TORITENトリテン

闘う言葉

MF 10 野村直輝「バリエーションを増やしていくことが必要」

 

——ひさびさの先発出場だったが、試合を振り返って。

まずは自分自身、公式戦での先発は約4ヶ月ぶりなので、チームの大枠は頭の中に置きつつ、自身のボールフィーリングや対相手での動き方などを主に意識して試合に入った。個人的に悪くはなかったと思うが、もうちょっとチームとして相手の嫌なプレーをもっと増やすべき。ハーフタイムにももっとポケットを取りに行こうと話したが、直接ゴールに向かうだけでなく、ある程度早く、ラインが低く設定されるぶん背後が取りにくくなるので、1個手間をかけるという作業をもうちょっとチームとして増やさないといけないと感じた。

今日は特に先制点を取られてからは、いままでは失点せずにゲームを運ぶことが多かったと思うが、今日あらためてスタートから出場して、思ったよりもラインが低いとか、思ったよりも相手との駆け引きがないといったところにすごく物足りなさを感じた。ビハインドになって点を取りに行かなくてはならなくなったので、そういった部分でのゲーム中の変化は、いまさらではあるが、チームとして次の段階に行くためにもっと積み上げを増やさないといけない。自分たちの戦い方を、いい守備からいいゴールだけではなく、そしていい守備の中でも引いて守るだけでなく取りに行くということも選択できるようになれば、またどんな相手が来ても嫌がらせることが出来るようになると思う。そういったところをもっと増やせるようになれればと思う。

——押し込む時間も多かった中で流れの中から得点するためには。

今日のように4-4-2の相手であれば、うちは5-4-1で幅がある。そういうシステム上のミスマッチをうまく利用しながら相手を揺さぶるところをチーム全体で共通認識を持って試合を運ぶとか、先ほど言ったようにポケットを取るといったところを繰り返しながら相手がどう崩れるかを見ながら、隙があれば(戸根)一誓のようにロングシュート、ミドルシュートを打つことも必要だと思う。セットプレーについては僕の今日のフィーリングがよくなさすぎたのだが、そういったセットプレーで点を取るだとか。そうやって攻撃の中でもバリエーションを増やしていくことが必要になる。

——さきほど言った、駆け引きのなさというのは個人戦術のところか。

そう。ただ引くだけでなく、もうちょっと相手を牽制するというかちょっかいを出すというところが少なすぎるので、僕が相手だったら精神的にも体感的にもプレッシャーを感じないと思う。だからただカウンターのケアをしておけば大分の攻撃は封じきれるだろうというふうになってしまう。相手が余裕を持ってプレーしていることが自分の中では歯がゆい。我慢することも必要だが、今日のようにセットプレーで失点することもある中で、そうなったときに引いて守るだけではないというところを増やしたいと思う。もっと出来ると思うので。

守備時に全体が低すぎる。やられていないと言えばやられてないのだが、もっと攻撃でみんなのいいところを出すために、もうちょっと高い位置でボールを取れればと。現状では走る距離が無駄に長く、ボールを取ってからゴールまでが遠い。もちろんそれで点が取れればいいし、勝てればそれでいいのだが、多分それだけでは自分の経験上、未来に繋がるものがあるのかなということを、今日はより強く感じた。

みんなが日頃やっている公式戦でのラインの設定について、僕がこれまでベンチから見ていた感覚と違っていたのかもしれない。いざピッチの中に入ってみるとすごく深く感じた。もっと相手のCBに僕や天笠が前で牽制することが出来れば相手のバックパスが増える。そうやってもっとラインを上げてロングボールを回収するという作業が出来ればよかったのだが、ちょっと後手になった感じ。ボールを取りに行くフェーズの練習をしていないというか、臨機応変に個人の能力の部分を合わせることがもうちょっと出来ればと、今日プレーして感じた。正直、山形の攻撃に怖さはなかったのだが、負けているので内容は悪くなかったにしても、ゴールを取るというところにはやはり課題がある。

もっと牽制できるかなと思っていたのだが、全体のラインが下がっていて、それで0-0で進められていれば、たとえば70分過ぎなどのエネルギーを出すタイミングでシステムを変えたりという駆け引きにもなってくると思う。でも、もうちょっと相手にちょっかいを出すようなことが出来れば相手のミスが生まれるかもしれないし。

ただ、タク(岡本拓也)も今日初めて一誓とデルランとで組むということで、いつもと違うメンバーだというところもあったと話していた。あと、前半の終わりあたりには相手の2トップにプレスをかけたときロングボールで背後を取られそうになるシーンがあった。あれもボールを取りに行った結果、相手が蹴ってきて背後を取られそうになったのだが、前線としては相手が蹴ってくれれば回収できるという感覚であれくらい行きたい。だけど後ろはスライドしないといけない。相手は2トップなので3枚がしっかりスライドしないと間に合わない、そういうジレンマがあった。ペレイラがいれば一発で弾けていたかもしれないが、一誓だからこそボールを持てたり相手を押し込めたりというシーンが増えたかもしれない。そういったそれぞれの選手の特長も生かしながらやる必要がある。

ただ、これは今日僕が感じたというだけで、まだみんなとはしっかり話をしていないので、擦り合わせていく。いままでそれで崩されることなく失点が少なかったり負けていなかったりもしている。試合後にタクや(野嶽)惇也とは話をしたが、そういったところのレベルがもうちょっと上がって、その戦い方だけでなくていろんな戦い方が出来るようになることが全体のレベルアップに繋がると思うので、そういった選択を多く取れるように出来ればいいなと思いながら、周りと合わせながらやっていきたい。