでいて、最近、戦績上も、プリンスリーグで調子を上げてきており、一定の成果は得られつつあると感じている。

——オリジナリティーという点では。

まずトップチームに魅力があれば、そこに所属したいと思ってもらえると思う。トップチーム自体も、バランスは難しいとは思うが、アカデミー出身選手を多く起用できるようなチャレンジできる状況を作りたい。そういったところをいちばんの魅力にしていきたい。

——そういう意味でもグループで上回るスタイルをと。

もちろん、グループで相手を上回ると言っても、戦術だけできれいに上回ることは出来ない。その中にはやはり、ハードワークといったたくましさの部分が絶対に必要だと思っている。そういう意味で言うと、アカデミーの選手たちには、戦術もそうだが、より戦うところに比重を置いてやりたい。そういうことを僕からもアナウンスして、アカデミースタッフたちに徹底してもらっている。

——開幕前に「今季を乗り越えれば来季以降が楽しみ」と話していたが、本音の部分では。

僕がお伝えしたのは「今季を乗り切れれば非常に楽しみなチームになるよ」ということだったと思う。ある程度大変なシーズンになるということは想定内ではあった。というのは、伸びしろのある選手たちが多いと考えていたので、今季を乗り切ればひとつ積み上がって、より来季J1でいい試合が出来るかなというプランでいた。でも、どうしてもチームが土台を若干失った中で、いい選手を獲得したとしても最後までハマりきれなかった。内容も大事だが、本当はもう1年、なんとか残留させたかった。

 

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