岡山の強力なカウンターを防ぎつつ、堅牢な牙城を攻略せよ

14日にも3人の負傷離脱が発表され、台所事情の厳しさは継続中。一方で、比較的軽症だったメンバーや負傷から復帰して調子を回復しているメンバーもおり、今節もまた個々のコンディションを見ながら限られた中から戦力をチョイスしていくことになりそうだ。
　
前節の群馬戦では中川寛斗を頂点に配置した0トップ戦法を採用し、徹底したサイド攻撃で相手を押し込みながら主導権を握ると、後半の勝負どころでターゲットとしてサムエルを投入。それがハマって1-0で勝利している。
　
今節もそのゲームプランを継続するのか、あるいは異なるプランで戦うことになるのかは蓋を開けてみなくてはわからないが、前々節の甲府戦から徹底しているサイドの攻略が今後の戦い方のベースとなることは間違いなく、今節はその練度をさらに高めていきたいところだ。
　

岡山は前節、東京Vに1-2で今季初の逆転負け。途中出場のチアゴ・アウベスが警告2枚で退場し、今節は欠場となる。ただ、他にも攻守に存在感を発揮するパワフルな攻撃陣を多く擁しており、脅威が削られるイメージはない。相手の長所を消しつつしぶとく対応する守備からの強力なカウンターで、負けない試合も継続できる、したたかなチームだ。
　
第6節までスタート時フォーメーションは中盤ダイヤモンド形の4-4-2だったが、第7節・いわき戦では3-4-2-1を採用。その後2試合は再びダイヤモンド4-4-2に戻し、第10節から9試合はボックス型の4-4-2。前々節の徳島戦ではアンカー型の3-5-2、前節の東京V戦ではボックス4-4-2と、時折、システムを変えながら、可変も加えつつ戦っている。木山隆之監督はJ1仙台を率いていた2020年、第31節の大分戦でそれまでの4バックシステムを突然3バックシステムに変える奇襲で2-0勝利した過去も持つ。
　
大分としては、果敢にポゼッションしながら岡山のカウンターを防ぎつつゴールを狙う展開になるか。リーグは今節で折り返し。勝利すれば今季3度目の3連勝で、勝点を40の大台に乗せて後半戦に突入することが出来る。首位を独走する町田にもこれ以上離されずついていきたい。前半戦の戦いに新たなエッセンスを加えつつ、堅実に勝点を積み続けることが肝要だ。
　

■下平隆宏監督
　
徐々にチームとしてもやりたいことを少しずつ発揮できるようになってきている中で、中身にもこだわりながら結果を追求している。いまは怪我人が多くて正直、苦しいところもあるが、そのぶん他の選手がチャンスを得るところも出てくるので、そういうところ、特に若い力には期待している。
　
今節は、こちらがポゼッションしてサイドから攻略していく中で、それは向こうの好きな土俵に挑むことにもなるので、カウンターを食らってやられるか抑え切るかという勝負にもなる。こちらもやりたいことをやって、そこでのクオリティーを出していきたい。岡山さんはバイスや柳くんたちセットプレーでも点を取れる選手がいるので気をつけたい。
　
■MF 27 松尾勇佑
　
前節の群馬戦は初先発ということもあって緊張するかと思っていたのだが、リラックスしてゲームに入れてよかった。群馬より上の順位にいる岡山にも、そしてどんな相手にも通用するくらいの力をつけていきたい。一瞬のスピードや相手より前に入ってボールを触ることが自分の武器。いまは怪我人が出ている状態で、チームは大変だが、自分としてはこのチャンスを掴めるようにやっていきたい。
　
■MF 6 弓場将輝
　
今節は柳選手とバイス選手の強靭な2CBを打ち破りたい。相手の強度が高いことはわかっているが、それに負けないくらいこちらも強度があるという自信が、今季はある。球際ひとつだったり、ひとつひとつにこだわった側に軍配が上がると思っている。泥臭くてもいいので1点取って体を張りまくり、無失点に抑えて1-0で勝てるのも強いチーム。