TORITENトリテン

特別なコンテンツを貴方に

トリテンでは、ここでしか見られないとっておきのクラブコンテンツを提供いたします。試合では見ることのできない選手の素顔、ゲーム解説、特別インタビューなど盛りだくさんの内容です。是非ご利用ください!

有料コンテンツのご紹介
試合レポート

奏功した0トップからの1トップ。サイドから押し込んで勝負どころで一撃

 

負傷者多発という逆境を、コーチ陣のプランと選手たちのプレーが乗り越えた。見事にデザインされた試合で相手を押し込み続け、1-0勝利。首位・町田との勝点8差を維持した。

試合情報はこちら

 

背番号16の特製Tシャツで確かめたチームの絆

長いホイッスルを聞いて、ベンチ前で歓喜の輪が踊った。不本意にして屈辱的な天皇杯2回戦敗退後、これまでの主力に複数の負傷者が出ていることを受けて中3日で落とし込んだ戦術。選手たちがそれをハードワークの下に遂行し、ほとんどの時間帯で相手を押し込み続けた。
 
負傷中のチームメイトたちのために。そんな思いを込めて、選手入場時には揃いの背番号16Tシャツをまとった。スタンドにはサポーターの手によって「ピッチに立てない仲間のために」という横断幕が掲げられた。試合後のゴール裏挨拶に訪れた際には再びTシャツを着込む。決勝点を仕留めた藤本一輝はDAZNのヒーローインタビューにも、背番号が見えるように16番ユニフォームを着用して登場した。
 
チームを取り巻く全員の一体感と集中力で成し遂げた、逆境を跳ね返しての完勝だった。

 

中川と野村の長所を生かした0トップ戦略

複数の負傷者が出たことにより、これまでどおりの戦い方では強度を出せない状態だった今節。下平隆宏監督以下コーチングスタッフが考案したのは、中川寛斗を頂点に置く0トップ戦法だった。守備時には4-4-2で最前線からチェイスする中川と野村直輝が、攻撃時には自由に動いてビルドアップに参加し、サイドにボールが入ればサイドで数的優位を作る。左の藤本と右の松尾勇佑の両SHが前線に並び、左SBの高畑奎汰と右SBの上夷克典も高い位置を取って、サイドから攻略を続けた。
 
一度は止んでいたものの試合開始直前に降り始めた雨の中、立ち上がりは群馬にチャンスを作られる。3分にはスルーパスから武颯にシュートされ、ペレイラと西川幸之介が対応した。9分には高畑奎汰の左CKがペレイラに惜しくも合わず。
 
ポゼッションも巧みで、中を使いつつサイド攻撃やカウンターで攻めてくる群馬に対し、大分は素早く帰陣して対応する守備へと切り替えた。群馬の攻撃のストロングポイントである山中惇希は、上夷が上回って抑える。12分には両サイドからクロスを入れられたが集中して跳ね返した。それらの守備で相手の攻撃を阻み、逆に中川・野村の流動的な動きで相手には守備をハメさせずに、サイドで相手を上回ることで、まもなく大分が群馬を押し込む構図が定まった。

 

櫛引のファインセーブにも阻まれながら

前半は左サイド。高畑と藤本の縦関係に野村や中川が絡み、幾度もゴールへと迫った。だが、ブロックは崩せてもその先の牙城はなかなか崩れない。ターゲットのいない0トップゆえ、サイドから速いグラウンダークロスを入れるのが大分の立ち上がりの狙いだったのだが、フィニッシュ近くまでは持ち込めても、ゴール前で跳ね返されてしまう。17分には高畑とのワンツーで抜け出した藤本のニアへの速いクロスに中川が飛び込んだが、櫛引政敏にキャッチされた。
 
それでも前半だけで10本のCKを得る押し込みぶり。21分には野村の右CKを安藤が落とし、ペレイラが拾って中川の浮き球に藤本が頭で合わせたが、櫛引に横っ跳びで掻き出された。31分には右CKを高畑が蹴ると、安藤のヘディングシュートはまたも櫛引のファインセーブに阻まれる。そのこぼれ球をもう一度、安藤が押し込もうとして相手に当たり、跳ね返りを拾った保田堅心のシュートもまた跳ね返り、さらに野村も狙ったが決めきれない。

 

勝負どころで0トップから1トップへ

後半の大分は右サイドが活性化。49分にはペレイラの浮き球に抜け出した松尾が巧みに相手と入れ替わりゴール前にパスを送るが中川が反応しきれず。49分には自陣で群馬に引っ掛けられて佐藤亮にクロスを入れられたが、飛び込んだ武にはわずかに合わず助けられる。後半の群馬はハーフスペース対応からのトランジションを修正した様子で、山中がスピードをもって仕掛けクロスを上げるシーンが増えた。65分には再び佐藤のクロスから武がヘディングシュート。
 
少し攻撃の手応えが出てきた65分、大槻毅監督は佐藤と武を北川柊斗と平松宗に2枚替え。群馬に攻められる時間が続き、68分、風間宏希にシュートを許したタイミングが勝負どころと見た下平監督は69分、保田を池田廉に、松尾をサムエルに代えると、サムエルを頂点に据え、中川をトップ下に、野村を右SHに配置換えした。
 
この0トップから1トップへの変更が絶妙だった。長身にして明確なターゲットを置き、池田を軸に相手を動かした上でフィニッシュの形をシンプルにしたことで、群馬に傾きかけていた勢いは再び大分へと引き戻される。

 

プランがハマったサムエル潰れの藤本決勝弾

その狙いは早速の73分に、得点へと結実した。池田から中川、そして野村へと相手の間を使いながら運び、野村が右に展開すると上夷がダイレクトでクロスを送る。相手を引き連れて飛び込んだサムエルの頭上を越えたところに入ってきたのは藤本だ。逆サイドから走り込む形を見事に体現して、自身ではこの日3本目のシュートでついにネットを揺らした。
 
群馬は76分、山中を岩元ルナ、天笠泰輝を内田達也にチェンジして追撃態勢を取るが、大分の時間帯は続く。78分、高畑の右CKに合わせた安藤のヘディングシュートは藤本に当たって跳ね返り追加点ならず。79分には野村のクロスがクリアされたところを上夷が拾い、一旦野村に預けて抜け出した上夷が送ったマイナスのボールを受けて弓場将輝が右足を振り抜くが、これはポスト。81分、高畑の右CKに合わせたペレイラのヘディングシュートは枠の上。
 
87分には群馬の左CKをクリアしたこぼれ球を内田にシュートされたが、ペレイラが渾身のブロック。89分の風間のFKからの北川の折り返しはニアで西川ががっちりとキャッチした。90+1分、下平監督は藤本と中川をデルランと屋敷優成に交代。デルランが安藤と高畑の間に入り、屋敷が左サイドに入って5-2-3の布陣で守備を固めると、アディショナルタイム5分を乗り切った。
 
天皇杯敗退の無念さを払拭するような会心の戦いぶり。押し込んでいたぶんゴール前も堅く、シュート14本CK18本で1得点は物足りなさも残るが、毎試合この一体感を貫いて、得失点差も取り返していきたい。

特別なコンテンツを貴方に

トリテンでは、ここでしか見られないとっておきのクラブコンテンツを提供いたします。試合では見ることのできない選手の素顔、ゲーム解説、特別インタビューなど盛りだくさんの内容です。是非ご利用ください!

有料コンテンツのご紹介