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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「難しいシーソーゲームをものに出来たことは非常に大きい」

 

(司会に本日の総評をと促され)はい。本日の総評の前に。2日前に、アレルギーか何かわからないが蕁麻疹が出始めて、今朝起きたら目がまったく開かないような顔の腫れになってしまった。いまは少しマシになったのだが、そういうわけでサングラスをしたまま会見をさせてもらいます。

まずは雨の中、たくさんの人に来ていただいて、目標の1万人には届かなかったが、たくさんのサポートをいただいて今日の勝利になったと思う。

金沢さんは予想どおり守備のところでタイトなマークをつけてきて、予想していたのとはちょっと違った形だったが、それでもやはりカウンターは鋭く、特に相手の攻撃のところでは脅威を感じていた。その中でまず先制点が取れたことがよかったと思う。ただ、そこから思った以上に金沢さんの攻撃に苦労した部分が多くて、ひっくり返された。それでも前半のうちにまた2点返して、1点リードして前半を終われたのがよかった。

後半も、相手は前から前からと矢印を向けてきて、本当に難しいゲームだった。昨季、金沢さんとの試合でこういう展開で勝てなかったこともあり、今季も金沢さんとの試合は難しくなるとわかっていたが、その難しいシーソーゲームをものに出来たことは非常に大きいと思うし、チームとしての成長もすごく感じる。選手たちが最後まで体を張ってくれたことに感謝したい。

——チームとしての成長を感じたのはどのあたりか。

先制できたのはよかったのだが、そのあと立て続けに2失点して、少しシュンとするかとも思ったのだが、しっかりとまた自分たちで攻撃の形を作って得点を奪いに行く姿勢を出したことはすごく成長していると感じた。

——3連敗後の2連勝。連敗の何を収穫として連勝につなげたのか。

まず、町田、水戸と4-4-2でブロックを作りながらプレスをかけてくるチームに対してビルドアップのところで手こずってしまい、われわれのやりたいゲームが出来なかったという2連敗を喫した。そこからもっとしっかり攻撃の形を作っていこうというところで、攻撃のところを再構築して、ビルドアップからの攻撃にトライして臨んだのが仙台戦だったのだが、ちょっと不運なことがあり、退場もあって負けてしまった。まずは2連敗したときに攻撃の形をもう一度作っていくというところをテコ入れした中で、仙台戦、藤枝戦と戦って今日のゲームがあった。そういったところで選手たちも非常にトライしてくれているし、まだ全然完璧ではないのだが、成長しているところではあると思う。

——失点に関して反省すべき点があるということだったが。

金沢さんもフリーであればしっかりとボールをつないでくるチームなので、プレスをかけに行ったところで長いボールを蹴られ、それを跳ね返したあとのセカンドボールをかなり拾われてしまった。特に前半はほぼほぼ相手ボールになっていたので、あそこでアドバンテージを取れず、そこから2次攻撃、3次攻撃と押し込まれる展開が続いた。プレスをかけるところはすごくよかったのだが、跳ね返すところとセカンドボールを拾っていくところが課題。特に今日はトップ下のような形で加藤くんがポジションを取っていて、あそこに上手くボールが収まってしまったので、そういったところは、もうちょっとボランチの立ち位置を含めて修正できるかなと思う。

——相手がああいうシステムで来ることは予想していたか。

いや、ちょっと予想していなかった。ただ、結果的には人についてくるので、われわれが取ったポジションになるだろうなという予測はしていた。特に前半、上夷とデルランがフリーで進入できたのだが、あれはわざとさせてカウンターを狙っているのかなと思うくらい、普通にエビとデルランが入れた。そこから引っ掛けられてカウンターを食らっていたので、これは相手の策にハマっているなと。そのカウンターのところは特に、反省点として修正したいところ。空いているからといって前に行くとその裏を取られてしまうという感じだったので、気をつけていた。本当に、やってみなくてはわからないというのが柳下さんとの対戦。やっぱり難しい相手だった。

——終盤にペレイラ選手を入れ、上夷選手を右WBに配置転換したが、意図は。

まず、守備の安定がいちばんだったのだが、中川寛斗が交代するタイミングで「茂くんが疲れてる、茂くんが疲れてる」と言ってきたので「そうか茂くん疲れてるのか、まずいな」と思って(笑)、上夷を一列上にずらし、ペレイラが入れば守備が安定するのは間違いないので、そういったところに期待した。あとは最後の時間帯だったので、ハイプレスというよりは少し構えての守備に切り替え、上夷に構えさせようと。上手く対応してくれたと思う。

——アディショナルタイムまでどちらに転ぶかわからない展開になったが、4-3勝利につながるターニングポイントはあったか。

前半に逆転まで持っていけたのが非常に大きい。野嶽もドゥーもそうだが、今季初の選手が得点したというところ。特定の選手ではなくみんなで点を取れているところが、面白いチームだなと思いながら見ている。

——中川選手と野村選手の評価を。

中川寛斗は先制点と、4点目と。めちゃくちゃスピードがあるわけではないしサイズも小さいのだが、スペースを見つける感覚に秀でていて、チャンスがあればスペースに入り込んでゴールを狙う。チャンスを作り出すこと、チャンスを嗅ぎ分けること、スペースを見つけるということにすごく長けている選手で、今日はそういったところがよく出たと思う。

野村も今季は安定して高パフォーマンスを保ってくれていて、チームに欠かせない存在。もちろん攻撃だけでなく、キャプテンマークを巻いてしっかり全体をゲームコントロールすることもすごく出来ている。攻撃のよさは当然あるが、彼らしいキャプテンシーを発揮して、上手くいい方向に導いてくれていると思う。

——いろんなことがあった3連戦を終え、チームとして一皮むけた感があるのでは。

連戦の初戦は負けてしまったが、選手たちが自信を持ってトライしてくれているところに本当に成長を感じる。町田戦、水戸戦で負けたときは、自分たちが攻撃のところでもっとやらなくてはならないというチームとしてかなり難しい雰囲気になったが、そこからしっかりと自分たちで特にビルドアップの部分を構築していき、それを成長させていっているというのは、本当に大きな、この3連戦で成長した部分だと思う。

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