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試合レポート

またもCKから失点も岩田の起死回生同点弾で+1。このチームであと3試合

 

仙台戦から中2日で迎えたアウェイ柏戦。7人を入れ替えた先発メンバーには、試合前日に契約満了が発表になった4人のうちの3人も並んだ。

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先発4人を入れ替え、積極的に背後を狙った

新型コロナウイルス禍の影響で延期となっていた第27節・柏戦。第31節・仙台戦と第32節・札幌戦、ホームゲーム2試合の間に無理矢理詰め込むようなかたちでの開催となった。仙台戦から中2日で迎えるアウェイで12月平日のナイトゲーム。さらに中2日で札幌戦が控えており、片野坂知宏監督は仙台戦から先発7人を入れ替えてこの試合に臨んだ。
 
仙台戦ではミラーゲームを仕掛けられ、攻撃の要所をケアされて攻めあぐねた。柏は4バックと3バックを使い分けるチームだが、やはり対大分は3-4-2-1で合わせてきた。ただし、やはり過密日程の中で、先発4人を入れ替え。オルンガはベンチスタートだった。
 
立ち上がりから高い位置を取ってきた柏の左WB瀬川祐輔に対し、大分は右WBに高山薫をぶつける。対人守備に強く、低い位置から爆速スプリントで出ていける。いつも三竿雄斗が務める左CBには、やはり対人守備に長けた刀根亮輔。視野が広くロングフィードも得意だ。しっかりとリトリートした守備から入り、機を見ては柏の最終ラインの背後へと長いボールを送って、スピードのある前線やサイドに速攻を狙わせた。今節フレッシュな状態で戦えるメンバーの特長を生かす戦術でもある。選手たちは攻撃時には相手とのミスマッチを作るポジショニングを意識していた。
 
5分には早速、チャンスが生まれた。自らのスローインの流れからパス交換してペナルティーエリア右へと進入した高山が、GKと最終ラインの間に速く低いクロス。ファーには髙澤優也が入っていたが、スライディングしてきた高橋峻希に掻き出された。続く7分には、岩田智輝のロングフィードを髙澤が左から折り返し、右から伊佐耕平がシュートを放つがサイドネット。18分には伊佐が髙澤に向けて送ったクロスがクリアされたこぼれ球に星雄次がフリーで走り込んだが、ダイレクトシュートは枠の上に逸れた。

 

またも後半開始早々、CKから失点

球際の強い柏も、次第にペースを握りはじめる。22分にはクリスティアーノの落としに抜け出した呉屋大翔を、刀根がテクニカルファウル。イエローカードをもらった。ペナルティーエリア手前、ゴール正面からのクリスティアーノのFKは高木駿ががっちりとキャッチ。柏も先制点を奪おうと、積極的にクロスや浮き球をゴール前へと送ってきたが、守備陣が隙なく対応した。
 
前半終了間際には仲間隼斗が岩田に倒されて得たFKをクリスティアーノが蹴るが、弾道は大きく枠の上。大分も負けずに三平和司が送ったクロスに髙澤が飛び込むが、またも髙澤とともに滑ってきた高橋に掻き出されてしまう。
 
0-0で折り返した後半早々に、だが、またもセットプレーから失点。呉屋がゴール前の仲間に送った速いクロスは鈴木が見事にクリアしたのだが、それで与えたクリスティアーノの右CKを、呉屋に頭で合わせられてしまった。
 
柏は前半には高い位置を取っていた瀬川と仲間のポジショニングを大分の守備の間を取るように修正し、タイミングよくカウンターで出ていくよう方針転換したようだった。50分には大南拓磨の縦パスをクリスティアーノが逸らし仲間にシュートを打たれたが、高木が素晴らしい反応でファインセーブ。

 

岩田、気持ちのこもった起死回生の同点弾

62分、片野坂監督はビハインドを取り返すべく、刀根と高山を三竿雄斗と田中達也に交代した。田中はそのまま右WBに入る。さらに72分には前田凌佑と三平を小林裕紀と町田也真人にチェンジ。77分には伊佐を知念慶に代えた。80分には町田がペナルティーエリア左に進入して髙澤へとパスを送ったが、髙澤の左足シュートはキム・スンギュに阻まれる。
 
次第に大分が勢いを盛り返す中、ネルシーニョ監督は82分、仲間を神谷優太にチェンジする。だが、84分、大分が追いついた。小林裕紀の縦パスを髙澤が落とし、ボックスの外から岩田が右足でグラウンダーシュート。「誰かに当たって事故的に入ってもいいかくらいであそこに打った」という弾道はゴール前の密集を抜けてネット左を揺らした。
 
85分にはついに呉屋と代わってオルンガがピッチに入ってきた。鈴木と島川俊郎が挟みながら対応する。互いに勢いを増しながら、試合はどちらに転んでもおかしくない展開となりつつ、1-1のままアディショナルタイムに突入。
 
90+3分、三竿の浮き球を知念が落とし、町田がペナルティーエリア左からシュートするがサイドネット。最後のCKも実らず、勝点1を分け合う形で試合は終了した。

 

いつもどおりに戦った、それでも胸の中は

柏はこの結果を持ってACL出場圏の可能性が消滅した。大分にとってはこの過密日程の中、アウェイで柏相手に勝点1なら悪くない結果。苦戦しがちなミラーゲームにおいて、片野坂監督は髙澤と三平を入れ替えたり星と田中を入れ替えたりと、マッチアップする相手との相性を考えながら細やかに采配を揮った。
 
そして、三平、前田、星と、試合前日に契約満了が発表された4人のうち3人が先発した試合。決して「移籍に向けてアピールさせるため」ではなく、ましてや「思い出出場」でもない、指揮官の判断だ。「メンタル的に厳しい状況だったはずだが、昨日と一昨日のトレーニングを見ていて、本当にそういうものを感じさせない準備、集中したトレーニング、今日の柏戦に向けてやってやるぞというものを見せてくれた。だから今日は思い切ってこうして使った。今季最後までトリニータのために戦ってくれる姿勢をしっかりと出してくれている。本当にありがたい」と試合後に話した。いつどういう状況でも、開幕戦から最終節まで目の前の一戦に同じテンションとスタンスで臨むのが、このチームの戦い方だ。だがそれでも、チームメイトたちの戦いぶりからは、彼らのためにという思いが感じられた。
 
次も中2日で第32節・札幌戦。異例の苦しみを強いられたシーズンのホーム最終戦は、また忘れ難い一戦になるのだろう。記憶に焼きつけるように、ひとつひとつのプレーを大事に、ダイナミックに戦いたい。

 

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