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試合レポート

シビレる120分+PK戦。周到なプラン遂行と“高木劇場”で国立行きの切符を掴む

 

周到なゲームプランを全員が意思統一して粘り強く遂行。それでも上回ってきた王者を最後は力技で押し返し、PK戦にまで持ち込んだ。終始大当たりだった高木の神セーブにも支えられ、今季ラストゲームは新国立にまでなだれ込む。

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川崎Fの攻撃を阻むがっつりマッチアップ

天皇杯連覇を狙うリーグチャンピオンの川崎Fにどう挑むのか。夏に加入した4人と出場停止の刀根亮輔を欠いて戦力も限られている。発表されたメンバー表からはいくつかのフォーメーションの可能性が考えられたが、蓋を開けてみると中盤ダイヤモンド形の4-4-2だった。
 
全体をがっぷり四つに噛み合わせ、川崎Fのハイクオリティーな攻撃をひたすら邪魔する作戦。特に何度でも心折れずに球際にアプローチに行ける渡邉新太を脇坂泰斗にぶつけ、巧みな位置取りで球際も強い町田也真人を大島僚太に当てるなど、戦力それぞれの特長を生かすマッチアップを組んだ。2トップには守備の強度も高い走力自慢の伊佐耕平と小林成豪を並べてプレッシングで相手をサイドに追いやる。2CBはエンリケ・トレヴィザンとペレイラで、今季リーグ得点王のレアンドロ・ダミアンを抑えつつ、布陣のどこからでも攻めてくる相手を組織的にケアした。
 
こちらの出方が想定外だった川崎Fは、立ち上がりこそ少し逡巡する様子を見せたが、間もなく個での打開も含めて高い技術と連係で大分の守備をかわしにかかる。25分には脇坂のシュート、さらに27分には大島のシュートを高木駿が掻き出し、28分には高木のパンチングクリアをダミアンに打たれるがサイドネット。44分には登里享平のクロスを高木がキャッチできず、こぼれ球をダミアンにシュートされて、今度はポスト。46分には旗手怜央の強烈なシュートを喰らうが、これも高木が阻んだ。
 
ほとんどの時間を川崎Fに攻められていたが、37分には伊佐耕平が時間を作り、機を窺っていた小出悠太が高い位置からクロスを送る場面も。前半のシュート数は川崎Fが7本、大分が1本。それでも対川崎F戦術のハマり具合と高木の好調ぶりを見るにつけ、0-0での折り返しは上々と言えた。

 

相手が前がかりになるのを待ちスピード系で勝負を懸ける

両チームとも交代なくスタートした後半も、大分の粘り強い守備が続く。立ち上がりから川崎Fのセットプレーのチャンスが続き、大分はそれを集中して跳ね返す構図。51分には脇坂の左CKから家長がヘディングシュートして枠外に逸れた。
 
先に動いたのは鬼木達監督。65分、大島をマルシーニョに代えた。大分の堅い守備に対して、このあたりから川崎Fの攻める意識が高まり、徐々に前がかりになってくる。その流れを見極めたように71分、片野坂知宏監督が2枚替え。伊佐と小林成を井上健太と松本怜に代え、井上と渡邉の2トップ、松本は中盤の左に入った。前にかかった相手の背後をスピードで突くという明確な狙いが見えた。77分にはその井上のチョン・ソンリョンへの猛プレスから生まれたビッグチャンス。ボールを奪って自らは打てず、駆け上がってきた下田北斗へと落としたが、下田のシュートは枠の上に逸れた。
 
その間にも、高木の大奮闘が続く。72分にはマルシーニョのシュートを掻き出し、75分にはダミアンのオーバーヘッドシュートを安全に処理。79分にはマルシーニョのシュートを交錯しながら阻んだ。
 
82分には川崎が2枚替え。旗手とダミアンがベンチに下がり、知念慶と小林悠がピッチに入る。86分には小林悠の落としから脇坂のシュートが枠の右。失点はしていないものの、後半終盤はクリアするのが精一杯という状況。それでも、井上がファウルを受けて獲得した下田のFKにエンリケが頭で合わせたが枠外に飛び、相手も脇坂のFKから谷口彰悟がヘディングシュートして枠を捉えきれず。大分の粘りの前に試合はスコアレスのまま、延長戦へともつれ込んだ。

