TORITENトリテン

闘う言葉

DF 30 戸根一誓「僕が1枚剥がした時点で周囲にも動いてほしいのだが」

 

——この試合に臨むにあたって。

チャンスが与えられるときが絶対に来ると思っていたので、どんなサッカーをしても絶対に勝つ、そして他の選手には出せない自分の長所を出そうと考えて試合に入った。

——立ち上がりはプレスもかかりボールが持てる場面もあったが、次第に中盤のスペースを相手に使われて流れが相手に傾いた。どう見ていたか。

あれはシステムを変えるしか対応策がないかなと僕は思っていて、たとえば相手の右CBが左CBにパスを出すときに、僕はアリ(有馬幸太郎)を出させたいのだが、アリの背中に相手が1人いるから出られない。僕のところはロックされている。(野嶽)惇也くんは余っていてフリーなのだが、そこでズレる時間も与えてもらえない。だったらハナからシステムを変える以外、ハマらないと思う。枚数をかけられても、失点していないときはそれでOKになるのだが、失点した場合はOKではなくなる。

——天笠選手の脇のスペースが、相手の中盤にもトップにも上手く使われてしまう課題が続いている。

山形は3-4-3のような形で、僕らも3-4-2-1だから守備はガッチリハマっている状態でマンツーマンの戦いだったのだが、相手は僕らの嫌なところを、システムをちょっと変えながら上手く突いてきた。選手の中でここに立ったほうがいいという感覚が、多分、浸透している。

僕は基本的に、ずっと同じ立ち位置でボールを動かしていたら相手の守備にハマってしまうので誰かが何かを変えないといけないという考え。先制すればいいのだが、今日のように追う立場になったら厳しくなってしまう。そこで単純にロングボールを蹴るだけでは無理。どうやって相手を崩していくかというところ。

——いろいろ考えながらプレーしているのは外からもよく見えたが、戸根選手が持ち出して相手を1枚剥がしても、その先で出しどころに悩んでしまう繰り返しだった。

僕としては僕が1枚剥がした時点で周囲にもピッと動いてほしいのだが、そのタイミングで動いてくれないので、結局後ろに戻さなくてはならなくなって、違う選択肢になってしまう。相手がマンツーマンで来ている中ではポジションを変えるのもひとつだし、ああやって個で剥がしたら連動すれば全部剥がれていくから、マンツーマンを逆手に取ることが出来るようになるのだが。

——まずは初スタメンフル出場を果たしたところで。

この試合は絶対に勝ちたかった。負けたら代わって出た自分たちのせいだとわかっていたし、どうしても勝ちたかったのだが…。まだ全然ダメ。

——次節は富山戦。

古巣なので出たい。勝ちたい。