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試合レポート

伊佐を軸に先手。激しい水戸の追撃をしのいで逃げ切り4連勝

 

立ち上がりから積極果敢にゴールを狙い、35分に先制。後半は追撃に出た水戸の圧力に押し込まれながら追加点で突き放すが、最後まで幾多のピンチにさらされた。90+1分、CKからの失点のみで逃げ切っての勝利。難しい試合だったが、勝点3を積み連勝を4に伸ばした。

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立ち上がりから果敢にゴールへ向かう

 
台風24号の影響で、予定されていた試合のいくつかは中止決定。ケーズデンキスタジアムも雨には見舞われたが、無事に16時3分、戦いの火蓋は切られた。
 
今節は4-4-2の水戸に対して3-4-2-1でスタート。相手が前からプレッシャーをかけてくることを想定し、その背後を突いてボールを動かす算段だったのだが、試合がはじまってみると水戸は、2分にジェフェルソン・バイアーノが高木駿の足元を狙った後は、それほど激しくプレスに来なかった。試合後に敵将・長谷部茂利監督は「守備戦術を徹底できず中途半端になってしまった」と振り返ったが、その隙につけ込むように大分は両WBが高い位置を取ってサイドから揺さぶりをかけながら、1トップの伊佐耕平にボールを集めてゴールを狙いにいく。
 
5分、岩田智輝のアーリークロスを星雄次がボレーして枠の右。8分には松本怜のアーリークロスに伊佐が飛び込むが、わずかに合わず。11分にも星がシュートを放つが相手にブロックされる。20分には後方から走りこんだ岩田のシュートが枠を捉えきれない。34分には鈴木義宜のフィードを伊佐が落とし、拾った三平和司が小手川宏基とのワンツーでシュートにまで持ち込むが、相手守護神・松井謙弥の好セーブに阻まれた。
 
そうやって迎えたCKのチャンスから先制点が生まれる。キッカーとして右コーナーに立ったのは松本。ここ最近、両WBがそれぞれのサイドでショートCKを蹴るパターンが定着していたが、このときの松本はその予想の裏をかくようにゴール前へとボールを送った。相手がクリアしたこぼれ球がウラに転がったところを三平が拾って中央へ折り返すと、ボールは相手DFの足に当たって浮く。そこへ走り込んでいた伊佐が勢いよく飛び込み、頭で押し込んだ。
 

後半は中央突破を狙う水戸のペースに

 
1点を追う水戸は、後半、一気にギアを上げた。前半はジェフェルソン・バイアーノがサイドに流れて起点を作ろうとしていたところを福森直也や岩田がよく抑えていたのだが、後半になると俄然、勢いよく中央突破を図ってきた。
 
60分にはセカンドボールを拾った伊藤涼太郎が中央へと持ち込んで茂木駿佑に渡すと、茂木も大分守備陣を引きつけた末にフリーの木村祐志にパス。木村がダイレクトで放った右足シュートはあわやゴール右上部に吸い込まれるかと思ったが、間一髪、高木が右手で掻き出した。
 
水戸は63分、ジェフェルソン・バイアーノをバティスタに、木村を黒川淳史に二枚替え。強度とスピードを高め中央への矢印を強くする。大分は69分、三平を下げて藤本憲明を投入し、小手川を一列下げてシステムを3-5-2に変更。バイタルエリアに人数をかけて攻める水戸に対応しながら、伊佐と藤本の2トップでカウンターによる追加点を狙った。
 
76分には中盤でボールを奪われ、黒川にスピーディーなドリブルで運ばれた末に逆サイドに振られ、茂木に鋭いシュートを放たれる。だがこれも、高木が横っ跳びでファインセーブ。ゴールを割らせない。78分、片野坂監督は疲労した前田凌佑を馬場賢治へとチェンジする。
 
流れは完全に水戸に傾いていたが、次にネットを揺らしたのも大分だった。80分、相手の背後でセカンドボールを拾った伊佐がドリブルで持ち上がる。相手CBの動きや視線と駆け引きしながらゴール前へと走り込んだ藤本が、わずかなギャップを突いた伊佐からの横パスを蹴り込んで2点目。追いすがる水戸を突き放した。
 

苦しい展開にも対応し勝ちきれる力がついてきた

 
だが、水戸の勢いは衰えない。86分、ゴール前で獲得したFKを茂木が直接狙う。ヒヤリとしたが、弾道はわずかに枠を外れて右サイドネットを揺らした。だが、アディショナルタイムに突入してからの右CK。浜崎拓磨のアウトスイングのキックを高い打点のヘディングシュートで叩き込んだのはジエゴだった。90+1分、ひさしぶりのCKからの失点。
 
追いつかれるのではないかという相手の勢いに最後までさらされながら、なんとか逃げ切った試合だった。片野坂監督は「もしかしたら勝点3を取れずに勝点1もしくは0になった可能性があった試合だった。決して『勝点3取れたからよかった』というゲームではなかったと思う」と振り返った。
 
前半から細やかにポジションを取りながら攻守に奔走した中盤の選手たちが疲労したことと、水戸がビハインドの状況でギアを上げて本来のポテンシャルを発揮してきたことが重なり、後半はピンチの連続となった。だが、高木のファインセーブでしのいだり相手の精度不足に助けられたりしながらも、勝ちきれた事実は非常に大きい。
 
後半は課題が出たが、前半は1トップを務めた伊佐が多彩な動きによりずば抜けた存在感を放ち、最後まで運動量を落とさず走りきった。中盤は守備にも追われたが、相手のミスを見逃さずに素早い出足で奪う場面も多かった。本来の狙いとしてはサイドから攻略し、相手が中央を突いてくれば中を固めるなど柔軟に戦えることにも、組織の成長が見て取れる。
 
残り7試合。またも台風の影響で日程に乱れが生じ、難しい状況が続く。だが、目の前の一試合に集中しながら勝点を積み上げてきたチームは、最後までそのスタンスを貫くだけだ。勝てば自ずと、その先に未来がひらけてくる。
 

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