 

112分についに決壊も、8分後にエンリケの劇的同点弾

96分には渡邉の強烈なシュートが枠へと飛ぶが、ソンリョンに掻き出される。100分には立て続けのシュートブロックの末に脇坂に許したシュートを高木がファインセーブ。
 
激しい攻防の中、104分にペレイラが負傷。その前にも接触して痛み、なんとか頑張っていたのだが、ここで耐えきれずに坂圭祐と交代となる。105分には家長からパスを受けた小林悠がエリア内で反転シュートも枠の右。延長前半のアディショナルタイムにも山根視来と知念にシュートを打たれるが、スコアはまだ動かない。
 
延長後半、そろそろ勝負を決めなくてはという川崎Fは109分に3枚替え。脇坂、家長、橘田健人を塚川孝輝、遠野大弥、小塚和季へと交代して、疲労の見える布陣にもう一段階のテコ入れを施した。111分、マルシーニョのシュートをまたも高木がビッグセーブ。大分の守備を何度かいくぐったところで、度重なる“高木劇場”のお膳立てにしかならないのではないかと思わせる展開だったが、それでもそれを上回ってくるのが王者の貫禄。ついに112分、川崎Fが大分のゴールをこじ開ける。山根の縦パスを小塚が折り返し、小林悠が合わせて先制。
 
ピッチサイドでは羽田健人が疲労した小出との交代の準備をしていたのだが、この間に失点したため、大分は羽田を最終ラインに入れてエンリケを前線に上げ、パワープレーの態勢を取った。
 
そのとき、川崎Fに生じたわずかなほころび。負傷した遠野がピッチサイドで治療を受けていた121分。右サイドでボールを受けた井上から小林裕を経由してボールを受けた下田。自慢の左足からノープレッシャーで放たれたボールは美しい弧を描いてピンポイントでエンリケのもとへ。エンリケはマークについている山村和也を上回りヘディングシュートでネットを揺らす。その後も川崎Fの分厚い攻撃をしのぎ、大分は王者との勝負をついにPK戦にまで持ち込んだ。

 

フロンターレサポも沸かせた圧巻の“高木劇場”

最終決戦前の円陣では選手やスタッフの笑顔も見えた。片野坂監督が勢いよくスタンドのサポーターを煽り、ベンチ前では全員が肩を組んでPK戦を見守る。
 
ファーストキッカーを務めたのは下田。一度はポストを叩いてヒヤリとするが、ソンリョンの背中に当たってゴールイン。川崎Fは知念が決めて1-1とする。2本目の長沢駿は左ポストに嫌われて失敗。すると山村も高木に止められておつきあい。3本目は松本。故郷の厚真町に届くかくらいの上を狙ったキックでネットを揺らす。小塚も高木の右を抜いて成功した。4本目はエンリケ。ゆっくりソンリョンと駆け引きして勝利。塚川が左ポストに当てたため、次に決めれば大分の勝利という場面の5本目、だが小林裕はソンリョンに止められて決着をつけられない。小林悠に決められて、カウントは振り出しに戻った。
 
サドンデスに突入した6本目の三竿雄斗と谷口が粛々と沈め、7本目の町田も成功。そして、山根のキック。右に倒れながら高木が両手で弾き、この瞬間に大分の勝利が決まった。ベンチを飛び出す選手とスタッフ。片野坂監督はまたカメノサカになっているのではないかと見れば、今回は仰向けで万歳をしたまま伸びきって倒れていた。
 
高木がヒーローインタビューを受けているため、ゴール裏のラインダンスを仕切る者がいない。と見るや華麗なステップで選手の列を割って最前線へと躍り出たのはまたも片野坂監督。そこに伊佐をはじめ選手たちが次々に加わり、指揮官はワッキーさんの芝刈り機をサポーターの前で披露する出血大サービス。インタビューを終えて駆けつけた高木とともに“W芝刈り機”で盛り上がり、スタンドとピッチは一体となって喜びを分かち合った。
 
クラブ初の天皇杯決勝進出。ファイナリストとして挑むのは、準決勝でC大阪を2-0で下した浦和だ。12月19日、新国立競技場で、西川周作の守るゴールをこじ開けに行く。

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