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試合レポート

苦境を覆した三竿からヒョンの一閃。+パトPK弾で3連勝も成長の余地は大

 

イレギュラーな開催となった第1節も2-0勝利。開幕からのホーム3連戦を3連勝で飾ったが、この試合では難しい時間帯も多く、まだまだ成長の余地が大きいことも示された。

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冷たい夜の試合の前半は劣勢に

前夜からの雨は試合直前になんとか止んだが、冷たい強風が体感温度を下げた2月水曜の夜。ともに3連戦の2戦目ということで、両軍のメンバー構成が注目された中、第3節の鳥取戦から中2日の大分は先発4人を入れ替えた。一方、第3節の琉球戦をアウェイで戦った滋賀は、なんと先発11人全員をチェンジ。琉球戦に出場した多くのメンバーが本拠地に残り、ベンチメンバーも複数名が変わっていた。
 
もともと情報の少なかった滋賀だが、さすがにこのターンオーバーは予想外。その影響だったのか、それとも連戦の疲労なのか。あるいは最初の2戦を同じスタメンで戦ったチームが、今節は今季初出場や負傷からの復帰戦となるメンバーを交えて戦力を入れ替えたこともあったのか。前半はほとんどの時間帯で滋賀にペースを握られる展開となった。
 
鳥取戦に続く3-4-2-1同士のミラーゲーム。5バックのミドルブロックを構える滋賀に対し、本来ならばいかにそれを攻略していくかがテーマとなるはずだったのだが、逆に相手にボールを握られる場面が多くなる。球際や切り替え、予測などで上回られ、セカンドボールを拾えず、奪っても選手間が繋がれないままですぐに奪い返された。

 

ヒョンの先制弾が流れを引き寄せる

滋賀の中盤に主導権を握られた中で、自陣で体を張る場面が増えた。それでも粘り強い対応で進めていくうちに、徐々に左サイドから突破の糸口が見えてくる。それに呼応するように右サイドからも攻め込む回数を増やし、小酒井新大の長めのパスもようやくチャンスに繋がりはじめていた41分、少ない絶好機を逃さず、先制点をゲットした。宇津元とパトリッキ・ヴェロンの左サイドの崩しに関わってきた三竿雄斗が左足で速いクロスを送ると、ニアで合わせたのはキム・ヒョンウ。マークについていた小野寺健也よりも先に合わせて頭を振り、ゴール右隅を揺らした。
 
この1点が、苦しかった試合の流れを引き寄せる。右サイドでも岡本拓也が最前線まで駆け上がる場面が多くなり、サイドから滋賀を押し込みながら、試合は1-0で折り返した。

 

大分らしさが見えてきた後半

その流れを継続するかのような後半。ハーフタイムには四方田修平監督からも、相手の攻略に向けて選手たちに指示が出された。50分には中途半端になった相手のパスを奪ってヴェロンがクロス。53分にも相手陣での競り合いの中でセカンドボールを収めた榊原彗悟がショートカウンターを仕掛けた。
 
大分が滋賀陣内でプレーする回数を増やしていた時間帯。そんな55分、自陣で構える相手を外から攻略する。岡本から有働夢叶を経由して屋敷優成が送ったグラウンダーの折り返しを、有働がスルー。その後ろですでにエリア内に進入していた岡本が相手を背負いながらパスを出し、キムが右足を振ると、そのシュートが相手のハンドを誘って大分がPKを獲得した。
 
キッカーに自ら志願したのはヴェロン。最初はキムが蹴る気でいたところに、ヴェロンが頼み込みキムが譲ったようだった。ヴェロンは落ち着いてGKの逆を突き、56分、大分が滋賀を突き放す。

 

清武投入で流れはさらに大分に

滋賀は57分、左シャドーの鈴木翔太を三宅海斗に、右WBの小泉隆斗を北條真汰に2枚替え。だが、大分は岡本のクサビを有働がはたき、その外側を回り込んだ小酒井がクロスを送るなど、ようやく本来の姿を安定的に見せるようになっていた。61分に有働とヴェロンの2シャドーを清武弘嗣と木本真翔に2枚替えすると、清武の巧みなポジショニングによって選手同士の繋がりがさらに強まり、屋敷のスピードが生きる場面も増えた。
 
さらに68分には榊原を山口卓己に、キムを伊佐耕平に交代。ここにも今回の3連戦の2戦目における四方田監督のマネジメントの一環が透けて見えた。71分には清武のスルーパスに抜け出した屋敷のクロスに伊佐が頭で合わせたが笠原淳にキャッチされる。

 

最後は滋賀の追撃に大ピンチも

和田治雄監督は72分、奥田陽琉と南拓都を森本ヒマンと白石智之に代え、システムを4-4-2に変更した。よりシンプルに攻撃陣のストロングを生かす戦法へとシフトしつつ、ボールを握る大分の球際へとプレッシャーを強めたところから、再び滋賀が流れを引き寄せていった。
 
74分の三宅のシュートは枠の上に逸れたが、78分には最大のピンチが訪れた。サイドでの奪い合いから抜け出した森本のスピード感あふれるカウンターから、逆サイドでそのクロスを受けた北條が落とし走り込んできた角田駿がシュート。勢いよく放たれた弾道は右ポストに弾かれ、大分としては命拾い。81分には宇津元のクロスに清武が頭で合わせたが笠原がキャッチ。89分に宇津元を山崎太新に交代する中、90分には北條にシュートを許しムン・キョンゴンが横っ跳びで掻き出す場面もありながら、アディショナルタイム4分を無失点で乗り切って、大分はこの試合にも2-0で勝利した。
 
開幕からのホーム3連戦をいずれも2-0で3連勝したが、内容はそれぞれに大きく異なった。特に滋賀戦は複数のメンバーが入れ替わった中で、それぞれの長所を生かす戦い方や状況ごとの共通認識に、まだ高めるべき部分が大きいことが浮き彫りになったかたちだ。
 
次は中3日で今季初のアウェイゲームとなる熊本戦。敵将はかつて悲喜交々をともに経験した片野坂知宏監督だ。恩返ししたいメンバーもいることだろう。チームはすぐに切り替えて準備をはじめた。

ガッツポーズにおける最高到達点(当社比)